商工中金の収益不動産に対する不動産投資ローン・アパートローンがよくわかる基本的な内容をまとめています。
申込者の属性や持ち込んだ支店、時期などによってもローンの審査結果は異なってきますので、必ずこうだというわけではなく、融資打診をする際の当たりをつけるのにお役立て下さい。
商工中金は日本政策金融公庫と同じくエリアは広いものの、不動産融資スタンスは全く異なりますので、なかなか使いにくいのが実態ですが、サラリーマンの人で年収が高くないなどの属性に問題があって他の銀行でつまずいている場合は、商工中金を検討してみるといいかもしれません。
この記事では、商工中金の不動産投資ローン・アパートローンがよくわかる5つの特徴をご紹介します。
Contents
商工中金の不動産投資ローン・アパートローンがよくわかる5つの特徴
特徴①:商工中金とは
商工中金は、政府と民間が共同で出資する唯一の政府系の金融機関です。政府系の金融機関の多くは預金業務や為替業務を行わないのですが、商工中金は、預金、為替、債券の発行など、通常の銀行が持つ総合的な金融サービスを実施しています。
商工中金の目的は、中小企業に血液となる金融支援サービスを充実させる役割を負っています。単に利潤を追求するという目的ではなく、個人零細事業者や、起業をする人、中小企業などを支援して、自立して成長していってほしという考え方があります。
そのため、中小企業向けに積極的に金融サービスを行っているのが特徴です。ただし、商工中金で、借入をするためには、商工中金に出資して構成員になる必要があります。これは、信用金庫などと同じです。
特徴②:融資エリア
融資エリアは日本政策金融公庫と同じく、きわめて広く、日本全国どこでも可能です。すべての都道府県に各1店舗ずつは必ず支店を設置していますので、エリアの広さについては都銀以上です。融資できないエリアはほぼありません。
とはいえ、東京の人が九州の物件に融資をしてほしいという場合には、ハードルがあります。
商工中金としては、なぜ東京の人が九州の物件を保有して事業をしようとしているのかが理解できないからです。
したがって、融資エリアが広いとはいっても、不動産投資事業として『どうしてそのエリアで不動産投資をしたいのか』を説明できなければいけないということです。
特徴③:評価方法
りそな銀行と同じく、
『収益還元評価=事業として収支が成り立つか』
で評価します。
だから土地値があるから融資してほしいという人には向いていません。
- 積算評価で勝負するなら・・・日本政策金融公庫
- 収益還元評価で勝負するなら・・・商工中金
という流れになります。
商工中金の融資でハードルが高いのが、耐用年数に厳しく、残存耐用年数が残っていないと収支が合いにくいです。
例えば、木造で築20年経過していると、残存耐用年数の2年でしか融資期間をみてくれません。
したがって、商工中金では新築か築浅にしか融資が出ないと認識しておいたほうがいいです。
また、新築や築浅で融資が可能だとしても、融資期間が15年~最大で20年程度しかみてくれません。
このため、新築や築浅であっても、それほど長い融資期間が取れるわけではないので、やや使いにくい銀行というのは否めません。
新築で利回りが高く、早く返済を返してしまいたいという、不動産投資としては考えにくいケースが想定されますが、そういったケースは考えにくいといえます。
特徴④:不動産投資家の姿勢を見る
中小企業を支援するための金融機関とはいえ、不動産投資家の資質、姿勢を厳しく見てきます。
そのため、面談の際に、不動産投資家として、
- 事業として行うこと
- 収支が合うこと
をきちんと資料を使って説明できることが必要です。
特に収支のところは、自分で試算した資料を持ち込むといいでしょう。サラリーマンの人であればわかると思いますが、予算をつけてもらうためには、その事業やプロジェクトの採算を説明できる資料をきちんと準備してから、稟議にかけるからです。
商工中金は会った人物評価、事業の収支評価をすぐに行いますので、この点を注意して融資依頼することをおすすめします。
特徴⑤:融資金利
2%前後くらいになります。
まとめ
- 商工中金は政府系の金融機関で中小企業向け。
- 物件評価は収益還元評価のみ。事業性を評価する。
- 融資期間が耐用年数未満かつ最大でも15~20年のため、高利回りでないと収支がまわりにくい。
- 耐用年数を超えた融資は基本行わない。
- 新築物件か築浅の高利回り物件が合いやすい。