法人化

法人設立の届出書の手続きに必要な4つの決定事項の決め方

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法人設立の手続きってどうやるの?に徹底的にお答えします!

法人設立の届出書に関しては、税理士や司法書士でもなければ初めての時などは誰でもよく分からないと思います。

しかし、税理士に依頼するにしても、その税理士が詳しいのかどうかを知るためにも、法人設立の届出書に関して知っておく価値はあります。

不動産投資の法人化を行うために新規法人を設立するには、

  • 会社形態を選択する
  • 資本金を決める
  • 出資割合を決める
  • 決算期を定める

などの法人設立届出書の手続きが必要です。

不動産投資の法人化のスタートである法人設立届出書の手続きで失敗しないために、一通りの内容を把握しておけば鬼に金棒です。

この記事では、法人設立の届出書の手続きに必要な4つの決定事項の決め方をご紹介します。

決定事項①株式会社と合同会社

法人を設立するのにまずは設立する会社形態を選択する必要があります。

 

不動産投資事業で選択する法人

法人を設立するにあたって、会社の形態を選択することになりますが、不動産投資事業では下記の法人形態が選択されることが多いです。

  • 株式会社
  • 合同会社

わざわざ合名・合資会社などのように不動産投資家が無限責任となる重い制約をつける必要はありません。

株式会社と合同会社は、内部自治と登記費用で違いがあります。合同会社のほうが内部自治が緩く利益配分が自由に決められるのと、登記費用が安くなります。

不動産投資を続けていく上では、株式会社と合同会社のとちらでも障害はほとんどないと考えられます。

 

税金面での違い

株式会社と合同会社は毎年の法人税、住民税、事業税の計算方法には違いはありません。

株式会社と合同会社の税金面での違いは、法人設立時の登録免許税などにあります。

 

株式会社と合同会社のどちらを選択するか

社会的知名度

一般の人は合同会社という形態を知らない人が多いのではないでしょうか。

不動産投資を進める上では何も問題はないのですが、他の人に説明したりする上では社会的認知度が落ちます。

株式会社のほうが認知されていて、しっかりとした会社というイメージがあります。

また、以前ならば銀行が合同会社についてよく知らないケースがあり、法人融資を受ける場合に合同会社だと担当者がよく分からないからという理由で融資審査がうまく進まないというケースも見られましたが、現在ではよほどのことがない限り、銀行には合同会社も認知されています。

 

設立時の費用

設立を司法書士に依頼した場合、

  • 株式会社:21~25万円
  • 合同会社:11~15万円

程度の設立費用がかかります。

 

役員改選費用

合同会社には役員の任期はありませんが、株式会社の役員の任期は最長で10年となります。

同じ役員が再任する場合でも10年に1回は役員変更登記をしなければならにということです。

その登記費用に3~5万円かかります。

 

合同会社のデメリット

合同会社のデメリットは、

  • 株式増資がないなど、資金面の調達手段が限定される
  • 事業承継する際には、共同不動産投資家全員の同意が必要になる

という点があげられます。

 

決定事項②法人設立時の資本金

法人の形態が株式会社か合同会社のいずれかに決めたあと、法人の資本金をいくらにするかを決めなくてはいけません。

資本金は最低限度額が撤廃されており、極端な話、1円の資本金でも法人設立することができるので、いったい資本金をいくらにするのかに悩むことになります。

 

資本金はいくらに設定するか

結論から言って、不動産投資事業の資本金は、

1,000万円未満で、ある程度の見栄えを考慮するなら200万円程度からがのぞましい(相続税対策で大規模で始める場合などをのぞく)

といえます。

資本金を1,000万円未満にする理由は、資本金の額が、

  • 法人税住民税均等割の額
  • 消費税の課税事業者となる新設法人に該当するかどうか

に影響するからといえます。

 

法人住民税均等割

法人住民税均等割とは、法人に対して赤字でもかかってくる税金です。

法人が赤字・黒字にかかわらず均等割は課税されますので、法人のランニングコストとして把握しておきます。

法人住民税均等割(従業員50人以下)の場合、資本金1,000万円以下が一番安くなります。

  • 資本金1,000万円以下:7万円
  • 資本金1億円以下:18万円
  • 資本金10億円以下:29万円

消費税の課税事業者となる新設法人に該当するか

消費税は法人の設立から原則2期は課税されませんが、資本金が1,000万円以上である場合は設立から2期内であっても課税されます。

課税売上が1,000万円以上なくても、資本金が1,000万円以上あれば、いきなり課税事業者として消費税納付義務が発生します。

消費税納付義務がない期間は、駐車場や店舗収入などで消費税を受領していても、消費税を納付しなくてもよいという規則になっているため、受領した消費税分が収入になります。

消費税が収入になるのと納税義務が発生するのとは、大きく不動産投資の収支に影響することになります。

 

決定事項③法人設立時の出資割合

法人設立時には、資本金を決めたあと、資本金の内訳となる出資割合を決める必要があります。

法人の出資者を決めるポイントは、

  • 銀行融資にマイナスにならないかどうか
  • 相続をどのようにするか

の視点から考えるのがポイントとなります。

法人の出資割合は、法人税や住民税、事業税の税額計算には影響しません。

 

融資のための銀行目線のポイント

銀行の基本姿勢として、融資を受ける本人のみの出資者が望ましいと考えているようです。

銀行からすれば、融資を受ける人と出資者が一致していることが一番わかりやすい関係で、もし何かあっても融資を受けた人が全責任をとれる形にできるからです。

融資を受ける本人以外の他人が入る場合は、配偶者まででないと融資が厳しくなる傾向にあります。

夫婦でも離婚する場合もあるのに、それ以上だとトラブルが起こりやすいからです。

銀行は出資関係のトラブルで事業が行き詰まるケースをとてもたくさん見てきているので、他人資本を入れた新設法人に対する融資は審査が厳しくなります。

サラリーマンが不動産投資を始める上では、資産形成の一部として不動産投資を行うのに他人資本を入れるということを銀行は認めにくいです。

そのため、他人資本は配偶者までにしたいところです。

配偶者は相続者でもあるため、本人に万一のことがあっても、不動産投資の継続の観点からも問題が少ないからです。

そして本人の出資割合が50%を切らないようにします。また、銀行によっては配偶者の出資も嫌がるケースもあるので、銀行に確認してから設立するほうが安心です。

合同会社では出資割合50%以上であれば問題ありませんが、株式会社では株式保有率2/3以上が望ましい水準です。

66.6・・・%、ざっくり70%です。

なぜかというと、株式会社での総会での特別決議事項が2/3以上となっているからです。

収益不動産を売却する場合は、事業の重要な財産の一部譲渡にあたり、配偶者に反対されて売却できないという事態を避けるためでもあります。

残念な話、離婚も珍しくないご時世のため、離婚して他人となる可能性もあるため、本人は70%以上の出資割合を確保するようにしておきます。

 

相続税における出資割合のポイント

法人の出資者は法人の相続財産を出資割合で所有しているので、法人財産が多額にあり、出資割合が大きいほうが亡くなると、相続の際に相続税負担が増えることになります。

そのために、相続税対策として法人設立時点で出資者を分散しようという方向性になります。

融資を使わずに、法人化して節税や相続税対策として設立するのであれば、出資者を分散しておくことにメリットがあります。そのほうが、トータルでの相続税の負担が少なくなるからです。

しかし、出資者を分散すると不動産投資上の意思決定が難しくなります。

そのため、融資のポイントと同様に、相続税対策であっても、本人の出資割合は、合同会社では50%超、株式会社では70%超を保つことが必要です。

なぜなら、共同出資者との関係が悪化した際にも、法人の意思決定はしなければならないからです。

 

決定事項④決算期の決定

法人の決算期はいつにすればいいのでしょうか。

法人の決算期は自由に決めることができます。別に12月31日や3月31日にしなければならないということはありません。

また、決算期は法人税や住民税、事業税の計算に影響しません。

 

決算期とは

決算月は、会社の設立の日から1年以内に設定しなければいけません。

4月1日に法人設立したら、決算日は3月31日までの間で自由に決めることができます。

決算月が3月31日が多いのは、国の予算期間が4月1日から翌3月31日に設定されているため、国や地方自治体との仕事が多い場合には、期間を合わせたほうが、予算を組みやすいという背景があります。

また、上場企業などでは、決算内容を株主総会で発表する必要があり、3月末決算だと6月に株主総会となり、多くの上場企業が同時期に株主総会を開催することで、反社会的組織である総会屋を避けるためとも言われています。最近の会社では多くの株主に総会に参加してほしいということで、決算時期をずらしている会社もあります。

会社設立から1年以内であれば決算時期はいつでも可能です。

 

融資の内定に合わせて決算月を決める

不動産投資で法人化する場合の決算期は、取得する不動産の融資がほぼ内定し、物件を取得できるとなった段階で設立することがおおくなります。

なぜなら物件を取得できなければ、法人だけ設立して売上がなく、税理士費用等のランニング費用だけがかかってしまうからです。

そのため、融資内定が決まり、物件売買の決済日が決まったら、その前月末が決算月となることが多いのです。

税理士事務所の繁忙期などを考慮して決算月を考える人もいますが、それほど気にしなくてもいいと思われます。

 

法人の役員報酬の決定時期を考慮して決算月を決める

法人の役員報酬の決定を遅くすれば遅くするほど、利益予測の精度もあがるので、なるべく遅く役員報酬を決定できる時期に決算月を設定しておく方法もあります。

法人で役員報酬を損金算入する方法は、大企業でない限り2種類あります。

  • 定期同額給与:定期的に同額で支給する給与
  • 事前確定届出給与:所定の時期に確定額を支給する定めにもとづいて支給する給与で、事前に所轄税務署に届出をしたもの

事前確定届出給与は、決算時期の3ヶ月以内に届出しないといけませんが、定期同額給与はその決まりはありません。

定期同額給与の時に役員報酬決定を遅らせる方法として、源泉所得税納付の特例を申請しておけば、源泉徴収税額は年2回の提出で問題ない。

  • 1月~6月分:7月に納付
  • 7月~12月分:翌1月に納付

上記をうまく使うと、役員報酬の決定の時期を遅らせることがえきます。

1月~6月の役員報酬は、7月に納付する段階で役員報酬を決めればいいことになります。

例えば、決算月が12月だとすると、6月末ころに役員報酬を決めれば、1月~12月までの役員報酬を決めることができることになります。

事前確定届出給与だと決算月から3ヶ月以内ですが、定期同額給与の時にはさらに3ヶ月先延ばしにできるという考え方です。

不動産投資事業は、売上予想が立てやすい事業ではあるものの、役員報酬はなるべくあとに決定したほうが、利益予測の正確性が増し、節税対策に有効となります。

まとめ

  • 合同会社は、やや社会的認知度に欠けるものの、設立費用が安く、株主総会などの内部自治が面倒な人には適している形態といえる。銀行でも融資面での差はほとんどなくなってきている。
  • 株式会社という名称に思い入れがなければ、設立・維持コストの安い合同会社が適しているし、やはり社会的認知度や代表取締役という響きにあこがれがあるなどの人は株式会社が適している。
  • 法人設立時の資本金は1,000万円以下にする。ただし、1円やあまりに少ない金額だと、銀行側に資本金も出せないのでは資金繰りが危ないのではないかと勘繰られたり、やる気が本当にあるのかと疑問に思われたりすることもあるため、200万円~で設定するのが無難となる。
  • 資本金にお金を出すと使えないのではなく、資本金は法人のためにこれだけ準備しましたという見せ金の意味合いが強く、法人設立後には自由に使うことができる。資本金を500万円としても、物件購入時の頭金に使うことも可能。
  • 出資割合は本人が合同会社で50%超、株式会社で67%を保有する。また、他人資本は入れず配偶者までとする。子供世代には少しずつ法人の株式を贈与することも視野に入れて相続税対策をする。
  • 決算期はいつでも構わない。融資が内定した月に法人を設立するとすれば、その前月末を決算期に設定する。役員報酬を定期同額給与とする場合は、6月末や12月末近くが良い。決算時の利益見込み精度が高くなるので、役員報酬による節税がコントロールしやすくなる。

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