融資戦略・ローンアレンジ

収益物件購入時のローン審査で提出する確定申告書・決算書で有利になるものはどのようなものか知っておこう

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銀行融資を有利に引くための確定申告書6つのチェックポイント

収益物件購入時のローン審査時に銀行評価が上がる確定申告書とはどのようなものなのでしょうか?

収益物件購入時のローン審査打診時に初対面の銀行担当者が何をさておきまずは最初に見るのが借入申込者の確定申告書になると思います。

銀行担当者にとってはローンの借入希望者がまだどんな人なのかもあまり分からないこともあり

  • ローン借入希望者はどんな人なのか?
  • ローン借入希望者はどのような属性の持ち主なのか?

などを確定申告書などをベースに分析していくことになります。

なので、最初に提示する確定申告書がとても大切になってくるのです。

この記事では、収益物件購入時のローン審査で銀行の評価が上がり融資を引きやすくなる確定申告書とはどのようなものか?についてご紹介します。

収益物件購入時のローン打診時に銀行担当者が何よりも最初に見るのが確定申告書

物件概要書やレントロール、事業計画などの前に、銀行担当者がまず何よりも先に見るのがローン借入希望者の確定申告書です。

不動産投資のローンの審査書類として提出された確定申告書を見て

  • これでは稟議は厳しそう
  • この財務内容での融資はリスクがある
  • この属性では高額の融資は難しい

などと銀行担当者が思ってしまうと、この時点で次のステップに進むのがかなり難しくなるといえます。

あえてローン審査に通りそうもない稟議を上げるほど時間の無駄なことはないからです。

なので、まずは銀行担当者が安心して見ることのできる確定申告書を提出することが何よりも大切になるということです。

 

収益物件購入時の確定申告書・決算書で銀行ローン審査時に重要な2つのポイント

ポイント①:売上(収入)金額を赤字計上していないか?

税金対策として売上(収入)金額を赤字計上するのは融資審査には不利となります。

赤字の会社や個人事業主に銀行が資金を貸さないのと理屈は同じです。

まず銀行担当者は収支内訳表(決算書)の売上(収入)を見て、いきなりここがマイナスの赤字計上だとその理由を問うことになるのがセオリーだからです。

これは、赤字そのものが問題なのではなく赤字計上に至った理由や原因が重要になるので、赤字原因が特殊要因による一過性のものであれば赤字計上であっても問題はないという判断になるからです。

銀行員は不動産には素人でも決算数字を分析する能力や感性は他のどの職種の人よりも磨かれています。

決算書で不自然な部分があれば必ず見抜かれると思っていいです。

毎期毎期赤字計上して銀行員がその理由を聞いた時に、『税金対策』という人は非常に多いといえます。

しかし残念ながらこの『税金対策』という言葉は銀行員にはあまり響かずむしろ逆効果となることが多いです。

『税金対策、相続対策で収益物件を銀行借入で取得する』

というのは理由になるのですが、

『税金対策、相続対策で毎期赤字決算しています』

というのは、銀行に対して説得材料にはならないということです。

もし確定申告で赤字にするか黒字にするかで迷っているとすれば、極端な話わずかであっても黒字計上しているほうが銀行に対しては良く見られる決算書となります。

 

ポイント②:減価償却費は適正に計上しているか?

収益物件購入時の銀行ローン審査で決算書の次に銀行員が考えるポイントは返済財源の査定となります。

そしてその返済財源となるのが売上(収入)金額と減価償却費の合計額となります。

売上(収入)と減価償却費は手元から現金が実際にはキャッシュアウトしない金額を示しています。

つまり毎期の借入金の返済に充当できる余力の上限値を示す金額となります。

この減価償却費を過小計上したり、むやみに所得金額を赤字計上すれば、その分借入金の返済に充当できる金額が減少しひいては借入可能な金額も減少することになるからです。

『所得金額』と『減価償却費』は、融資金額に直接影響する重要な項目であるといえます。

 

収益物件購入時のローン審査で提出する貸借対照表(B/S)の2つのポイント

ポイント①:元入金はプラスになっているか?

『元入金』は事業を始めるにあたって最初に投入した現金キャッシュにあたるものです。

この元入金がマイナス計上ということは事業が不調で儲けよりも現金の方がより流出している状態と捉えられてしまい、健全な貸出先とは見なされなくなってしまいます。

 

ポイント②:雑資産(貸付金)、雑費用(未払金、前受金)を多額計上していないか?

ローン審査において銀行はこれらの雑項目には敏感に反応します。

例えば貸付金では貸借対照表では資産の勘定に計上されていますが、もしそれが回収困難なものであればその回収見込みのない貸付金を資産の中から控除しなければいけません。

つまりはその控除した分を元入金から控除し内部留保が減ることになり銀行的には貸出先としての審査としては良い評価にはならないことになります。

未払金や前払金も同様です。

まだ入ってきていないものやまだ払っていないものが多すぎると実態の財務状況とかけ離れてしまうと考えるからです。

変な話ですがこのような勘定科目は不正に計上しても帳簿上だけの話になるので帳尻合わせに使われることもあるということです。

銀行担当者は必ずその内容や発生原因をチェックするはずです。

そのひとつひとつに明確に理由を答えられなければ間違いなくアウトです。

必要以上に未払金や前受金の額が大きいと確定申告書そのものの信憑性を疑うことになりかねないですよということです。

もし計上に説明可能な理由があるのなら明確にその理由を説明することが必要です。

あくまで計上そのものが問題なのではなくその理由が何であるかが大切になってくるからです。

 

収益物件購入時に不動産所得が既にある場合にローン融資審査時に必ずチェックされる2つのポイント

ポイント①:既存所有物件の入居率はどれくらいか?

新たなローン審査にあたり銀行は必ず既存物件の入居率をチェックします。

この入居率から今後の稼働状況を銀行的に予想するからです。

入居率は高いほど融資審査にはプラス材料となります。

そしてそれとは別に入退去の状況を銀行員は気にします。

入退去が激しい物件なのかどうかを分析するからです。

確定申告時点の入居率が高くても、過去からの推移を見て賃借人が長く入居しているかどうかを見るのです。

出入りの激しい物件よりも一度入居した賃借人が長く住む物件のほうが銀行的には安心できる事業内容になるからです。

 

ポイント②:既存借入金利子から調達利回りはどれくらいか?

借入金利子の額から、

  • 実際の借入金総額
  • 平均利回り

の分析を行います。

借入金総額をごまかしていても既存借入金利子の金額から概ね正確な借入金総額がはじき出せるからです。

そしてその利回りを参考にして今回の貸出金利の水準を模索することにもなります。

他行の既存借入での対応金利を予想し予想金利をベースに本件対応金利を設定していくことはよく使われる手段です。

 

おわりに

  • 銀行員は融資相談を受けたファーストアプローチで上記の6つのポイントを確定申告書でチェックし次の段階に進むかを判断することになる。
  • 確定申告書をチェックしたのちに物件概要書に基づいて後日銀行担当者が現地に行き調査して担保金額の査定を行う。
  • 銀行担当者が確定申告書をチェックしている段階で、良い物件ですとか掘り出し物物件ですと言ってもあまり意味がないことを理解する。段階が進めば、良い物件と強調しなくても銀行担当者は必ず自分の目で物件を見に行く。
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