退去して空室になった部屋の現状回復のリフォームをできるだけ安く実施するにはどうすればいいのでしょうか?
退去後の原状回復リフォームには3つの実施方法があります。
- 管理会社経由で実施
- 施主支給で実施
- 分離発注で実施
この中で、一番安くあがるのが分離発注です。
退去後の空室の内装のリフォームは入居者が退去するたびに行うことになるので、どれだけ安くできるかが不動産投資の収支に直結してきます。
そして空室の原状回復リフォームを少しでも安くしようとすると施主支給や分離発注という手段を取ることになります。
しかし空室の原状回復リフォームは安ければそれでいいというわけではなく、費用の安さとオーナーの手間は反比例しますのでバランスを取りたいというのが本音のところです。
この記事では、不動産投資での空室の原状回復リフォームの発注方法について比較検討します。
管理会社経由で一括発注で空理の現状回復リフォームを実施した場合⇒一番多いパターン
ほとんどすべての不動産管理会社はお抱えのリフォーム会社を持っており、それらの会社に管理会社経由でリフォームの発注を行うことが最も簡単な依頼方法になります。
この方法のメリットは、オーナーに負担がかからず対応が非常に楽なことです。
入居者の賃貸付けを行っている管理会社が発注内容を精査するため、賃貸付けを行う観点から最善のリフォーム内容を選べることになります。
なので、品質が過剰に良い部材を使って必要以上に高い金額になってしまったり、逆に物件のグレードを下げてしまうような仕上がりになったりすることは避けられます。
見積書は管理会社の名前ではなくリフォーム会社の名義で出されることも多いですが、多くの場合リフォーム会社から管理会社に10%程度のキックバックが行われています。
それが原因で、見積もりの割安感はあまりない場合も多いです。
施主支給で原状回復リフォームを実施した場合⇒やってくれるリフォーム会社が少ない
施主支給とは、オーナーがリフォーム用の部材を支給して、それを使ってリフォームを行うことです。
クロスやクッションフロアなどをインターネットで購入して、工事の作業だけをリフォーム会社に依頼することになります。
発注するオーナーが部材の種類と量を決めなければいけませんので、リフォーム会社に一括して依頼するよりも難易度が高くなります。
その代わり、仕入れ原価は安くできるので、費用総額は安く抑えることができます。
管理会社への一括発注よりも安く仕上げたいが、分離発注や自分で工事をするDIYまではできないという人にはお勧めの方法です。
分離発注で原状回復リフォームを実施した場合⇒一括より安いがオーナーの手間暇がかかる
分離発注とは、工事の項目ごとに分けて発注を行う手法です。
通常のリフォーム工事を行う場合、取りまとめを行う元請け会社であるリフォーム会社が発注者であるオーナーとやり取りをしてリフォームの計画を立てます。
クロス貼り、クッションフロア貼り、浴室工事、クリーニングなど、元請けのリフォーム会社が自社の職人ですべての工程を行う場合もありますが、元請けの会社がそれぞれの工事ができる職人に下請けとして依頼する場合もあります。
こうした元請けの作業をすべてオーナーが行うのが分離発注です。
大規模な建築現場ほどではないですが、物件のリフォームもそれぞれの作業内容が密接に絡んでいるため、どの工事が同時に進めることができ、どの工事に前後関係があるのかを正確に把握してスケジューリングする必要があります。
工事は職人に直接発注を行うため、かなりの費用削減が可能になります。
分離発注は上級者向けのやり方ですが、まず一部屋で実施してみるなど少しずつやってみるとやり方を覚えられると思います。
おわりに
収益物件の場合は、リフォームに時間がかかるとそれだけ募集開始が遅れて家賃が入るのが遅くなります。
リフォームコストの圧縮のために施主支給や分離発注を検討する際は、コストダウンだけでなく工期の長期化に伴う機会損失についても注意して発注方法を決めたようが効率的です。