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キャッシュフロー収支計算書によく使われる10の不動産投資指標

キャッシュフロー計算によく使われる10の不動産投資指標

最近では指標を用いた不動産投資分析やキャッシュフロー計算書などもよく見られるようになってきました。

私自身の意見としては日本語で意味が分かっていれば、わざわざ横文字で使わなくてもいいのではないかと思うのですが、不動産投資も国際基準の横文字の指標を用いている資料が増えてきました。

それを使う人が増えているのであれば、やはり知らないよりは知っているほうが『話が速い』といえます。

呼び方が変わるだけでそれほど複雑な内容ではありません。

この記事では、キャッシュフロー収支計算書によく使われる10の不動産投資指標をご紹介しています。


キャッシュフロー収支計算書によく使われる10の不動産投資指標

指標①GPI(Gross Potencial Income):満室家賃収入

GPIは満室時の家賃収入を指しています。

空室の部屋に関しては、適正な募集家賃の数字を使い、満室時の賃料を算出します。

現況埋まっている部屋も、次に募集したら決まるであろう適正家賃に引き直して計算したほうが、より正確な計算結果となります。

◎計算例・・・GPI(満室家賃収入)=1,000万円

 

指標②空室損・滞納費

空室や滞納の損失を表しています。

どこまで空室損や滞納損を見込むかというと、賃料ヒアリングをして問題ないと判断したエリアを基本として考えて、概ね5%~10%が妥当です。

逆に空室損を20%も見込まないといけないような物件は、見送ったほうがいいともいえます。

◎計算例・・・空室・延滞損=▲50万円(5%)

 

指標③雑収入(コインランドリー・自販機等)

雑収入とは、

  • コインランドリー
  • 自販機収入
  • 携帯基地局
  • 太陽光発電

などの保有物件に付随する収入の総額を指します。

あまり家賃収入と分ける必要がなさそうなので、GPIに含めても良い収入なのではないでしょうか。

◎計算例・・・雑収入=100万円(自販機、基地局収入)

 

指標④EGI(Effective Gross Income):実効総収入

◎EGI(実効総収入)=GPI-空室・延滞損+雑収入

GPI(満室家賃収入)から空室・延滞損を差し引き、雑収入を加えた実際ベースの賃料収入を表しています。

いつも満室を想定してシミュレーションする人はいないので、ある程度の空室損を見込んでおきましょうという、簡単なことを言っているだけです。

EGI(実効総収入)と聞いて聞き慣れないからといって惑わされないようにしましょう。

このEGI(実効総収入)は、銀行も同じような見方をしてくることを頭に置いておきます。エリアによって空室損を見込むので、GPI(満室家賃収入)の80%をベースに収支計算を行って融資審査を行ったりもします。

どこまで厳しく空室損を見込むかは銀行によっても変わってきます。

◎計算例・・・EGI(実効総収入)=1,000万円(GPI)-50万円(空室・延滞損)+100万円(自販機、基地局収入)=1,050万円

 

指標⑤OPEX(Operation Expence):運営費(空室損除く)

OPEXは運営費ですべての運営上の経費を指します。

空室・延滞損はOPEX(運営費)には入れないので外して、先に差し引いています。

 

運営経費(ランニング費用)

  • 管理料
  • 修繕積立金
  • 固定資産税・都市計画税
  • 修繕費用
  • 水道光熱費
  • リース料
  • 出張費用

などです。

空室・延滞損を別枠で見積もっているため、概ね15~20%くらいで見積もります。

空室・延滞損の項目で5~10%と説明していますが、実際は5%以下のことが多く、空室・延滞損を合わせた実際の経費全体は約20%前後になるという見積もりでも構わないと思います。

この部分はどこまでいっても『見積もり』のため、細かくやっても時間がかかるだけで、ざっくりと一定割合で見込むほうがスピードが違います。

◎計算例・・・OPEX(運営費)=▲200万円(20%)

 

指標⑥NOI(Net Operating Income):営業純利益

◎NOI(営業純利益)=EGI(実効総収入)-OPEX(運営費)

NOI(営業純利益)は運営後の正味の収益を指します。

EGI(実効総収入)からOPEX(運営費)を差し引いた値となります。

収益から借入金の金利は控除せずに、純粋に不動産自体のの収益力を見る指標としてよく使われます。

借入金の金利を控除しないのは、人によって借入をしない人や、頭金を多く入れる人など、それぞれによって借入金の金利支払分は変わってくるからです。

NOI(営業純利益)は不動産の収益力を測る指標で、その値が収益不動産の実力といえます。

そのために、NOI(営業純利益)は銀行にとっても重要な指標として見ており、不動産の価値を見るうえで把握しておくべき重要な指標だともいえます。

そのため、NOIを基本として組み合わせでいろいろな指標(キャップレートや借入償還余裕率など)の基礎値としても使われています。

◎計算例・・・NOI(営業純利益)=1,050万円(EGI)-200万円(OPEX)=850万円

 

指標⑦ADS(Annual Dept Service):年間ローン返済額

ADSはローンの年間返済額を指します。

銀行から借入がある場合には返済が発生します。その返済額がどのくらいかという値です。シミュレーションソフトに融資額・金利・融資期間・元利均等もしくは元金均等を入力すると、年間返済額が計算されます。

◎計算例・・・ADS(ローン返済額)=▲500万円

 

指標⑧BTCF(Before Tax Cash Flow):税引前キャッシュフロー

◎BTCF(税引前キャッシュフロー)=NOI(営業純利益)-ADS(ローン返済額)

BTCFは税引前のキャッシュフローです。

つまり税引前にどれくらい手元に現金が残っているかを表しています。

税金は人によって異なるので、キャッシュフロー投資戦略をとる場合は、まずBTCF(税引前キャッシュフロー)できちんとキャッシュフローが出ていることを確認するために、重要な投資指標となります。

◎計算例・・・BTCF(税引前キャッシュフロー)=850万円(NOI)-500万円(ADS)=350万円

ここまでの計算例で、NOI(営業純利益)を出すところまでが難しく感じるものですが。実は簡易に出してしまえばすぐに出すことができます。

なぜなら、空室・延滞損とOPEX(運営費)は合計で25%程度と見積もることができるからです。あとは。ADS(ローン返済額)を出して上記から差し引いてしまえば、BTCF(税引前キャッシュフロー)は簡単に計算できることになります。

したがって、ローン返済額はスマートフォンなどですぐに計算できるように、シミュレーションをブックマークしておくといいでしょう。ローン返済額の計算ができればBTCF(税引前キャッシュフロー)はすぐに出るからです。

言い換えれば、ローン返済額の水準でBTCF(税引前キャッシュフロー)が決まるので、ローン返済額(ADS)の比率を見るだけでも投資収益の分析ができてしまうことになります。

物件のもつ収益の実力(NOI)と、手元に残るキャッシュフロー(BTCF)を素早く計算し把握することで、物件検討から投資判断のスピードアップが見込めます。

 

指標⑨TAX:税金(法人税・所得税・住民税・事業税)

TAXは法人税・所得税・住民税・事業税などを指します。(固定資産税や都市計画税はOPEX(運営費))

個人の所得税率は累進課税になっていること、法人も所得に応じて税率が異なりますので、一概にいくらとはいえません。

TAXの計算方法は、

  • 減価償却が経費にできること
  • 借入の金利部分しか経費にできないこと

など、物件が複数になるなどすると、どんどん複雑化していきます。

しかし、このTAXの値いかんで、最終利益である税引後利益が大きく変わってくるということを理解する必要があります。

BTCF(税引前キャッシュフロー)をしっかり出しても、税金対策を怠って、TAXの値が大きくなれば、キャッシュフローがすべて吹き飛ぶこともざらにあります。

不動産投資はキャッシュフローがなくても帳簿上の利益が出やすい構造のビジネスのため、税を制するものが不動産投資を制すると言われる所以でもあります。

◎計算例・・・TAX(税金)=▲100万円(概算)

 

指標⑩ATCF(After Tax Cash Flow):税引後キャッシュフロー

ATCFは税引後のキャッシュフローの値を指します。

ATCF(税引後キャッシュフロー)が最終的に1年間不動産投資をしてきて、最終的に手元に残る現金の額となります。

最終的に手元に残る現金がいくらになるのかが、不動産投資が成功しているかを見分けるポイントにもなりますので、ATCF(税引後キャッシュフロー)が多く残るように投資戦略を組み立てて不動産投資していかなくてはいけません。

しかし、税金を理解し節税対策をしてキャッシュを手元に残すのは、意外に難しいものです。不動産投資は税金をコントロールできないと手元にキャッシュフローが残りにくいので、節税対策は常に勉強して実践していくことが必要です。

まとめ

  • 不動産投資にはさまざまな投資指標が用いられるが、中身を理解して、どういう流れで利益やキャッシュフローが出ているのかを分かったうえで投資指標を使うことでさらにレベルアップできる。
  • キャッシュフロー計算は不動産投資の根幹を支える指標でもあるので、キャッシュがショートしないように、物件情報から税引前、税引後のキャッシュフローを出し投資戦略に生かすことができるようになることが重要。
  • 税金対策は奥が深いので、仕組みを理解して、信頼できる税理士と確認をとりながら、税引後のキャッシュフローを生み出していける仕組みを作っていくのがキャッシュフロー重視の投資戦略となる。

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