不動産投資で日本政策金融公庫の融資を受けて収益物件を購入しようとお考えの方は多いのではないでしょうか?
日本政策金融公庫は公的な金融機関で不動産投資初心者であっても安心して相談できる金融機関です。
日本政策金融公庫の前身は、
- 国民生活金融公庫
- 農林漁業金融公庫
- 中小企業金融公庫
で、自営業の方にはおなじみの金融機関なのですが会社員にはあまり馴染みのない金融機関だといえると思います。
実際に不動産投資を始めようと思うまでは日本政策金融公庫とはまったく縁がなかったというサラリーマンの不動産投資家はとても多いです。
しかしながら日本政策金融公庫は不動産投資に積極的に融資をしてきた不動産投資初心者にも頼りになる金融機関でもあるのです。
では日本政策金融公庫の融資で不動産投資を始めようと思ったときにどんなことに注意をすればいいのでしょうか?
日本政策金融公庫の不動産投資への融資のメリット・デメリットを含めた特徴
日本政策金融公庫の不動産投資への融資に関する特徴としては、
- 低金利
- 固定金利
- 保証人不要
- 全国に支店があるので融資対象エリアが広い
などが特徴としてあります。
そしてそのままこれらの特徴が日本政策金融公庫の不動産投資への融資におけるメリットだといえるでしょう。
そして日本政策金融公庫の不動産投資への融資の一番の特徴でありデメリットでもあるのが、
- 融資期間が基本10年
ということで他の金融機関に比べても融資期間が短いということです。
なので日本政策金融公庫の場合はできるだけ融資期間が15年や20年などで借りられないとキャッシュフローの収支が厳しくなりがちです。
融資期間が短いと月々の返済額は多くなりますので家賃収入から借り入れの返済額を差し引いたキャッシュフローが少なくなるというわけです。
つまり日本政策金融公庫のように融資期間が短いと毎月手元にお金が残りにくいということです。
ただし日本政策金融公庫の融資期間が10年と短くても十分な利回りがあればキャッシュフローを残すことは可能です。
日本政策金融公庫で融資を受けて買った物件のキャッシュフローはこんな感じ
例えば日本政策金融公庫で15年の融資期間でローンを組んだとします。
この収益物件の表面利回りが12%だったとすると家賃に対する返済比率は60%ほどになります。
つまり家賃収入の60%ほどがローンの返済にまわってしまうことになります。
そして管理費やランニングコストなどの運営管理費を差し引くと毎月の手残りは数万円という感じになります。
これがもし15年ではなく20年の融資期間であればもう少し毎月のキャッシュフローの余裕は出てきます。
不動産投資でこの融資期間は大変重要だということがわかると思います。
融資期間が短いと当然月々のローン返済金額が多くなりキャッシュフローを圧迫することになります。
逆に長い融資期間だと月々のローン返済金額が少なく済みますのでその分だけ毎月のキャッシュフローには余裕が生まれるというわけです。
日本政策金融公庫の不動産投資の融資期間が短いことがメリットになる場合もある!
ただし、日本政策金融公庫の不動産投資への融資の融資期間が短いことは毎月の返済金額が多くなって毎月のキャッシュフローを圧迫するというデメリットに反して大きなメリットもあります。
それは返済スピードが早くなるということです。
日本政策金融公庫から融資を受けて収益部件を買って毎月キャッシュフローが少ないながらも家賃収入からローンの返済を一生懸命していると、収益物件を売却する際に思ったよりも返済が進んでいると実感できると思います。
当然ですよね。
スルガ銀行などでは35年の融資期間のところを日本政策金融公庫の場合は10年や15年で返済しているのですから倍以上のスピードで融資残高は減っていっているはずです。
しかも金利もスルガ銀行よりも相当低い固定金利ですので融資残高の減り方は当然早くなるというわけです。
そしていざ収益物件を売却したときに買った時とトントンの売却価格で売ったとしても融資残高が減っていますので手元に多くのキャッシュが残ることになるのです。
たとえば日本政策金融公庫の融資を受けて4000万円で買った収益アパートを6年後に買った時と同じ価格の4000万円で売却したとしてローンの残高が2000万円ほどに減っていたとすると売却時の諸経費は別としてざっくりですが手元に2000万円が残るということになります。
ということは購入時に頭金をいくらか入れていたとしてもその頭金が6年の間に2000万円まで増えたということになるのです。
おわりに
日本政策金融公庫の融資を受けて10年ないし15年の短めの融資期間で返済をしていくと、毎月のキャッシュフローが出ないかわりに家賃収入のほとんどがローン返済に回っていると考えることができます。
つまり毎月のキャッシュフローは不動産投資の利益の先取りの要素があるということです。
融資期間を長くして毎月の返済額を少なくすれば毎月のキャッシュフローは当然増えます。
しかし同じような条件で売却した場合にはローンの残高は融資期間が短い場合よりも減っておらず売却によって手元に残る金額は当然少なくなるのです。
こう考えると最終的な売却時の出口戦略まで見据えれば日本政策金融公庫の不動産投資への融資のように融資期間が短く単月のキャッシュフローが少なくても、トータルの総利益には影響しないということがわかると思います。
ただし融資期間が短いことで毎月のキャッシュフローがマイナスになって持ち出しになってしまっては意味がありませんので、収益物件を購入する前にいろいろなパターンでしっかりとシミュレーションしておけば安心だと思います。