不動産投資ではキャッシュフローを重視するべきだということがよく言われます。
これにはどのような理由があるのでしょうか?
それは不動産投資でキャッシュフローを出すにはきちんとした戦略が必要になるからです。
つまりキャッシュフローが出にくい収益物件を避ける必要があるということです。
不動産投資は仕組み上減価償却が大きく帳簿上の黒字化は簡単にできることが多いです。
しかし帳簿上が黒字であったとしても実際のキャッシュフローが回らないとキャッシュが尽きたときに黒字倒産する可能性があります。
他にも事業をしていればキャッシュフローのマイナス分を穴埋めすることもできます。
しかしサラリーマンや公務員は本業の給与しか収入がないのを忘れてはいけません。
本業の収入から不動産投資のキャッシュフローのマイナス分を補てんするとなると何のために不動産投資をしているのか本末転倒になってしまいます。
この記事では、キャッシュフロー重視の不動産投資でサラリーマンや公務員の投資家が買ってはいけない収益物件4タイプをご紹介します。
キャッシュフロー重視の不動産投資戦略が資産の増加スピードを加速させる
サラリーマンや公務員投資家がキャッシュフローを最重視したい理由はもう一つあります。
それはキャッシュフローで収益を早く上げることが不動産投資を加速させて資産を増やすことにつながるからです。
例えば下記のような一棟収益物件を保有しているとします。
- 物件価格:5000万円
- 頭金+諸経費:500万円
- 年間キャッシュフロー:100万円
頭金+諸経費が500万円の時点でこの物件を買うために自己資金を500万円使っていることになります。
簡素化するために税金を考慮しないとすると毎年100万円のキャッシュフローが発生するため、5年経過すると初期費用分の500万円は回収できることになります。
その時点で同じ5000万円の物件をもう1つ購入できることになります。
最初に買った物件の価格が同じ5000万円でも、キャッシュフローが半分の50万円しか出ない物件だと、物件を買い進めるスピードはかなり遅くなります。
初期投資の500万円を回収するまでに倍の10年の期間がかかることになるからです。
自己資金がもっとあれば買い増していくスピードも速くできますが、キャッシュフローが多いか少ないかによって2棟目を買うまでの時間に大きな差が出てしまう可能性があることが分かると思います。
そしてキャッシュフローを重視するということはキャッシュフローを他の収益指標よりも優先して考慮する必要があるということです。
キャッシュフローを重視する不動産投資を行う場合に買ってはいけない収益物件の4つのタイプ
- 物件価格に対して土地の価格が高く資産性が高い物件
⇒土地の値段が高い物件は建物を壊せば土地として売ることができるので、その分安全な投資ができる。 - 返済スピードが速く10年で返済が終わる物件
⇒返済スピードが速いと残債が早く減るので、数年後に売却しても利益が出る可能性がある。 - 数年後に値上がり益が見込める物件
⇒価格が上昇した段階で売れば値上がり益(キャピタルゲイン)が得られる。 - プレミアム価値があるエリアに建っている物件
⇒一等地に物件を持つことによるプレミアム感を持つことができる。
正確に言うと、上記のような条件でもキャッシュフローが出るのであれば越したことはありません。
ただし、上記のような条件の収益物件の多くはキャッシュフローが出ない収益物件なので、キャッシュフロー重視の戦略でやっていく場合は見送って他のキャッシュフローが出る収益物件を探したほうがよいといえます。
上記1~4の物件は、『・・・だがキャッシュフローが出ない』物件と言い換えることができるからです。
特に1棟目の購入は何よりもキャッシュフローを最重視するべきです。
おわりに
特に不動産投資を始めた初期段階で、キャッシュフローが出ない物件を購入してしまい、保有している自己資金の多くをその物件につぎ込んでしまうと、投資拡大のスピードが大幅に遅くなってしまいます。
収益物件を購入して、その物件で上がったキャッシュフローを次の投資資金にあてるという良い循環に入るためには、キャッシュフローが出る物件を買うということを最重視して考える必要があるのです。