不動産投資において初心者でも儲かる収益物件を目利きするためにはどのような視点を持って物件を選定すればよいのでしょうか?
収益物件の購入においては目利きが大切なことは言うまでもないのですが、具体的にはどのように考えてどのような視点で物件選定をすればよいのかという定義があいまいな人も多いと思います。
儲かる収益物件とはいろいろな定義があると思いますが、運営のリスクと収益性のリターンを比較して、リスクよりもリターンが上回っている物件だといえます。
例えば、空室や家賃の値下げなどの運営リスクはあるものの、収益性が明らかに上回っている利回り15%の高利回りの収益物件であれば、それは儲かる収益物件だと考える人が多くなります。
不動産投資で儲けるためには利回りの数値の大小だけでなく利回りから本当に儲かる収益物件なのかどうかを目利きできることが重要です。
この記事では、不動産投資の初心者が儲かる収益物件を目利きするために必要な不動産投資の利回りに対する2つの視点をご紹介します。
不動産投資で初心者でも儲かる収益物件を目利きするための利回りに対する視点①:不動産投資において利回りが高ければ大抵の問題はお金で解決できるという視点
利回りが高ければ多くの問題は解決するというのはまぎれもない事実です。
不動産投資において利回りは収益物件の収益性の良し悪しをはかる際の重要な投資指標です。
- 外観が綺麗
- ずっと満室状態
- 家賃の下落が少ない立地
などのメリットがいくらあったとしても、利回りが低いというデメリットがあるために総合的に見ると儲かる物件とはいえない収益物件はたくさんあります。
逆にたくさんのデメリットがあっても、利回り20%以上などの利回りが高い収益物件は、それだけで儲かる収益物件だと検討することもあります。
それは、
- 天災
- 突発的なリフォーム
- 空室率の上昇
などの不動産投資リスク要因のほとんどはお金で解決することができるからです。
つまり不動産投資全体の運営リスクを大きく上回るくらい不動産投資の利回りが高ければ問題にならないことが多いのです。
不動産投資の利回りはそれだけ力がある投資指標なので、少しでも高い利回りの収益物件を購入することは不動産投資家であるならこだわりを持つべきです。
つまり利回りが高い優良の収益物件を見定めるための目利きが必要になるということです。
また、不動産投資において収益物件の利回りが高ければそれで全て良いのかというと、決してそうではないのが不動産投資の奥が深いところです。
不動産投資において利回りはリターンの収益性を見る際の重要な投資指標です。
しかし利回り以上の運営リスクがある場合は、その収益物件の購入をやめたほうがいい場合があるのです。
むしろ、一見高利回りに見える収益物件ほど何か大きな運営リスクが潜んでいないか慎重になるべきです。
利回りが高くても避けるべき具体的なケースは、
- 利回りは高いが、稼働率の低さや支出の多さに問題があり、実質(NET)利回りが低い
- 利回りは高いが、それ以上の運営リスクがある
などが例として挙げられます。
ここでの利回りは表面(グロス)利回りのことを指します。
1のケースでは、一見利回りが高い収益物件に見えますが、
- 稼働率を上げることが困難
- 支出が多い
などのケースが当てはまります。
つまり表面(グロス)利回りは高いのですが、実質的な収入が少なく実質(NET)利回りが低かったり、支出が多く表面(グロス)利回りと実質(NET)利回りの乖離が大きいという収益物件です。
よくあるケースが、事務所用のテナントが空室状態のまま長らく放置されている収益物件などです。
特に地方都市では事務所の賃貸需要が極端に少ないエリアが多く、いつまでたってもテナントが埋まらないというケースが多々あります。
空室が埋まる確率が限りなく低い部屋を想定家賃に含めて利回り計算をしたところで、その収益物件の実際の収益性を示しているとはいえないので注意するべきです。
取らぬ狸の皮算用には注意が必要です。
また、
- 入居者の水道代やガス代を大家負担にしている
- 購入後すぐに多額のリフォーム費用がかかることが見込まれている
などの収益物件も同様です。
ランニングコストなどの支出額の割合が極端に大きい収益物件は、多少利回りが高く収入が多かったとしても計算してみると支出がそれ以上に大きくなっていることがあります。
一見利回りが高くても、中身を見ないとそれに見合った収益を得られるとは限らないということです。
不動産投資で初心者でも儲かる収益物件を目利きするための利回りに対する視点②:不動産投資で利回りが相場より特に高い収益物件にはそれなりの理由があるという視点
表面利回りが高いがそれ以上のリスクがある収益物件はどうなのでしょうか?
利回りが20%あったとしても、それ以上のリスクやデメリットがある収益物件は買わないほうが良いといえます。
例えば、
- 特定の会社が一棟丸ごと一括借り上げしているが退去することがすでに決まっている
- 反社会勢力や新興宗教が入居している
などの場合も当てはまります。
また、土地が借地で定期借地権の期限が近付いている物件も、期待通りの収益を上げられない可能性があります。
上記のような収益物件は当然物件価格を相場より低くしないと売れません。
物件価格を下げれば利回りは高くなります。
なので、利回りが相場よりも特に高いような収益物件には必ず何らかの理由があると考えて間違いありません。
単純に売り急いでいるだけだったり、売主が値付けを誤っていたりする場合もないことはありませんが、そのような物件に当る確率は低いと考えられます。
収益物件の購入を検討する際に売主の売却理由を気にする不動産投資家が多いのはそのような背景があるためでもあるのです。
おわりに
利回りは収益物件の良し悪しを判断する重要な投資指標です。
利回りが高ければ多少のトラブルがあっても収益性が高いので解決するお金に困ることはありません。
しかし、利回りが高い物件というのは、相場よりも物件価格を低く売りに出している結果であることがほとんどで、そこには何か理由があるはずです。
重要なのは、高利回りの収益物件を見つけたとしても浮かれずに、何か見えないリスクやデメリットがあるのではないか?というスタンスで、一度立ち止まって考える習慣をつけることです。
利回りの高さにこだわって収益物件を探すことは大切なことなのですが、高利回りの収益物件はデメリットが隠されている可能性も高いので常に注意を払う必要があります。