不動産投資の2つの家賃保証制度①滞納保証②サブリースのそれぞれのメリットとデメリットの具体的ポイント

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PM会社の滞納補償よりも保証会社のほうが安上りな理由

賃貸管理会社の勧める滞納補償を言われるがまま何も検討せずに使っていたりしないでしょうか?

賃貸管理会社によっては、

  • 滞納補償
  • サブリース

といったサービスを行っている会社もよくあります。

各社によってサービスの内容は異なるもののメリット・デメリットともに大きいので、もし利用しようと考えるならしっかり内容を把握してから利用するようにしましょう。

この記事では、不動産投資の2つの家賃保証制度①滞納保証②サブリースのそれぞれのメリットとデメリットの具体的ポイントをご紹介します。

滞納保証利用時のポイント

家賃保証会社とのコスト比較が重要

滞納補償とは、滞納が出たときに入居者に代わって賃貸管理会社が家賃を代納してくれる保証です。

滞納補償付きの管理委託の場合、賃貸管理会社が審査した入居者が家賃を滞納した際にその家賃を立て替え払いしてくれます。

ここで注意が必要なのは空室の保証が無いということです。

滞納保証の場合の費用は概ね賃料の5%~7%となります。

このサービスは、家賃保証会社の機能を賃貸管理会社で行っているのと同じことになります。

家賃保証会社の場合は、家賃の1ヵ月分、0.5ヵ月分などの支払額によって補償額も変わってきますが、1年か2年に1回保証会社に支払う形になります。

賃貸管理会社が行う滞納補償は、毎月の賃料に対して5~7%なので、家賃保証会社を利用したほうがいいかどうかは、2年分のコストを比較するとわかりやすいです。

例えば、家賃5万円の場合、

  • 家賃保証会社(2年ごと)・・・家賃1ヵ月分=5万円
  • PM会社の滞納補償・・・5万円×5%×24ヵ月=6万円

このケースでいくと、保証会社よりも賃貸管理会社の滞納補償の方が高くなることになります。

 

賃貸管理会社の滞納補償と保証会社の決定的な違い

賃貸管理会社の滞納補償と家賃保証会社の決定的な違いは、

  • 賃貸管理会社の滞納補償の費用はオーナー負担
  • 家賃保証会社の費用は入居者負担!がほとんど

であることです。

つまり、賃貸管理会社の滞納補償サービスはオーナーにとっては高いサービスだといえます。

空室が多く、保証会社にすべて断られた入居者を入れる際に、賃貸管理会社が滞納補償してくれるような場合にはサービスを受けてもいいかもしれませんが、基本は家賃保証会社を利用するべきです。

 

サブリース利用時のポイント

サブリースとは?

サブリースとは『借り上げ転貸(また貸し)』のことをいいます。

滞納補償は入居者が滞納した場合にしか補償されませんが、サブリースの場合は借り上げ転貸のため、空室であっても家賃が補償されます。

サブリースの場合、借り上げし、空室であっても決まった賃料をオーナーに支払います。

したがって、実際に入居する者に対する貸主は賃貸管理会社・サブリース会社となります。

サブリース契約の場合、管理費用は賃料の概ね10~15%程度となります。

なお、サブリースには免責期間が設定されており、その期間は賃貸管理会社は保証の義務を免除されています。

また、サブリースは、賃貸管理会社として、賃貸付けが可能と思われる築浅や人気のある物件であれば引き受けてもらいやすいですが、築古になってくると引き受けない、もしくは借り上げ家賃査定が低いものとなります。

サブリース契約には、

  • 一括サブリース・・・建物全体をオーナーから一括して借り受け、オーナーには建物全体の賃料を支払う
  • 一部屋サブリース・・・建物の一部屋をオーナーから借り受け、その部屋のみの賃料を支払う

があります。

 

サブリースのメリット

  • 賃料収入が確定している。
  • 空室や募集に悩まなくていい。
  • 滞納リスクがない。(管理会社がつぶれない限り)

 

サブリースのデメリット

  • 一括サブリースは、既存入居者の家賃の査定が低くなるため、家賃総収入が大きく下がる。
  • 一部屋サブリースは実施している賃貸管理会社が少ない。
  • 更新(2年など)ごとに借り上げ家賃の見直しが入る。最初だけ家賃査定が高くても将来的に家賃が右肩下がりに落ちていく。
  • 免責期間が2ヵ月から6ヵ月程度ある。
  • 原状回復やリフォームについて賃貸管理会社の指定となり高くつく。

つまり、賃貸管理会社も営利企業ですのでサブリースによって損をしない仕組みとなっています。

2年契約で半年の免責期間があれば、ほとんど損しないようにできています。

万が一、利益があまり取れない場合は、原状回復費用やリフォーム費用に上乗せすることが簡単にできてしまう仕組みでもあります。

多くのサブリースの場合は、原状回復やリフォームを賃貸管理会社指定で行わないと契約解除されることになりますので、基本的にはPM会社の言いなりにならざるを得ません。

結論を言うと、サブリースはオーナー側で利益を出していくのは非常に厳しいサービスです。

既存の家賃をいじらない一部屋単位のサブリースだと一部屋だけに限定されるため、リスク回避で使うことは効果が出ますが、ほとんどのPM会社では取り組みがないのが実態です。それは、裏を返せば賃貸管理会社が儲からないからともいえます。

 

サブリースのチェックポイント

サブリースを検討するのであれば、下記のポイントは最低限チェックが必要です。

  • 契約期間・・・短い期間ではなく20年単位などになっているか。
  • 契約賃料・・・すべての部屋の家賃を確認し、既存入居者の家賃がどこまで引き下げられているか。
  • 更新・・・何年更新になっているか。2年更新だと2年後に借り上げ賃料を下げられることを意味しています。
  • 免責期間・・・2~6ヵ月ですが、短いほうがよい。4ヵ月以上だと、オーナー側にメリットはほとんど出ない。
  • 原状回復費用・・・賃貸管理会社指定となっているが、オーナーに自由度があるかどうか。PM会社指定となっている限り高くつくことを意味する。

 

おわりに

  • 賃貸管理会社の滞納補償サービスより、家賃保証会社を使うほうがメリットがある。賃貸管理会社は自社の滞納補償を勧めてきますが、よくコストを比較する。また、家賃保証会社はそもそも費用負担が入居者なので、オーナーは負担ゼロであることも重要。家賃保証会社に断られたが入居させるかどうかという段階で管理会社の滞納補償を考えるのなら道理にあっている。
  • サブリース契約は、一部屋単位のサブリースでは原状回復コストも限定され、稼働率が上がるため、コストを払っても全体の収支が良くなる可能性があるが、一括サブリースはデメリットが多いので、よく確認し、借り上げ家賃が下がっていくことも加味してシミュレーションして検討すれば収支が合わないことがほとんどとなる。
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