物件取得・仕入戦略

借地権の収益物件を購入するという選択はありなのか?もし借地権物件を買うなら注意すべきことは?

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高利回りの収益物件が借地権物件だった場合の購入判断基準

不動産投資で高利回りの収益物件を探していると、借地権の収益物件も多くあることに気付きます。

借地権とはどのような権利で、借地権の収益物件は投資対象として考えても良いのでしょうか?

結論は高利回りが狙えて融資がつくのであれば狙い目だと考えられます。

ただし所有権の収益物件と違って

  • 借地権とはどのような権利か?
  • 借地権の収益物件は融資がつきにくい
  • 借地権ならではの確認事項

をきちんと把握しておく必要はあります。

この記事では、不動産投資で借地権の収益物件を購入する際に高利回りに惑わされずに絶対に確認しておくべきポイントをご紹介します。

不動産の借地権とはどのような権利か?

借地権の収益物件は所有権の収益物件に比べて、利回りがおよそ2~3%前後は高くなるのが一般的です。

好立地にある借地権の収益物件も多く、融資がついて条件が合うのであれば不動産投資の対象として狙い目だといえます。

借地権とは、

土地は取得せず地主から土地を借りて、その上に建物を建てて使用できる権利

のことを言います。

登記できるのは建物だけで、売買する場合は地主の許可を得て『借地権付き建物』を取得することになります。

地主の承諾は必要ですが、所有権と同じように借地権物件として売買できますしアパートを建てたりして賃貸することもできます。

旧借地法により強く守られた借地権は、借り手側にかなり有利になっている権利です。

定期借地権でない限り、土地の所有者(地主)の一存で更新を拒絶されることは通常ないため、数世代にわたって借地に住み続けている人も多く、所有権に近い権利だといっても過言ではないくらいです。

具体的には所有権は借地権と底地権の二つで構成され、それぞれの割合が定められています。

一般的には借地権の割合が6~7割で、底地権の割合が3~4割となっています。

つまり、借りている権利の方が土地を所有している権利よりも強くなっているということです。

土地はいったん貸したら返ってこないと言われるのはそのためです。

平成4年に地主側の権利を強めた新法借地権(借地借家法)が施行され、旧法借地権(借地法)は廃止されています。

新法借地権には、普通借地権と定期借地権があり、定期借地権の場合は基本的に更新ができず、期限が到来したら更地にして地主に返還しなければなりません。

しかし、新法施行前に借地であった物件には、現在でも旧法借地権(借地法)が適用されています。

 

借地権の収益物件は融資がつきにくいのか?

借地権の収益物件のデメリットとして、所有権に比べて融資がつきにくく流動性が劣るということがあげられます。

ただし逆にいえば、融資がつきにくいからこそ競合が少なく利回りが高くなっていると考えることもできます。

借主の属性による差はあるものの、たいていの金融機関は借地権の収益物件でも融資をしてくれます。

融資さえ受けられれば借地権の収益物件は非常にメリットの大きい収益物件だといえます。

ただ、金融機関からの融資を受けるには地主から承諾書に判を押してもらうことが条件になります。

承諾書の内容は、『地代の滞納があった場合には金融機関に通知しなければならない』というものです。

地代が滞納された場合にいきなり借地契約を解除されてしまっては、金融機関としては担保を失ってしまうことになるので、それを避けるためのものです。

この承諾書に土地の所有者が捺印し、金融機関に提出します。

しかし、地主の中には絶対に承諾書には判は押さないという人もいるので、最初に確認するのがよいでしょう。

その場合はそもそも融資を受けて取得できない不動産ということになるからです。

一般的に地主がお寺の物件はおすすめです。

お寺はビジネスとして土地を貸していますので、お金さえ払えば感情の問題がなくビジネスライクにスムーズに取引ができます。

 

借地権の収益物件の購入前に借地契約と更新料の事前確認を行う

実際に借地権の収益物件を購入する際に確認するべき点があります。

まず何をさておき借地契約の内容の確認です。

新法の定期借地権の収益物件の場合は更新ができず、契約満了時には更地で土地を返還しなければならないため、借地期間の満了に向けて資産価値は減価し、売却するのも難しくなります。

定期借地権の収益物件は資産形成には向いていないので購入判断は慎重に行うべきです。

また、契約期間と更新料も事前に確認します。

旧法借地権物件の契約を更新する際には、更新料がかかる場合がほとんどです。

更新料は物件によっては多額になることもありますので注意が必要です。

理想は物件の取得時に新規で契約をまきなおしてもらうことです。

木造の場合は20年、RC造などの堅固な建物の場合は30年になります。

また、借地の契約期間中に建替えや売却をする場合は、

  • 地主の許可
  • 建替え承諾料
  • 譲渡承諾料

が必要になります。

そして、毎月の地代を確認します。

借地契約書に金額が定められている場合もあれば、固定資産税の何倍と表記されている場合もあります。

一般的な額が固定資産税の3倍程度で契約によってまちまちです。

上記の事項については、売買契約の際に事前に借地契約書の中身を確認する必要があります。

 

借地権の不動産売買で地主から譲渡承諾が得られない場合

借地のトラブルで多いのが、売却時に地主が譲渡承諾をしてくれないケースです。

  • 買主を厳しく選定して拒絶
  • 地代の値上げを要求
  • 高額の譲渡承諾料を要求

などのケースがあります。

しかし、譲渡承諾を得ずに勝手に建物を売ってしまうと、無断譲渡として地主から借地契約を解除されてしまう恐れがあります。

上記のように、借地人が借地上の建物を第三者に譲渡しようとする場合で、第三者が借地権を取得しても地主に不利となる恐れがないにもかかわらず地主が譲渡承諾しない場合は、借地人は裁判所に許可を求め、地主の承諾の代わりとすることができます。

この場合でも裁判所が決定した額の譲渡承諾料は地主に支払うことになります。

 

おわりに

借地権の収益物件であっても、

  • 高利回り
  • 融資がつく

のであれば、借地権の物件は非常にメリットが大きく積極的に狙っていっても問題はありません。

ただし借地権の収益物件には借地権ならではの確認すべきことがあります。

取得時や売却時に地主に支払う承諾料や、保有中の地代や更新料などを契約前にきちんと確認する必要があります。

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