自分で会社を経営しているオーナー会社経営者にとっての不動産投資での収益物件の最適な売却タイミングはいつなのでしょうか?
オーナー会社経営者が節税目的で収益物件を運用し減価償却が終わって満室の場合などには、そのまましばらくインカムゲイン狙いでの長期保有も悪くないでしょう。
しかし不動産投資においてはいずれは収益物件を売却して利益を確定することになります。
その売却のタイミングはオーナー経営者ならではなのですが、本業の損失が出るときに収益物件を売却することがベストなタイミングとなります。
この記事では、オーナー会社経営者が不動産投資の利益を最大化させるための売却タイミングは本業の損失が出るときがベストな理由についてご紹介します。
不動産投資による収益物件の運用がオーナー会社経営者に最適な理由
生命保険など節税の手段は他にもたくさんありますが、オーナー会社経営者に最も適しているもののひとつに不動産投資すなわち収益物件の運用があります。
その理由は、数ある投資のなかでもその運用の自由度の高さにあります。
会社経営者が個人で収益物件を取得すれば、
- 減価償却を使って高い税率の所得税を圧縮できて節税対策になる
- 取得する収益物件によっては現金と比較して4〜5割も評価が下がるので効果的な相続税対策にもなる
という所得税と相続税面における節税メリットがあります。
会社経営者が法人で収益物件を取得すれば、
- 法人税の節税で手元に現金を残し経営資源に回すことができる
- 節税を目的として所有しておきながら、いざというときには売却して現金化できる
という益出しの自由度があることが大きなメリットとなります。
不動産投資と比較して生命保険やリースなどでは、節税はできても売却のタイミングがあらかじめ決まっているので、不動産投資のように本業の浮き沈みに合わせて売買するなどの、柔軟な対応ができません。
減価償却の終了に合わせて物件を入れ替えたり、買い増ししたりするのもひとつの方法ですが、オーナー経営者の場合は本業の業績悪化や増税というリスクに備えるものとして、キャッシュフローを得ながら長期保有するというメリットも大きいといえます。
毎月決まった日に決まった額の収入が見込めるというのは、精神的な安心感やゆとりにもつながるからです。
会社経営者が本業がピンチのときに収益物件を売却するメリット
何らかの事情で本業が不振に陥ったりした場合は、
- 収益物件を売却することで手元資金を確保する
- 本業収入の落ち込みを穴埋めして赤字を回避する
などができるため、経営が安定します。
本業の赤字にぶつけて収益物件を売却することで、本業を助けると同時に減価償却で繰り延べていた収益物件の譲渡益にかかる税金が本業の赤字と総裁されて節税にもなるので一挙両得となります。
その意味では、オーナー会社経営者にとっての収益物件の最適な売却タイミングは本業がピンチのときといえます。
会社の経営は、
- 景気の動向
- 為替
- コストの変動
などの様々な要因によって業績が左右されます。
そのため、それぞれの会社の事情に合わせたきめ細やかな
- 収益物件の取得
- 管理計画
- 修繕計画
- 出口戦略
を立案していくことが重要になります。
会社経営者が本業の業績が良いときに収益物件を売却するメリット
本業が好調で利益が出すぎたときにも収益物件の運用が使えます。
簿価が残債を上回っているケースで使える方法です。
例えば、1億円で収益物件を取得し、土地建物価格のうち土地の比重を大きくして、減価償却をあまりとらないようにします。
10年後に、
- 残債が5000万円
- 簿価が9000万円
になっているとします。
毎年賃料収入を得ているので毎年のキャッシュフローはプラスです。
この年に本業の会社で税引き前利益が4000万円出て、かつ法人で税金を払えない事情があるとします。
そして、不動産の相場が大きく下がっていて5000万円でしか売れないとします。
この場合に5000万円で売却することができれば、キャッシュアウトはゼロでかつ4000万円の特別損失を取ることができることになります。
その特別損失は本業の利益と相殺されて利益はゼロとなりますので大幅な節税効果を得ることになります。
このように本業が好調なときにも利用することができるのが不動産投資における収益物件の運用の特徴なのです。
つまり、売却するタイミングを自由に調整して本業の状態に合わせて活用できるのが会社経営者にとっての収益物件運用の大きなメリットとなります。
おわりに
収益物件の運用はオーナー会社経営者にとって最も適している節税手段だといえます。
不動産である収益物件の性質上、キャッシュフローを得ながら減価償却をとって税の繰り延べをしながら、最終利益を確定する売却のタイミングを自ら決めることができるからです。
本業の業績が赤字の場合には、その赤字と収益物件の売却益を相殺することが容易にでき、売却することで手元資金も厚くすることができます。
そして本業が黒字の場合には、思い切って売却することで赤字が出る収益物件を売却することで、本業の利益にぶつけてトータルでトントンにすることで大きな節税効果を得ることができます。
収益物件の運用の利益が最終の売却によって確定するという特徴をうまく使って、本業との兼ね合いで相乗効果を発揮させる戦略を持つことが重要となります。