不動産投資で、
- 土地が狭くて収益が多い収益物件
- 土地が広くて収益が少ない収益物件
ならどちらを優先的に買うほうが儲かるのでしょうか?
収益物件で利益を出すポイントは物件価格が投資回収額を下回らないことです。
そのためには投資回収を早く進めることと同時に物件価格が下がらないことが重要になります。
では収益物件の価格はそもそもどのような形で決まるかというと、結論から言うと、収益物件の価格は、
- 収益性
- 資産価値(土地値)
によって決まります。
この記事では、不動産投資で土地が狭くて収益が多い収益物件と土地が広くて収益が少ない収益物件ならどちらを買うのかという事例をご紹介します。
収益物件のキャピタルゲインの収益性を予測するポイント
不動産投資での物件のキャピタルゲインの収益性とは、その物件から年間いくらの賃料収入が発生し、利回りが何%であれば買う人がいるか、というものです。
ポイントとなるのは、
- 賃料収入
- 期待利回り(キャップレート)
で、この2つの数字によって物件価格が割り出せます。
例えば、年間賃料1000万円を生み出し、利回り10%で買う人がいる場合の物件価格は、
◎1000万円÷10%=1億円
ということになります。
このケースでは、1000万円が基準賃料であり、10%が期待利回り(キャップレート)となります。
収益物件の資産価値(土地値)を見る際のポイント
資産価値によって価格が決まる場合はどうでしょうか?
日本の不動産においては、中古の建物はほとんど価値を持ちませんので、物件の資産価値は土地値とほぼ同じになります。
土地値は単純に求められます。
坪当たり100万円の土地が100坪あれば、
◎100万円×100坪=1億円
ということになります。
収益物件のキャピタルゲインでの収益性と資産価値(土地値)のどちらか高い方を取る
収益物件の収益性と資産価値(土地値)という2つの指標で価格を出し、高いほうがその物件の価格となります。
例えば次のA、Bの例で比較すると分かりやすいと思います。
A :土地は狭いが賃料収入は多い場合
土地代100万円の30坪の土地に、年間1000万円の賃料収入が入るアパートが建っているとします。
収益性で見ると、利回り10%で買いたい人がいるとして、
◎1000万円÷10%=1億円
となります。
一方この物件の資産価値(土地値)は、
◎100万円×30坪=3000万円
となります。
2つの価格を比較すると収益性での評価のほうが高いので、この物件の価格は高い方を取って1億円となります。
B :土地は広いが建物が小さく賃料収入が少ない場合
収益性で見ると、同じく利回り10%で買いたい人がいれば、
◎500万円÷10%=5000万円
となります。
この物件が5000万円がかというとそうではなく、資産価値を考える必要があります。
この物件の資産価値を計算すると、
◎100万円×100坪=1億円
となります。
収益性よりも資産価値のほうが高いので、物件価格は高い方を取って、物件価格は1億円となります。
おわりに
収益性と資産価値(土地値)の計算事例から分かることは、不動産の価値は土地値以下にはならないということです。
賃料収入がいくら少なくて利回りが低いといっても土地値以下にはならないのです。
中古住宅でも同じように、築30年、40年と築年数が古くなっていっても、最終的に土地値以下の価格になることはありません。
そしてA、Bどちらの物件を狙っていくかは不動産投資戦略によることになります。