物件売却・出口戦略

築古の木造アパートを収益物件として売却するか更地にして売却するか?⇒基本的には収益物件で売却の方が有利!

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収益物件として売却するか更地にして土地として売却するかの判断基準

不動産投資の出口戦略における築古の木造アパートなどの収益物件の売却にあたって、

  • そのまま収益物件としてオーナーチェンジで売却する
  • 建物を解体して更地にして土地として売却する

のとでは、どちらのほうが高く売れるのでしょうか?

ひとつの判断基準として、その収益物件の、

  • 収益性
  • 資産性

を比較して、どちらの価値がより高い物件かで判断できます。

この記事では、不動産投資の出口戦略で収益物件としてそのまま売却するか更地にして土地として売却するかの判断基準をご紹介します。

築古の木造アパートなどで収益物件としてそのまま売却するか更地にして土地として売却するかの判断基準

築古の木造アパートなどであっても収益物件として購入した物件は基本的には収益物件のまま売却するほうが有利になるケースが多いです。

不動産投資の出口戦略としての物件売却方法は大きく分けて2つの方法があります。

  • 収益物件としてそのまま売却する
  • 建物を解体して更地にして土地として売却する

どちらがよいかは、その収益物件の特徴によって判断することになります。

ただし、一般的には収益物件のまま売却するのが原則です。

なぜなら、価格が高い低いよりも日本においては入居者を貸主の都合で退去させることはとても大変なことだからです。

なのでよっぽどの事情がない限りは収益物件として売却することになります。

また収益物件のまま売却するほうが高く売却できる可能性が高い場合が多いともいえます。

そして収益物件として高く売却するには、

  • 賃料を高くすること
  • 入居率を上げること

の2つが大切です。

 

収益物件の建物を解体して更地にして土地として売却したほうがよい場合とは?

収益物件の建物を解体して更地にして売却したほうがよい場合はどのようなケースでしょうか?

これは、収益部件からの賃料収入は少ないが土地が広いというケースです。

たとえば500坪の土地に2階建て4世帯のアパートが建っているなどというケースです。

年間の賃料収入は500万円だとします。

土地は坪当たり50万円として土地値は2億5000万円となります。

収益還元のキャップレートを8%とすると、収益還元によるこの収益物件の価格は、

◎500万円÷8%=6250万円

となります。

しかし、土地値が2億5000万円ありますので、この物件の価値は2億5000万円と見積もることができます。

ただし更地であればという条件付きでの話です。

更地であれば買主は自由にこの土地に

  • 自宅を建てる
  • 新たな収益物件を建てる
  • 宅地分譲をする

などに活用できますが、収益物件が建っていては何もできません。

極端な事例ですが上記のような物件は更地として売却したほうが高く売却できるということになります。

ちなみにこの物件を土地として売却する場合の価格は、

◎物件価格=更地価格(土地値)-入居者退去費用-建物解体費用

となります。

原則的には収益物件として売却するべきですが、このような例外の場合もありますので、自分の物件がどちらのケースなのかを理解することで、物件に最適な売却方法が見えてきます。

このように、資産価値(土地値)の高い物件は、取り壊しのためには入居者がいないほうがいいのですが、新規の入居者を入れないだけではなく、既存の入居者にもトラブルなく出ていってもらう必要があります。

ここをしっかり理解しないと収益性の高い物件であるにもかかわらず、入居者を一生懸命出してしまって売却しようとしているケースなどが出てきます。

これではせっかくの収益物件の収益性の価値を損なってしまうことになります。

同様に資産価値のある土地なのに、ボロアパートが建っていて入居者が多くいるために、高く売却できないような物件も多々あります。

これを防ぐためには、物件購入時から出口のイメージを描きその出口にあった管理運営をしていくことが重要です。

 

収益物件を解体して更地にするためにするべきこと

資産価値(土地値)の高い物件で、更地にして土地として売却したい場合、厳密には更地にするためのコストが減額要因となってしまいます。

更地にするためのコストは

  • 入居者の退去費用
  • 建物の解体費用

の2つです。

日本の借地借家法においては入居者が強く保護されています。

通常の賃貸借契約では、オーナーの都合で退去してもらう場合には、入居者に退去費用として引っ越し代を支払わなければなりません。

立ち退き料が必要な場合もあります。

さらに入居者が立ち退きを拒否して居座るリスクもゼロではありません。

これでは売却しようにも売却できないことになってしまいます。

コストを極力かけずに入居者に退去してもらう方法としては定期借家契約があります。

建物を解体して土地としての売却を考える場合には、売却予定の時期に合わせて定期借家契約をできるだけ早い段階から導入するべきです。

そうすることで、定期借家契約の期限が来れば、自動的に退去してもらうことが可能となるからです。

更地にするにあたっては建物の解体ではなく、入居者の退去にもっとも手間とお金がかかるということを念頭に計画的な運用を行う必要があります。

そしてこのように出口戦略を考えた場合は、賃貸管理がより重要となります。

一朝一夕にできるものではありませんので、時間をかけて出口戦略を意識した管理運営を行うノウハウがある管理会社に任せることが必要です。

 

おわりに

収益物件の売却にあたっては、その物件の収益性と資産性にあった出口戦略が必要となります。

収益性の高い物件は、賃料と入居率を維持して収益物件のオーナーチェンジとして売却したほうが、高く売却できます。

資産性の高い物件は、更地にして土地として売却したほうが高く売却できます。

ただし、更地にするためには、建物の解体費用と入居者の立ち退きが必要となりますが、入居者の立ち退きに時間と費用がかかるので、土地として売却する出口戦略をとる場合は、時間をかけて計画的に賃貸管理を進めていくノウハウが必要となります。

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