不動産投資で配偶者が収益物件の購入に対して不安を持っていて数千万円から億単位の借入をすることに大反対するケースがあります。
不動産投資は事業だといってもよく知らない配偶者から見ると投資やギャンブルなどと同一視してしまうことも少なくないからです。
大きな賭けをして大きな損を出すくらいなら今のままでいいじゃないかという思いが強い場合はなおさらです。
ましてや大反対の配偶者がその連帯保証人になるのは絶対に嫌だと言われます。
不動産投資で収益物件を購入するのに配偶者の連帯保証人は絶対に必要なのでしょうか?
結論としては、個人では基本的には連帯保証人が必要ですが、団体信用生命保険に入ることで不要なケースもあります。
また法人では連帯保証がなくても借入ができる可能性があります。
不動産投資で収益物件の購入時に配偶者の連帯保証人は絶対に必要なのか?連帯保証人が必要な場合とは?
個人で融資を受ける場合、基本的には金融機関は法定相続人の連帯保証人を求めてきます。
具体的には配偶者の連帯保証人を基られるケースがほとんどです。
ただし、昨今では連帯保証という制度に対して風当りが強くなってきていることもあり、団体信用生命保険に加入することで連帯保証を免除しているケースもあります。
原則は連帯保証人が必要なものの金融機関ごとに対応はまちまちといったところです。
万が一借入者が亡くなった時に相続人が必要になるというのが、連帯保証人を求められる理由なのですが、連帯保証人となると基本的には債務者と同等の責任を負うので、責任が重大となります。
そのため、連帯保証人となる配偶者の同意を得られずに収益物件の取得をあきらめるというケースもあります。
連帯保証人を求められるという件のみならず、夫婦間の理解、協力関係がなければ収益物件の購入やその運用をスムーズに行うことはできません。
たとえば、奥様の理解がないと、
- 貴重な休日に収益物件を見に行く
- 管理会社との打ち合わせに行く
- 新たな知識の吸収のためにセミナーに行く
などということが難しくなり、結果として不動産投資に取り組めなくなるということです。
何よりも、何千万円、何億円の投資を配偶者の同意なしに行うことは、夫婦の信頼関係を崩すことになるのでおすすめできません。
基本的には、大賛成までいかなくても配偶者の同意を得たうえで不動産投資を行うべきです。
逆に二人できちんと合意すれば不動産投資で収益物件の購入や運用という取り組み自体が夫婦関係を良いものに導きます。
夫婦で力を合わせて一つの事業を行う機会は意外と少ないものです。
不動産投資を始めたおかげで夫婦が力を合わせて取り組むことができ夫婦関係が円満になったという話は多々あります。
本気で取り組むならぜひ配偶者を味方につけられるよう粘り強く説得することをおすすめします。
不動産投資での団体信用生命保険の活用
どうしても配偶者が連帯保証人に応じてくれないケースや独身で連帯保証人を立てられないというケースがあります。
その場合には、団体信用生命保険を掛けることで連帯保証人が不要になる場合があります。
団体信用生命保険に加入することで、万が一の場合(死亡時)には借金の残債がなくなるというものです。
しかし団体信用生命保険加入の際に、
- 保険料として金利が上がる
- 融資金額に上限(基本的には上限1億円、機関によっては3億円)
があることから、団体信用生命保険の利用の際には金融機関と交渉する必要があります。
そして、一般的に団体信用生命保険が利用できるのは、プロパーローンではなくアパートローンのみとなります。
法人で収益物件を購入して自分が連帯保証人になる方法
法人(資産管理会社)を設立して、その法人で収益物件を購入することで、配偶者の連帯保証なしで借入を行うことができます。
法人で借入をするにあたって、その法人の代表者である自分自身が連帯保証人になるということです。
これによって実質的には連帯保証人がなくても(代表である自分が連帯保証人)借入ができることになります。
以前は法人で収益物件を取得する際にも、配偶者の連帯保証を求めるケースがありましたが最近は不要なケースがほとんどです。
その背景として、金融庁が連帯保証人に対してのガイドラインを定め、原則として中小企業のオーナー社長の連帯保証人を外す方向に舵を切り始めたことが挙げられます。
日本の中小企業の代表者の保証が重たすぎるという議論があったためです。
世の中の流れが連帯保証人を外す方向になっているのは間違いないといえます。
おわりに
個人で借入を行う際には、基本的に連帯保証人を求めてくる金融機関がほとんどだが、アパートローンの団体信用生命保険に加入することで、連帯保証人なしでも借入ができる金融機関もある。
法人の場合は、法人で取得して代表である自分自身が連帯保証人となることで、実質連帯保証人なしで借入を行うことができる。