根抵当権と差押えが多数入った任意売却で各債権者への配分額が一律でなくても任意売却がまとまった成功事例

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任意売却は抵当権や根抵当権、差押えの数が増えれば増えるほど調整が複雑になり任意売却をまとめるのが大変になります。

任意売却を行うにあたっては、各抵当権者や差押え権者はそれぞれできるだけ多くの配当を受けてできるだけ多くの金額を任意売却で回収したいと考えます。

全ての利害関係者に満額回答で完済できればそれに越したことはないのですが任意売却を検討する時点でまずそんなことはありません。

下手すれば第一抵当権者ですら満額回収できないケースがほとんどです。

なので任意売却の配分交渉では下位の後順位抵当権者や劣後した差押え権者との配分交渉が難航しやすいのです。

あっちを立てればこっちが立たず状態になり、各々の抵当権者や差押え権者が好き勝手に主張すると任意売却は決裂してしまうことになります。

任意売却の配分案を作成する際に、担保順位の高い順に配当していき、劣後している後順位担保権者の解除料を一律でまとめることができれば、スムーズな任意売却になります。

しかし現実はそうはいかないことが多いので任意売却を進める側としては各債権者への配分額の調整に頭を悩ませることになります。

各債権者とも抵当権や根抵当権、差押えの順位に関わらず債権額はまちまちであり、優先権が低いからといって債権額が少ないとは限らないからです。

その状態で後順位者だからといって一律に解除料として数十万円ですねと機械的に配分しても、ハイそうですかとなかなかはならないのが任意売却の配分交渉の難しいところなのです。

しかしもし個別に担保解除料の調整ができて、それでも経済的合理性があるのであれば、任意売却はぐっとまとまりやすくなります。

この記事では、根抵当権と差押えが多数入った任意売却で各債権者への配分額が一律でなくても任意売却がまとまった成功事例をご紹介します。

根抵当権と差押えが多数入った任意売却で各債権者への配分額が一律でなくても任意売却がまとまった成功事例

この担保物件には隣地所有者から4億円で購入希望がなされていました。

担保物件にはさまざまな利害関係人が存在しており、売却代金から諸費用を差し引いて算出された配分可能額は3億6000万円です。

当然、全ての債権者の債権額を足し合わせると大幅に足りません。

そもそも第一抵当権者ですら債権額を満額回収できないのでそれ以下の抵当権者や差押え権者は本来であれば一律解除料で話をつけたいところです。

なので任意売却の配分のドラフト案として下記配分を最初に作成しました。

【一律の解除料での配分案】

  • A銀行[1番根抵当権]3億3880万円
  • B機構[1番根抵当権・A銀行と同順位]1730万円
  • C商工[2番根抵当権]100万円
  • Dリース[3番根抵当権]100万円
  • E物産[4番根抵当権]100万円
  • F税務署[差押え・担保権に劣後]30万円
  • G区役所[差押え・担保権に劣後]30万円
  • H社保[差押え・担保権に劣後]30万円

合計:3億6000万円

配当の回らない抵当権者C〜Eには一律100万円、担保権に劣後する差押え権者F〜Hには一律30万円で交渉を行いました。

ところがどっこい、この配分案を持って各債権者に交渉にあたると、

『こんな微々たる金額で解除するくらいなら競売で処理されて1円ももらわなくてもかまわない』

という非難が続出しました。

債務者が債権者に対して誠実な対応を取ってこなかったことを原因として、E物産は担保解除料として3000万円はもらわないと解除には応じられないと言ってくる有り様でした。

 

根抵当権者と差押え権者それぞれに一律ではなく解除料を個別に交渉したところ任意売却がまとまる

この事例は隣地所有者が強い購入意思を持っていたケースで時価での取引です。

この場合、競売となったらそれこそどうなるかわかりません。

しかし、担保解除料をE物産の言うように3000万円払うことを公にすれば、おそらく他の債権者も3000万円でなければ担保を解除しないと主張することになるのは目に見えています。

そこで1社1社個別に、

『貴社は競売となると1円も入ってきません。いくらなら解除できますか?もう少し何とか譲歩できませんか?』

と粘り強く交渉を続けた結果、次のような配分案ができました。

【個別交渉後の配分案】

  • A銀行[1番根抵当権]3億1900万円
  • B機構[1番根抵当権・A銀行と同順位]1100万円
  • C商工[2番根抵当権]1000万円
  • Dリース[3番根抵当権]100万円
  • E物産[4番根抵当権]1500万円
  • F税務署[差押え・担保権に劣後]30万円
  • G区役所[差押え・担保権に劣後]300万円
  • H社保[差押え・担保権に劣後]70万円

合計:3億6000万円

A銀行は自行の取り分から約2000万円を他の利害関係人への配当に回しました。

B機構とは交渉により、遅延損害金での請求を約定金利での請求に変更してもらうよう交渉し、減額してもらいました。

C商工は債務者の態度が不誠実であるとの理由から終始折り合いがつかず、1000万円の解除料を譲りませんでした。

DリースはA銀行の関連会社ということであり、すんなり解除料100万円で同意してくれました。

E物産は賃借権を主張して強硬に3000万円を主張してきましたが、交渉の結果1500万円まで譲歩してきました。

F税務署は無益な差押えをすぐにりかいしてもらえ、解除料30万円での差押え解除となりました。

G区役所は強硬に300万円を譲りません。無益な差押えの解除にあたるので粘り強く交渉さえすれば何とかなるのですが、今回は買受希望者が購入期限を明示していたために、時間がありませんでしたので300万円での解除となりました。

H社保の差押えについても無益な差押えなのですがこれも時間切れで70万円を呑むことになりました。

 

おわりに

このように、担保解除料をめぐる攻防の場面では、それぞれの担保権者や差押えを行う債権者にはそれぞれの思惑があるために、困難な調整を辛抱強く行わなければならないことも多いです。

そしてそれは時間との戦いでもあるのです。

注意点としては、金融機関によっては、配分表を見せてもらわないと解除の検討すらできないというところもあります。

残念ながらそのような場合には、個別の交渉で解除料に差をつけることで配分案を調整することは、できないことはないですが非常に難しくなります。

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