マンションの管理費や修繕積立金を滞納したくらいでは競売にはならないと思われてはいないでしょうか?
残念ながらマンションの管理費や修繕積立金を滞納しても競売にかけれられてしまうことは往々にしてあるのが現実です。
マンションの管理費や修繕積立金、駐車場使用料など月々にすると数万円くらいの金額ですので、もし1年間マンションの管理費や修繕積立金を滞納し続けたとしても数十万円くらいの滞納額の規模感になると思います。
それくらいの金額であればまさか競売にはされないだろうと油断しているととんでもない目にあうことがあります。
マンションの管理費や修繕積立金を滞納すると管理組合や管理会社から支払いの督促が来るようになります。
それでも管理費や修繕積立金の滞納分の支払いがなければやむを得ず管理組合から競売申立をされてしまいお持ちのマンションは競売にかけられてしまうのです。
そうなると滞納している管理費や修繕積立金を全額まとめて一括で管理組合や管理会社に支払わなければ競売を取り下げてもらえないということです。
今までの経験上、だいたい管理費や修繕積立金の滞納総額が200万円を超えてくると管理組合や管理会社から競売にかけられてしまうケースが増えてきます。
マンションの管理費や修繕積立金を滞納して競売にかけられたらどうすればいいのか?
マンションの管理費や修繕積立金を滞納して管理組合や管理会社から競売申立をされてしまったら取ることができる行動は次の3つです。
- 管理費や修繕積立金の滞納分を一括で支払う
- 何もせずそのまま競売になってしまうのを待つ
- 任意売却でマンションを売却する
1.の管理費や修繕積立金の滞納分を一括で支払えば当然ながら競売は取り下げてもらえるのですが、それが今までできなかったから業を煮やして管理組合や管理会社から競売申立をされてしまったわけで、管理費や修繕積立金の滞納分の総額をなかなか一括で支払うということは難しいことが多いです。
それで困ってこのままでは競売にされてしまうとのことでご相談されるというケースも非常に多いのです。
2.の何もせずそのまま競売になってしまうのを待つのも得策とはいえません。
マンションに住宅ローンが残っている場合は、めったにないことですが競売で住宅ローンの残高よりもマンションが高く落札されたとしてもその分からさらに管理費や修繕積立金の滞納分が差し引かれて手元には何も残らない形でマンションを追い出されることになります。
また、ほとんどのケースでは住宅ローンの残高よりも競売の落札額が低くなるので多額の住宅ローンが残ってしまうことになってしまい、競売でマンションを追われたあとも住宅ローンの残債にの支払い請求にずっと悩まされることになってしまいます。
実は次の3.の任意売却につながる話なのですが、マンションの管理組合としては競売で住宅ローンの残高よりも高く落札されようが低く落札されようがあまり関係がありません。
なぜだかわかるでしょうか?
マンションの管理費や修繕積立金の滞納分はマンションの管理規約で所有者が代わった場合には次の所有者に全額引き継がれるという決まりになっていることが多いからです。
この規約があれば管理組合は鬼に金棒なのです。
つまり競売で住宅ローンの残高よりも安く落札されたとしたらその競売手続きからは管理費や修繕積立金の滞納分は1円も回収することはできませんが管理組合としてはそれでいいのです。
競売で落札した次の所有者に管理費や修繕積立金の今までの滞納分と利息を合わせた全額を請求すればいいからです。
なので管理組合や管理会社が管理費や修繕積立金の滞納を理由に競売申立を行う最大の理由は、競売で管理費や修繕積立金を回収するというよりは競売で所有者が代わらせて次の所有者に堂々と請求するというところに目的を置いているということを知っておく必要があります。
ここに注意しなければ3.の任意売却でマンションを売却しようとしたときに管理費や修繕積立金の滞納分をめぐって対立することになり任意売却がうまくまとまらないということが往々にしてあるのです。
マンションの管理費や修繕積立金を滞納して競売にかけられた後に任意売却でマンションを売却する際の注意点
マンションの管理費や修繕積立金を滞納している場合、多くのケースで住宅ローンの返済も滞納している場合が多いです。
なので管理組合や管理会社から競売を申し立てられたら、その競売の期日までに任意売却でマンションを売却してできるだけ住宅ローンの残債を減らそうとすることがセオリーとなります。
マンションの管理費や修繕積立金を滞納して競売にかけられた後に任意売却でマンションを売却する際の注意点としては、任意売却の配分で管理費や修繕積立金の滞納額があまりにも高額の場合は住宅ローンの債権者から滞納分の全額を費用として控除してもらえないことがあるということです。
例えばマンションの管理費や修繕積立金の滞納額が10年間で300万円あって、住宅ローンの債権者は任意売却の費用として管理費や修繕積立金の滞納分は5年分の150万円しか控除しませんという場合です。
こういった場合、任意売却でせっかく買主が見つかって売買契約をしようとしても買主も管理費や修繕積立金の滞納分の残り150万円を引き継ぐのは嫌なので売買が流れてしまうことになります。
その分を売買価格などでうまく調整できればいいですが、調整できなかった場合はこの買主では任意売却が進められないということになってしまうのです。
なので管理費や修繕積立金を滞納して管理組合から競売にかけられているようなケースではその滞納額が高額に膨れ上がっていることが多いので、住宅ローンの債権者が滞納分の全額までは費用として認めないことなどを予測した形での任意売却の組み立てを行うことが必要不可欠なのです。
住宅ローンの残高が少ないもしくは無い状態で管理費や修繕積立金を滞納して競売にかけられたらできるだけ早く任意売却することが大切な理由
今まであったケースでは住宅ローンの残高はほとんどないもしくは完済していて住宅ローンの残高がない状態で管理費や修繕積立金を滞納してしまい競売にかけられてしまったというケースがけっこうな件数ありました。
この場合は管理組合は競売で落札されれば問題なく管理費や修繕積立金の滞納分くらいは軽く全額回収できるので目的が達成されるのでいいのですが、マンションの所有者としてはたまったものではありません。
例えば、管理費や修繕積立金の滞納額が300万円あってマンションが普通に売れば3000万円で任意売却できるというケースです。
この場合に管理組合や管理会社から競売申立をされてしまい、もし競売でマンションが2000万円で落札されたとします。
そうなるとそこから単純計算で管理費や修繕積立金の滞納分300万円を差し引いた1700万円がマンションの元所有者の取り分となります。
これを競売で落札される前に3000万円で任意売却できれば、仲介手数料がかかりますが管理費や修繕積立金の滞納分300万円と合わせても400万円程度を差し引きすることになり、2600万円が元所有者の取り分となるわけです。
その差約900万円!です。
この差はあまりにも大きくその後の生活も断然変わってきますので少しでも早く任意売却で売却して競売で安く落札することを阻止する必要があるのです。
おわりに
マンションの管理費や修繕積立金を滞納してマンションを競売にかけられたという場合はできるだけ早い段階で任意売却のプロフェッショナルにご相談してください。
管理費や修繕積立金の滞納分を何とか工面しようと資金繰りで駆け回って結局用意できずに競売にかけられてから時間だけが過ぎてしまっていたというケースもよくあります。
資金繰りで動くことは任意売却と並行しても随時行ってもらえますのでまずはご相談頂いて任意売却で競売を回避して損失をできるだけ少なくする見通しを立てておくということが一番重要なのです。
対処の順番を間違えると任意売却できたマンションでも時間切れで競売で安く落札されてしまい、住宅ローンの残高が必要以上に残ってしまったり、手元に残せるはずだった手取り収入が目減りしてしまうということになってしまいその後の生活に大きな悪影響を与えることは間違いありません。
こういったケースのご相談を頂いた経験も多数ありますのであなたに一番良い形での解決方法をご提案させて頂きますのでまずは遠慮なく頼って頂ければと思います。