不動産投資で売却時に儲けを出すためにIRR(内部収益率)とNPV(正味現在価値)の関係性を理解する3つのポイント

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投資指標IRR(内部収益率)を活用した不動産投資分析のポイント

不動産投資の出口戦略でも金融やM&Aと同様に、IRR(内部収益率)が使われることが増えています。

IRRが何%だと言われて、それがどのようなことを表すのかをすぐにイメージできるでしょうか?

不動産投資では表面利回りやNOIも重要な指標ですが、売却後のトータル収益がいったいいくらになるのかも重要です。

なぜなら、利回りが良くても売却時に取得額を大幅に下回って大損すれば、コツコツ利回りで稼いできた分がすべて吹き飛ぶことも考えられるからです。

表面利回りにしてもNOIにしても、出口戦略(売却時)を考慮した指標ではありません。

  • いくらで購入して
  • どのくらい収益が上がって
  • いくらで売れるか

までを考慮したIRR(内部収益率)が不動産投資のトータル収益を算出するのに適しているといえます。

この記事では、不動産投資で売却時に儲けを出すためにIRR(内部収益率)NPV(正味現在価値)の関係性を理解する3つのポイントをご紹介します。

不動産投資で売却時に儲けを出すためにIRR(内部収益率)とNPV(正味現在価値)の関係性を理解する3つのポイント

IRRにしてもNPVにしても、突き詰めたら本が何冊も出ているような膨大な内容になります。

私たちは学者ではありませんので、不動産投資に関わる部分で儲けに直結する部分だけをサラリと賢く覚えていくのがよいと思います。

 

ポイント①:不動産投資のNPV(正味現在価値)とは?

NPV(正味現在価値)とは、投資の良否に関する結論を、現在の時間軸で割り引いて評価しようという方法です。

逆にマルチプルは何年後に投下した自己資金がいくらになっているかという投資指標でした。

例えば、

  • 初年度に200万円を現金で投資
  • 1年後に100万円の現金を受け取り
  • 2年後に80万円の現金を受け取り
  • 3年後に70万円の現金を受け取り
  • 資本コストは7%

の場合、NPV(正味現在価値)ではどう評価されるでしょうか?

上記を表にすると下記のようになります。

  初年度 1年後 2年後 3年後
キャッシイン   100万円 80万円 70万円
キャッシュアウト 200万円      

マルチプルで計算すると、3年間で250万円入ってくるので、

◎マルチプル=250万円/200万円=1.25倍

となります。

マルチプルの場合は、あくまで3年後にならないと分からないが、このくらいになるという予測値のシミュレーションになります。

NPV(正味現在価値)はあくまで、初年度に時間軸をそろえて、まだ入っていない利益を割り引いて、今現在いくらとみなしてよいというニュアンスです。

また、資本コスト=金利を考慮します。

  • 1年後の100万円を現在価値に割引
    ・・・100/1.07=93.5万円
  • 2年後の80万円を現在価値に割引
    ・・・80/(1.07)2=69.9万円
  • 3年後の70万円を現在価値に割引
    ・・・70/(1.07)3=57.1万円

勘の良い方ならお気づきかと思いますが、DCF法による収益還元法と同じ計算です。

年数が増えればその分だけ資本コストをべき乗して割り戻します。

上記より、

◎NPV(正味現在価値)=200万円(初年度)+93.5(1年後)+69.9(2年後)+57.1(3年後)=220.5万円

となります。

利益は、

220.5万円-200万円=20.5万円

となります。

資本コストが7%かかっても、上記の投資ならば、現在の価値にして20.5万円がすでに回収できているので、この投資はするべきだという判断になります。

逆にNPVが初期投資を下回ってしまう場合は、現在価値で資金が回収できていないため、投資は見送りという判断になります。

その場合は当然、利益は現在価値でマイナスとなります。

 

ポイント②:不動産投資のIRR(内部収益率)とは?

なぜIRR(内部収益率)をやるまえに、NPV(正味現在価値)をご紹介したのでしょうか?

その答えは、実は、先ほどのNPV(正味現在価値)での『資本コスト』がIRR(内部収益率)とほぼ同じだからです。

厳密には同じではないので、『ほぼ同じ』としました。

NPV(現在正味価値)を求めるときは、あらかじめ決まっている資本コストを使って求めました。

IRR(内部収益率)を求めることは、まさにこの資本コストを求めること。

じゃあ、どういう時の資本コストかというと、MPV(正味現在価値)=0となるときの資本コストを求めることになります。

IRR(内部収益率)は実はエクセルですぐに求められ、上記の例において、

◎IRR=13%

と求められます。

NPV計算での資本コストは7%でした。

IRRが13%ということは、上記の投資は資本コストが13%になると、トントン、プラスマイナスゼロとなるということを表しています。

上記の例を不動産投資で置き換えると、

  • 借入金利=7%
  • IRR=13%

ですので、借入調達コストよりも、内部収益は上がっていると評価することができることになります。

 

ポイント③:不動産投資ではIRR(内部収益率)が一番高い収益物件に投資すべきか

不動産投資におけるIRR(内部収益率)の評価法

不動産投資指標としてIRR法がよく使われるのは、NPV法とは違い事前に資本コストを決定する必要がないためです。

なので、IRRが出揃っていると、一番高いIRRの物件を選択してしまうことがあります。

しかし、これには注意が必要です。

それは、もしIRRで高い数値が出ていてもその数値には資本コストが加味されていない、つまりビジネスリスクは加味されていないということがいえます。

そのために、投資意思決定の際には他の投資候補と比較して、高い収益率を上げているのはその分のリスクを負っていることに注意をして、投資先の選択や意思決定を行わなくてはならないと思います。

 

まとめ

  • 不動産投資の出口戦略でも投資指標としてIRR(内部収益率)が使われることが増えている。IRRが何%だと言われて、それがなんのことでどのようなことを表すのかをすぐにイメージできることが大切になる。
  • NPV(正味現在価値)とは、投資の良否に関する結論を、現在の時間軸で割り引いて評価しようという方法。ちょうどマルチプルと逆のことをすることになる。先の利益ほど大きく割り引かれて現在の正味の価値に引き直される。
  • IRR(内部収益率)を求めることは、MPV(正味現在価値)=0となるときの資本コストを求めることになります。なぜなら、そこが投資対効果の損益分岐点になるから。
  • もしIRRで高い数値が出ていても、その数値には資本コストが加味されていない、つまり、ビジネスリスクは加味されていないということがいえる。そのために、投資意思決定の際には、他の投資候補と比較して、高い収益率を上げているのは、その分のリスクを負っていることに注意をして、投資先の選択、意思決定を行わなくてはならない。

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