不動産投資の火災保険の保険期間は必ず不動産投資ローンなどの融資期間と同じにしなくてはいけない訳ではない!

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保険料は構造と保険期間で決まるが保険期間≠融資期間でOKな理由

不動産の火災保険の保険料を決める基準として重要なのが建物の構造です。

不動産の火災保険の保険料はマンションなら安く木造アパートなら高いとなんとなく把握しているだけでは不十分です。

また、不動産に掛ける火災保険の保険期間は必ずしも不動産投資ローンなどの融資期間と同じにしなくてはいけないというわけではないのをご存知でしょうか?

不動産投資ローンの融資期間が長くなると不動産に掛ける火災保険の保険期間も長くなってしまい、年あたりの単価は下がりますが一括で最初に支払う金額が大きくなってしまいます。

保険料に大きな影響を与える要素である、

  • 建物の構造
  • 保険期間

を正しく把握して、ポイントを押さえた無駄のない保険料の支払いをしていきましょう。

不動産に掛ける火災保険の保険料は建物の構造により異なる

不動産に掛ける火災保険の保険料を決める要素としては、

  • 場所
  • 建物の構造

があります。

場所については、都道府県による事故の発生率や自然災害の状況が異なるため、保険料が異なります。

特に地震保険では場所による差が大きく出ます。

火災保険料の金額の差で大きな割合を占めているのが建物の構造であり、建物の構造に応じて『構造級別』に基づき保険料を算出しています。

簡単にいえば、

  • 燃えにくいマンションなどの建物は安い保険料
  • 燃えやすい建物は火災に弱いため高い保険料

に設定されます。

つまり、木造アパートへの投資は保険料が割高で、RC造マンションへの投資は保険料が割安になるということです。

 

建物構造の構造級別とは?

具体的には、建物の構造級別は

  • 鉄筋コンクリート造
  • 鉄骨造
  • 木造

といった、『柱』の種類に着目して判定されます。

 

M構造(マンション構造)

  • 鉄筋コンクリート造の共同住宅
  • 耐火建築物の共同住宅

 

T構造(耐火構造)

  • 鉄筋コンクリート造、耐火建築物(共同住宅の場合を除く)
  • 鉄骨造
  • 準耐火建築物
  • 省令準耐火建築物

 

H構造(その他の構造)

  • 上記以外の建物すべて(※いわゆる木造)

火災保険の保険料は、M構造<T構造<H構造となります。

1棟の鉄筋コンクリート造の共同住宅のマンションは、わかりやすくM構造となります。

鉄骨造の場合は、鉄骨が耐火被膜で覆われた部材を使用した場合は耐火建築物となり、M構造となりますので、鉄骨造の物件がM構造になるかは要確認となります。

共同住宅以外は、耐火構造の場合はT構造となります。

M構造やT構造にならない木造などはH構造となります。

ただし、

  • 耐火建築物
  • 準耐火建築物
  • 省令準耐火建築物

のように建物全体の耐火性が優れている場合は、木造であっても建物の性のに応じた耐火基準を優先して、T構造となります。

 

構造判定でH構造⇒T構造になるケース

T構造と認められると保険料が安くなります。

  • ツーバイフォーや木造住宅では、住宅金融支援機構の『省令準耐火建築物』に適合している場合
  • 建築基準法により、階数および延床面積の基準により耐火建築物や準耐火建築物としなければならない場合

 

不動産投資の火災保険の保険期間は不動産投資ローンなどの融資期間に合わせなくてもよい

よく勘違いされるケースとして、銀行からの融資期間と火災保険の保険期間を合わせなければならないと思われていることがあげられます。

サラリーマン投資家によく融資をしていたスルガ銀行などでは、火災保険を質権設定するので融資期間すべての保険をかけさせていました。

スルガ銀行が不動産投資でよく使われていたことから、不動産投資ローンなどの融資期間に不動産に掛ける火災保険の保険期間を合わせなければならないという説が流れていると考えられます。

 

不動産に掛ける火災保険の質権設定とは

火災保険の質権設定とは、借入金などの担保に火災保険を質入れするということです。

ですから、火災保険の質権設定は、不動産投資ローンなどの借入金の担保として銀行に預けるということになります。

これにより、不動産投資ローンなどで融資した不動産が火災で焼失した場合でも、火災保険により残債を支払ってもらうことになり、銀行としても貸倒れのリスクをヘッジできることになります。

 

一部の銀行以外では火災保険の期間は自由に選べる

上記のようなケース以外では、火災保険の期間は、融資期間分が必須ではなく、1年単位などが自由に選べることがほとんどなのが実態です。

火災保険の契約はどこで結んでも問題ないので、必ずしも融資を受ける銀行で勧められた火災保険を契約しなくても構わないことになります。

保険料を一括前払いする長期火災保険は、毎年の更新の手間がかからず、期間に応じた割引が保険料に適用されるので、メリットもあります。

地震保険も値上がり前に長期で前払いしておくとお得感が出ます。

その一方で、長期契約は契約時に保険料のためのまとまったお金が必要となるので、現金の準備が大変であったり、また物価変動や残債が残っていった時の見直しがしたいときに融通が利かないなどのデメリットも生じることになります。

保険期間は5年更新が見直しのタイミングとしてもバランスが良さそうです。

物件取得で現金が大変な時期は1年更新、落ち着いたら5年程度で見直しをしていくのが、最適な保険を計画的に設定するのによいサイクルだといえます。

 

おわりに

  • 保険料は、鉄筋コンクリートのような頑丈で燃えにくい建物は安く、頑丈でなく燃えやすい木造タイプは高くなると把握しておく。
  • 鉄筋コンクリート造の1棟投資は、いくら構造上の保険料が安くても、大規模になれば絶対額そのものは高くなる。対して、木造投資は、固定資産税や他の経費がかかりにくいので、保険料だけ高くてもトータルでは大したことはないことが多い。
  • 木造の場合は、建物が準耐火建築物と認定されているのに、それを見落としてH構造の高い保険料を払わないように気を付ける。
  • スルガ銀行など一部の銀行以外は、保険期間は自由に選べる。災害が多いため長期の保険は販売されなくなっていく傾向にあり、保険期間は10年以内で選ぶことが今後の主流となっていくと考えられる。
  • 契約期間は5年でも、1年払いができたりする場合もあるので、保険会社とよく相談することが大切だといえる。
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