任意売却の専門業者はたくさんありますがいったいどの会社に相談をしていいものなのかと悩まれる人も多いのではないでしょうか?
インターネットで『任意売却』と調べれば、それこそたくさんの任意売却専門をうたった不動産業者のサイトがヒットします。
しかしここに大きな落とし穴があります。
なぜなら、
『任意売却』の成否は、依頼する任意売却業者で9割以上決まる!
からです。
10割、100%だと言い切ってもいいくらいです。
なぜなら、任意売却を成功させるには、
- 債務者の相談をきちんと受けきちんと説明する
- 債権者に任意売却の可否を確認
- 債務者の延滞などの状況を整える
- 債権者と物件価格の調整
- 物件の調査
- 物件の販売活動
- 物件の契約・決済引き渡し
- 債権者と抵当権・差押えの抹消を調整
- 債務者の引っ越し
など、多くの業務を完結させることが必要になるからです。
普通の不動産仲介に比べると特殊なノウハウが必要になるのですが実際はいい加減な任意売却専門をうたった不動産業者も多いのが現実です。
それこそ変な任意売却業者に依頼してしまったらむちゃくちゃにされてしまいます。
悪徳な任意売却専門をうたった任売業者に騙されないためには?
任意売却の不動産取引は特殊で、何が特殊かというと、大手と言われる不動産業者はどこも大々的には任意売却の受付をしていないということです。
だからといって大手不動産業者では任意売却を取り扱っていないのかというとそういうわけではなく『積極的には取り扱っていない』という形に近いと思います。
なのでインターネットで調べると、大手不動産業者以外の様々な任意売却業者がサイトを作り自分の会社に相談をしてもらえるように大々的に集客しています。
任意売却サイトだけ見ても一般の方にはどの業者がまともでどこがダメなのかは分からないと思います。
また『任意売却』を検討されている人の特徴として、お金の話なので困っていても身内や知り合いに気軽に相談することができず、業者の評判などもインターネットで確認するしかなく、結
サイトをいくつか見てそれで判断して相談してしまうことになります。
任意売却業者サイトで注意した方がいい特徴を以下に記載しますので任意売却業者選びの参考にして欲しいと思います。
悪徳な任売業者の見極めポイント①:任意売却は必ずできるものと思わせてくる
任意売却は必ずできるものではありません。
そもそも住宅ローンの残高を完済できる金額で不動産が売れるのであれば、任意売却をする必要はなく、不動産を売ったお金で住宅ローンを完済して終わりです。
もしくは、不動産を売ったお金+自己資金で住宅ローンを完済できる場合も同様です。
問題は、通常の相場で不動産を売っても住宅ローン残高に到底届かない場合で自己資金もない場合です。
任意売却を検討される方は、月々の住宅ローン支払いにも窮している場合が多いので自己資金を足しての売却は難しい。
こういう場合に、債務者(ローン借入者)と債権者(金融機関)が事前に話し合って、
- 債務者は、住宅ローン残高を下回っていても、今売れる価格で不動産を売却する
- 債権者は抵当権を抹消する
- 残債に関しては債務者と債権者の事後の相談とする
というのが任意売却の大枠です。
なので、債務者(ローン借入者)がいくら任意売却をしたいといても債権者(金融機関)が条件を受け入れられなければ任意売却は成立しないことになります。
そのことを説明せずに、あたかも100%任意売却ができるようなアピールをしているサイトが散見されます。
サイトの目的が、債務者から任意売却の相談を頂く=『集客』なので仕方ないのです。
多額の費用をかけて作成する集客サイトに、わざわざ自分達に不利になることを載せるわけにはいかないということです。
ここは、サイトを見る側である相談者サイドで見極めていくしかありません。
悪徳な任売業者の見極めポイント②:高額の金銭で相談に誘導する
- 引っ越し代
- キャッシュバック
- 立ち退き準備金
など、名前は何でもよいのですが、やたらと高額の金銭を提示して相談に誘導するサイトも散見されます。
具体的には、
- 引っ越し代100万円!
- キャッシュバック50万円!
- ご依頼頂くだけで商品券3万円!
などの類です。
確かに任意売却のメリットのひとつとして『引っ越し費用』がもらえることがあげられます。
しかし『引っ越し費用』の原資は何かというと任意売却の売買代金です。
任意売却の話し合いの中で債権者(金融機関)が『引っ越し代が無いと困るだろう』との配慮で出してもらえるもので常識的な金額になります。
これはどこの任意売却業者に依頼しても同じです。
しかも相談の段階で引っ越し代が確定することはありませんので100%過大広告でありオーバートークです。
高額の引っ越し代を売りにしているサイトはパスした方が賢明です。
その業者が自分たちの利益を犠牲にしても100万円払うというのなら話は別ですが・・・。
そんなことはまずあり得ないからです。
悪徳な任売業者の見極めポイント③:競売の恐怖を必要以上に煽る
一般人からすると家を競売されるというのは恐怖以外のなにものでもないです。
よくあるうたい文句は概ね下記のようなものです。
競売になってしまったら・・・
- 残債がたくさん残りますよ! ⇒そうとは限りません。任意売却で売れる値段と、競売で落札される価格の相関関係はありませんし、対象となる購入層もまったく違います。そして、競売であろうと任意売却であろうと、残債の返済義務は残ります。任意売却だから残債の返済が楽になることはありません。
- 怖い人が家にきますよ! ⇒来ません。ただ、競売になると裁判所で調べればわかるので、それを調べた任意売却業者が来ます。要はサイトではなく『今からでも任意売却をしませんか?』と直談判しに来たというだけです。競売が終わるまでは任意売却ができるからです。変なのが来たり、しつこければ警察を呼べば終了です。
- 近所にばれますよ! ⇒任意売却でも販売活動をするのでばれやすいです。競売だからといって、ドアに貼り紙をされるということはありません。どちらにしろ引っ越すことになるので、その時に『売った』ことはばれます。競売で売れたのか任意売却で売れたのかは、近所の人には分かるはずがありません。
- 引っ越しの融通がききますよ! ⇒任意売却だから融通がきくとは限りません。逆に任意売却は突然買主が決まったりすると、バタバタと契約してその1ヵ月後の決済引き渡しまでに引っ越してくださいという突然のプレッシャーが前倒しでかかることがあります。競売は裁判所がすべて事前にスケジュールを決めますので、良くも悪くもそれ通りに進みます。早まることはありません。引き渡しが延びることはまれにあります(落札者がいなかった場合や落札したが流れた場合など)。
- 競売は気持ちの負担やストレスが大きいですよ! ⇒特に関係ないです。任意売却でも嫌なものは嫌です。考え方次第です。
など、競売になったらそれこそ人生終わりますよくらいの勢いです。
実際はそういうことはなく、考え方としては残債の抹消の仕方の違いというだけです。
- 民間同士で協議して抹消するのか
- 裁判所が入って抹消するのか
この違いとそれぞれの手続きの違いがあるだけです。
必要以上に競売の恐怖を煽ってきたら注意が必要です。
任意売却業者から見た任意売却と競売の違いをお教えしましょう。
- 任意売却・・・仲介手数料が入る
- 競売・・・仲介手数料が入らない
ということです。
だから、競売になる前に任意売却してほしいので競売の恐怖を煽るのですが、程度問題で一般の人相手にプロである任意売却業者たるものがオーバートークになってはいけないと思います。
悪徳な任売業者の見極めポイント④:自己破産の恐怖を必要以上に煽る
なぜか競売と自己破産をひとくくりにしてイメージ化している傾向が強いです。
競売⇒自己破産⇒人生おしまい⇒社会から抹殺されて再起不能
のような勢いです。
任意売却や競売と自己破産は分けて考えるべきです。
任意売却しても自己破産する人もいますし競売でも自己破産しない人もいます。
自己破産すると何が違うのかというと、
『裁判所に自己破産を申し立てて裁判所から免責許可決定を受けると税金以外の借金がチャラになる』
ということです。
自己破産は自分で(弁護士に依頼して)申請するもので債権者や裁判所が本人を自己破産にするわけではありません。
そして現状の資産状況と債務状況を裁判所が鑑みて、明らかに債務超過だと裁判所が判断すれば自己破産が認められ免責許可決定がおります。
そうなると税金以外のすべての債権者に対する債務は法的になくなります。
債権者もこれ以上は回収や督促すらできなくなります。
『?!』
と思った方も多いのではないでしょうか。
任意売却や競売のあとに、一生懸命残債を返すよりも免責許可が下りそうなら弁護士に頼んで自己破産を申請したほうが、残債が法的にゼロになり再出発しやすくなるということです。
任意売却でも個人信用情報は滞納事故歴がついていますので同じ期間新たな借入ができません。
これは自己破産でも何も変わりません。
ほとんど同じです。
街を歩いていても当然他人からは分かりません。
再出発としてはどちらが楽か?
悪質な任意売却業者がまったく正反対の煽りを行っていることが分かると思います。
すべては『集客』=任意売却の依頼を頂きやすくするためです。
悪徳な任売業者の見極めポイント⑤:今の家に住み続けられることを期待させる
これはかなり危険です。
- 親族間売買
- リースバック
によって任意売却で今の家に住み続けられることは可能です。
しかし、あくまでも『可能である』とお考えください。
自営をしていて、社登記が自宅だから移りたくないなど理由は様々あると思います。
しかし、親族間売買にしてもリースバックにしても成功率は100%ではありません。
まず考えたいのは、任意売却によってリセットすることです。
住み続ける期待を持ち続けたばっかりに、売却の時期を逃し時間だけ経過して結局競売になってしまっては本末転倒だからです。
これは、住み続けられることを期待させた悪質任意売却業者にも責任の一端があります。
すっきり損切りして一から再スタートが任意売却の鉄則です。
悪徳な任売業者の見極めポイント⑥:マスコミ取材・出演を必要以上にアピール
任意売却業者がニュース番組などの特集で取材を受けることがあります。
それを任意売却サイトにこれみよがしと掲載している業者も存在します。
- マスコミの取材を受ける
- ニュース番組に解説者として出演する
こと自体は、素晴らしいことだと思います。
たまたま番組を見た人が思い出してくれたり相談を頂けるかもしれません。
しかし、これをサイトにペタペタ貼りつけてアピールするのは少々下品ではないかと思います。
住宅ローンで困っている人たちにもっと提供しなければならない情報があるはずです。
悪徳な任売業者の見極めポイント⑦:解決事例や経験談が胡散臭い
同じような文字の手紙をサイトにペタペタ貼りつけて後ろ向きの写真と一緒に紹介されている解決事例はかなり胡散臭いといえます。
任意売却がやっと終わったところで、たとえ後ろ向きであっても自分の写真をサイトになど載せて欲しいわけがありません。
スーツを着ていてどう見ても従業員なんじゃないかというものまであります。
また、代表の親戚が自己破産した、任意売却したなどの経験談も必要ありません。
だったら何だというのでしょうか。
それこそ藁をも掴む思いで債務者はサイトを検索してどこに相談しようかと一人悩んでいます。
会社の代表の経験談などは面談時に会社パンフレットなどで紹介すればいいのです。
そんなことよりももっと重要な判断材料となる情報を正確に提供するべきです。
おわりに
- 任意売却の集客サイトは、大手不動産業者が取り組んでいない分、中小の不動産業者が任意売却依頼獲得競争を行っている。
- サイトにはそれなりに費用がかかるため、任意売却業者の不利益になるようなことは載せられない。
- 焦る気持ちはあると思うが、悪質な任意売却業者に食い物にされないように、自分自身が勉強するしかないのが現状。
追伸:片手間で任意売却を扱っているような業者ではなく任意売却専門の専門家に相談しましょう!
インターネットで任意売却を調べていても様々な業者がヒットすると思います。
その際によく調べて欲しいのは、『任意売却を本当に専門に扱っているのか?』ということです。
そうでなければ依頼したとしても結局任意売却がうまくいかずに不本意ながら競売になってしまうことになります。
任意売却は任意売却の専門家に必ず相談しましょう。