不動産投資で物件の利回りを見る際に、
- 表面利回り(グロス)
- 実質利回り(NET)
の2つの利回りがありますがどちらを重視するべきなのでしょうか?
不動産投資で儲けるためには表面利回り(グロス)よりも実質利回り(NET)を重視するべきです。
不動産投資の世界では一般的に利回りというと表面利回り(グロス)で表記される慣習があります。
表面利回り(グロス)とはその収益物件の満室想定の最大利回りのことをいいます。
極端な話をすると全室が空室であっても物件価格が安ければ満室想定の表面利回り(グロス)は高くなります。
しかし不動産投資で確実に儲けを出すためには満室想定の表面利回り(グロス)ではなく実質利回り(NET)で考えていく必要があるのです。
なぜ実質利回り(NET)を重視する必要があるのでしょうか?
それは不動産投資の投資回収を早めることがその不動産投資の利回りの最大化につながるからです。
この投資回収額は純収入のことを指します。
そして純収入は賃料収入から経費を差し引いた後の収入であり、この純収入の購入価格に対する割合が実質利回り(NET)だからです。
この記事では、不動産投資の利回りは表面利回り(グロス)よりも実質利回り(NET)を重視する理由をご紹介します。
表面利回り(グロス)より実質利回り(NET)重視!不動産投資で儲けるには実質利回り(NET)を重視する!
不動産投資における収益物件の運用を企業の経営と同じように考えると、
- 賃料収入が売上
- 純収入は粗利益
と考えるとわかりやすいと思います。
企業の経営においても、売上はあまり意味を持ちません。
あくまでも税引き後利益がどれだけ出るかどうかという方が重要です。
これは不動産投資における収益物件の運用でも全く同じことがいえます。
いくら賃料収入が多く入ってきても、経費が大きくかかれば粗利益が減ってしまうので意味がないからです。
同じ表面利回り10%の収益物件でも、実質利回りでは8%と7%という形で、NETが1%も違ってしまうということはざらにあります。
売上がおなじ1000万円でも実質の収入である粗利益だと800万円と700万円となり、100万円も違ってきてしまうのです。
収益物件の構造(木造・鉄骨・RC)によっても実質利回り(NET)は変化する
一般的に鉄筋コンクリート(RC)造の収益物件は維持するための経費が大きくかかり実質利回りが低下する傾向にあります。
建物が堅固にできているため固定資産税が高くなる上に、メンテンナンスにも費用がかかります。
また、エレベーターなどの設備があれば、その維持やランニングコストにも費用がかかることになります。
その一方で木造や軽量鉄骨造の収益物件は一般にRC造ほどのコストはかかりません。
投資効率や利益の最大化という点から考えると、木造や軽量鉄骨造の収益物件がRC造の収益物件に比べて優れているといえます。
ただし、木造や軽量鉄骨造の収益物件は基本的に2〜3階建であるため、大型物件がなく、一度に大きな投資をしたいという場合には不向きであるといえます。
おわりに
収益物件の世界では利回りというと表面利回り(グロス)のことをいうことが多いです。
しかし収益物件の運用における不動産投資の利益を最大化させるためには、表面利回り(グロス)ではなく実質利回り(NET)を重視する必要があります。
不動産投資で収益物件の投資回収を早くするためには、純収入を増やすことですが、純収入とは賃料収入から経費を差し引いた後の収入=NET収入のことを指すからです。
いくら賃料収入が多く入ってきても、経費が大きくかかれば純収入が減ってしまうので、利益の最大化を目的が達せられないことになるからです。
追伸:物件概要書(マイソク)もほとんど全てが表面利回り(グロス)での利回り表記!
物件概要書(マイソク)でもほとんど全てといっていいほど全てにおいて表面利回り(グロス)のみでの利回りの表記になっています。
ランニングコストや固定資産税の負担額などの記載がない物件概要書(マイソク)がほとんどです。
比較検討する際に表面利回り(グロス)が上回っていたとしても実質利回り(NET)も比例して上回るとは限りません。
最終的に純収益としていくら手元に残るのかを実質利回り(NET)を見ることでシミュレーションできます。