不動産投資において地方物件は都心の収益物件と比べて人口減のリスクがあり一般的にはハイリスクと考えられています。
日本は2005年よりすでに人口減少に転じており2019年には世帯数も減少に転じていて、今後も人口・世帯数ともに減少していく見込みとなっています。
そして2040年には約7割の自治体で2割以上も人口が減るという見通しとなっています。
人口が減ると当然空室率は増えるので今後の地方物件は厳しいと言わざるを得ないのです。
しかし不動産投資の戦略としては仕入れ方によっては地方物件で不動産投資を行ったほうが都心物件よりもリスクが少ないケースもあるのです。
この記事では、地方の高利回りの収益物件で不動産投資の初心者でもリスクを少なく不動産投資を始めるため地方物件選びのコツをご紹介します。
地方物件には人口減のリスク以上に不動産投資で高利回りが狙えるエリアがある
地方には働き手となる年少人口の減少と人口流出が同時に起きている地域が多く、地方の多くの市町村では今後も収益物件の空室が増えることが見込まれています。
しかし不動産投資の戦略としてはあえて地方物件を狙う理由もあります。
その理由は地方の収益物件には人口減による空室リスクがありますが、それ以上の投資リターンが見込める高利回りの収益物件が存在するからです。
ただし地方と言っても田舎すぎてはダメです。
人口数万人〜10万人台程度はある地方の市町村がターゲットです。
仙台、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌などの政令指定都市ではなく都道府県内の主要な中心部から車で1時間程度かかる場所にある地方の収益物件が狙い目となります。
具体的な家賃相場でいうと、
- 単身の1Kで3万円台
- ファミリー用の3LDKで5〜6万円台
からあるような地域です。
このようなエリアは日本国内には意外にたくさんあり、不動産投資の初心者でもよく探せば高利回りの収益物件を見つけられる可能性が高くなります。
地方では人口が減っているが新築の収益物件が増加しているという事実
地方では不動産投資で高利回りが狙えるといっても地方ならなんでもかんでもいいわけではありません。
地方エリアへの不動産投資は都心部以上に慎重になる必要があります。
地方では、
- 需要が安定している良い収益物件
- 需要が見込めないダメな収益物件
の差が非常に大きく激しいからです。
不動産投資の初心者が利回りの数字だけで買ってしまうと後悔する収益物件も地方には多く存在しています。
地方では満室の物件もある一方で、空室率が3割以上になっている物件も多くあり、強者と弱者が紙一重で共存している地域が多くあります。
空室率の増加に対して人口減の問題とともに拍車をかけているのが新築物件の建築ラッシュです。
地方では都心部よりも土地が余っていることが多く、不動産デベロッパーやアパート建築会社などが地主に営業して遊休地などに新築アパートを建てるケースが増えています。
このような新築アパートは、新築にもかかわらず家賃が築10年程度の中古物件とさほど変わらないほど低いことも多く競争にさらに拍車をかけています。
そして地方の収益物件は特定の工場や大学などの需要に頼っていることが多いのも問題です。
近年はメーカーの生き残り競争が激しくなっており商品の寿命サイクルも短いため、効率化のために海外に生産拠点を移転したり逆に国内に戻したりといったことに柔軟に対応するようになっています。
このような企業は国内の生産需要に合わせて派遣社員を増減させたりして対応していることが多いです。
工場が稼働しているときは派遣会社経由の法人契約が多くある一方で、生産が一段落すると派遣社員も離れることになるので、賃貸需要が激減した収益物件がその地域に多く発生します。
このような地域に収益物件を保有している場合、安定性を欠いた賃貸経営を迫られることになる可能性があるということです。
不動産投資の初心者は収益物件だけではなくその土地その土地の背景をよく調べて地方の収益物件の購入を検討するべきだといえます。
現実的に考えると割安で高利回りの収益物件は地方にしか存在しないのも事実
不動産投資でリスクを上回るリターンを得られる可能性があるのが地方の収益物件の魅力的なところです。
場合によってはかなり割安で高利回りなの収益物件が見つかる可能性があるのが地方物件なのです。
ただし注意が必要なのがこれはあくまでそのような可能性があるという理屈です。
地方は都心部よりも間違いなく利回りは高いですが相応のリスクもあるからです。
普通に売りに出ている地方物件を購入しても都心部と比べて割安感があるわけではありません。
収益性が高くリスクが低い物件が都心部ではまったく出ないものの地方ではごく稀に出現するというのが地方物件を探すおすすめの理由です。
都心部だと利回り6〜7%前後でも普通の水準なので、10%以上でまともに稼働可能な物件はまったく売りに出されません。
これが地方だと利回り9〜10%ぐらいが普通の水準で12%もしくはそれ以上の物件が出てくるようなケースも多くあります。
このような平均利回りが都心部よりも高い地方エリアの中でさらに高利回りの物件が狙い目といえます。
都心部は売り物件の数も多いですが買いの需要も多く、収益性をさほど重視しないプレイヤーも多くいます。
このような競争が激しい都心部の市場で割安に物件を買うのはプロでも至難の業なのです。
県全体の空室率が日本で一番高い山梨県で複数棟を所有し年間稼働率が95%以上、表面利回りが20%以上などという事例も地方ならあるということです。
地方でも賃貸需要が確実に存在する収益物件を保有すれば満室の状態を維持できる可能性は十分にあります。
逆に都心部の良い収益物件は、不動産投資を始めたばかりの人が買えるチャンスはほとんどありません。
そうであれば、人口減などのリスクは事前リサーチによりカバーし、利回り10%以上の物件を地方で狙ったほうが結局はリスクが少ない選択をしているともいえるのです。
不動産投資の初心者であればあるほど事前のリサーチが重要になります。
行ったこともない見たこともない地方のエリアであればなおさらです。
朝昼夜の時間帯に一度行って自分の足で現地を踏んでみるくらいでちょうどいいくらいです。
地方の収益物件に限った話ではありませんがよく調べて買いましょう。
おわりに
都心部の一等地で収益物件を購入するのは、借り入れをあまりせず低い利回りでも確実性を重視して手堅く利益を得る資産家の投資手法だといえます。
サラリーマンや公務員の一般投資家は、そのような資産家と都心部で張り合うのではなく、知識と行動量でリスクをカバーしながら、地方で積極的に高利回り収益物件を狙うことも投資戦略の一つとして有効です。
物件の価格が安いことは全てにおいてのリスクヘッジとなります。不動産投資の初心者であっても利回りの高い地方の収益物件で不動産投資を始めることは問題ありません。
ただし知らない土地であればなおさら現地での事前リサーチを行って購入判断をする必要があります。