キャッシュフローが多いほど利益が多い?キャッシュフローだけでなく総合的にどれだけ儲かっているかが重要!

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不動産投資の利益とは手元に残るキャッシュフローのことだとお考えではないでしょうか?

これから不動産投資に取り組む人はもちろんこれまで不動産投資に取り組んできた不動産投資家でさえ実はなんとなく理解している感じの人も多いと思います。

なぜなら手元に残るキャッシュフローが多ければ多いほど利益が出ていると考える不動産投資家がとても多いからです。

普通に考えれば手元にキャッシュがたくさん残るほど、その不動産投資は儲かっているというイメージです。

しかし、いくら手元にキャッシュをたくさん残せても最終的に収益物件を売却した際にたくさん税金を取られてしまうとトータルでは儲かっていないことになってしまうのが不動産投資の利益の仕組みなのです。

不動産投資はあくまで入口での物件購入から出口での物件売却までの全体で利益を最大化させることが重要です。

目先のキャッシュフローを追うばっかりに最終的にトータルで利益を減らしてしまい損をしてしまってはもったいない結果と言わざるを得ません。

キャッシュフローが出ているということだけで不動産投資の収益が良いという判断をしてはいけない

不動産投資の初心者がやりがちな考え方なのですが、キャッシュフローが出ていると言うだけで不動産投資の利益が出ているとは限りません。

すでに不動産投資を学んだことのある人は、不動産投資の利益は賃料収入から経費と借り入れを差し引きさらに税金を支払った後に残るキャッシュフローだと考えると思います。

賃料から生まれるキャッシュフローを一定額以上を作り会社を退職して専業大家になることを目標としている人もいるでしょう。

その考えは決して間違いではありませんが賃料から得られるキャッシュフローだけが不動産投資の利益ではないという考え方を持つ必要があります。

不動産投資の利益を考える際には物件購入から物件売却までの全体をトータルで見ることが必要です。

 

ローンを返済することで『含み益』が増えているという考え方を理解する

不動産投資はその収益物件の価格が暴落しない限り、収益物件の売却時に非常に大きな現金が手元に残る仕組みになっています。

なので収益物件の売却時にいくらの現金が得られるのかを試算することが重要になります。

つまり今収益物件を売却したらいくらの現金が残るという、株でいったら『含み益』を常に計算しておくべきだといえます。

ローンで購入した収益物件は返済が進んでいけば当然ローンの残高が減っていきます。

ローンの残高が減った状態で買った時と同じ価格で売却すればそのローンの返済分だけドカンと手元に大きな現金が残るという仕組みです。

例えば1億円で買った収益物件のローン残高が7000万円まで減った段階でその収益物件を買った時と同じ1億円で売却すれば3000万円が手元に残ります。売却時の価格が1億円よりも上がっていればもっと手元に残るお金は増えることになります。

逆に収益物件の売却時の価格が大幅に下がってしまえば売却時の手元に残る現金は減ってしまうじゃないかと思うかもしれませんが、売却価格が極端に低い場合は売却をしなければいいだけの話です。

家賃収入を得ながらまた売却のタイミングを探っていけばいいことになります。

家賃という他人が払ってくれているお金でどんどん自分のローンの残高を減らしていくことができることに変わりはありません。

これが不動産投資における『含み益』という考え方です。

ローンで購入した収益物件は長期で保有するほどローンの残高が減っていって『含み益』は増えていきます。

毎月のキャッシュフロー以外にも将来的に現金化できる大きな『含み益』を積み立てているという感覚に近いと思います。

この『含み益』は簡単にいうと土地の持分と考えるとわかりやすいです。

建物は減価償却されてどんどん簿価の残価が減っていきますがローンの返済の元金分がどんどん土地の持分としての『含み益』となっていくと考えることができるのです。

キャッシュフローが多く出る不動産投資はローンや税金の支払いに追われることがなく、さらには生活費もまかなえて投資としては理想的だと思われるかもしれません。

しかし仮にキャッシュフローが出ない不動産投資でも土地の持分は『含み益』として蓄積されていくため将来的には売却した際にその土地の『含み益』分を現金化して大きな利益を得ることができると考えることができるのです。

 

借入金の返済による含み益の増加も最初から考慮する

実は不動産投資は収益物件の保有期間中の 大幅な現金増加は期待できません。

その結果多くの不動産投資家が地味な生活を送っているのはこれが理由の一つになっていると思われます。

その一方で収益物件の売却時には非常に大きなキャッシュが手元に残る仕組みになっています。

そのために収益物件の売却時にいくらの現金が残るのかを試算することが重要になります。

今売ったらいくらの現金が残るという株式投資で言うところの含み益を常に計算しておくべきということです。

ローンで購入した収益不動産は長期で保有していれば必ず借入金が減りその結果含み益は増えていくことになります。

なので借入金の返済分は毎月のキャッシュフロー以外にも将来的に現金化できる含み益の積立をしているようなものだとも考えられます。

この含み益は簡単に言えば所有する土地の持分だと考えることができます。

キャッシュフローが多く出る不動産投資は借入金や税金の支払いに追われることもなく更には生活費までも賄えて理想的な不動産投資となるでしょう。

しかし仮にキャッシュフローが出ない不動産投資だとしても借入金の返済が賃料によってまかなわれて土地の持分は蓄積されていくため、将来的には土地を現金化して大きな利益を得ることができると考えることができるというわけです。

 

利益は『スプレッド』から発生すると理解するとわかりやすい

ローンの元金返済分が土地の持分としての『含み益』として蓄積されて資産が増えることにつながるということは不動産投資の利益の考え方で一番重要なところです。

しかしこのことを十分に理解して不動産投資に取り組んでいる人は少ないです。

そしてこのことを理解していない人は毎月の収支であるキャッシュフローばかり見て含み益の蓄積を見ないためトータルで見ると損してしまうということになるのです。

ローンを借り入れて収益物件を購入した場合に、安定した高い賃料収入と低いローン金利との差額である『スプレッド』こそが不動産投資で収益物件を保有したときの利益の源になっているということを理解しましょう。

その『スプレッド』が不動産投資の利益の源であるということに今の低金利がとても大きな恩恵をもたらしていると考えることもできます。

純利回りと金利支払いの差額のスプレッドから税金を差し引いた残りが正味利益であり毎年の純資産増加額なのです。

たとえば、表面利回りが8%だとして経費率を30%とすると純利回りは5.6%となります。

そしてローン金利が1.3%だとすると純利回りとローン金利の差額5.6%-1.3%=4.3%がスプレッドとなります。

そしてそのスプレッドから平均税率を30%とした税金を差し引くと正味利益は3.0%となります。

その正味利益の内訳は

  • キャッシュフロー
  • 含み益の蓄積=ローン元金返済=土地の持分増加

となるのです。

この正味利益こそが毎年の純資産増加額であり、不動産投資が生み出す本当の利益だといえるのです。

そしてこのスプレッド幅が変わらない限りこの正味利益の発生する額は毎年一定であると理解することが大切です。

そして正味利益がキャッシュフローとなっていますぐ手元に現金として戻ってくるのか、将来の売却時に現金化される『含み益』の蓄積になるのかの比率は、ローンの借り入れ条件によって変わるというわけです。

 

利益の源泉は借入利率と利回りの乖離分のスプレッドにあるということを理解しましょう

収益物件を借入で購入して借入金を返している間は手元にキャッシュがそれほど残らなくても土地持分が含み益として蓄積され保有する資産の増加につながることは不動産投資の最も良い部分であるとも言えます。

それにもかかわらず十分に理解されていないことが多いので、そもそも不動産投資の利益とはどこから発生するものなのかということを最初に把握しておくことは非常に重要です。

銀行から借入を起こして都市部の収益物件を購入する場合、安定した高い賃料収入(純利回り)と低い借入金利の差額(スプレッド)こそが収益物件を保有した際の利益の源泉になっているということです。

純利回りと金利支払いのスプレッドから税金を差し引いた残りが正味利益であり毎年の純資産の増加額となります。

そしてそれこそが不動産投資が生み出す本当の利益なのです。

スプレッド幅が変わらない限りこの正味利益の発生額は毎年ほぼ一定であるということを知ることが重要です。

また、

  • 正味利益がキャッシュフローとなって今すぐ手元に帰ってくるのか?
  • 将来の売却時に現金化される含み益の蓄積となるのか?

については、その比率は借り入れ条件によって変わります。

 

税務上の利益が持つ意味とは?

毎年いくらの正味利益が出ているのかはどこを見れば分かるのでしょうか

不動産投資の正味利益は税務上の利益やキャッシュフローとは一致しません。

また手元に残るキャッシュフローと税務上の利益は全く異なる金額であり不動産投資初心者の方は数値をどのように理解すべきか迷うかもしれません。

実は税務上の利益から正味利益を計算するには少し複雑な計算が必要となるのです。

 

利益が増えると実はデッドクロスに年々近づきキャッシュフローは減る問題

借入を起こした不動産投資では毎年少しずつキャッシュフローが悪化するという問題が起こりそれをデッドクロスと言います。

そのため事前に長期の収益予想を立て複数物件を保有して十分なキャッシュフローが出る物件を買い増しするなどの工夫をしなければ将来的にキャッシュフローが尽きて借入金の返済ができなくなってしまう恐れが出てきます。

多くの人はこのような状態をキャッシュフローが減り儲からなくなった状態=デッドクロスと言います。

そしてデッドクロスになった収益物件は売り時だと考えるのです。

それは本当にそうなのでしょうか?

この問題の本質は

  • 年を追うごとに金利の支払いが減ること
  • 将来的には建物の減価償却が終わるため経費が減って税金が増えること

の2点に集約されます。

金利の支払いは税務上の経費になりますが 借入金の元本の返済は経費にならないことをよく覚えておく必要があります。

金利の支払いが減ると税務上の経費が減るので税金の支払いが増えます。

しかし銀行への借入金返済の支払額は毎月一定額なので税金が増えたぶんだけキャッシュフローを圧迫するという仕組みです。

さらに建物の減価償却が終われば税引き後キャッシュフローがこれまた減ってしまいます。

これも税務上の経費が減ったことが原因です。

このように長期で見ていくと上記の理由から必ずキャッシュフローが悪化するということを考えると、やはり収益物件の長期保有は不動産投資としては非効率だと思えて仕方がありません。

しかし実はそうではないのです。

なぜなら金利負担は年々減っていきますので毎月より多くの元本を返済して残債が減っていくペースが早まります。

金利支払いが減ることによりスプレッドが広がり正味利益が増えるペースが少しずつアップするのです。

 

利益が増えるとキャッシュフローが減る問題について

ローン借入の返済がある不動産投資では毎年少しずつキャッシュフローが悪化するという問題があります。

そのため事前に収支予想シミュレーションをして複数の収益物件を保有して十分なキャッシュフローが出る収益物件を組み入れるなどの工夫をしなければ将来的にキャッシュフローが尽きてローンの返済ができなくなるというものです。

このことをデッドクロスともいいます。キャッシュフローが尽きてしまうことを不動産投資家は最も恐れるからです。

このような状態でキャッシュフローが減り儲からなくなったといってほとんどの人は売り時だと考えるのです。

この問題の本当のところは、年数がたつごとに金利の支払いが減ることと、将来的には建物の減価償却が終わるために経費が減って税金が増えることにあります。

ローン金利の支払いは税務上の経費になりますがローン元本の返済は経費にならないからです。

金利の支払いが減ると税務上の経費が減るので同じ売上だったとしても年々税務上の利益が増えてそれに課税される税金の支払いが増えるのです。

しかし銀行へのローン返済の支払い額は毎月一定額なので、税金支払い額が増えた分だけキャッシュフローを圧迫するというカラクリです。

さらに建物の原価償却が終われば税引き後のキャッシュフローが急激に減ります。

これも税務上の経費が減価償却がなくなった分だけ急激に減って税務上の利益が急激に増えたことによる税金の支払い額が増えたことが原因です。

このように長期で見るとキャッシュフローが悪化することを考えるとやはり収益物件の長期保有は非効率と思われるかもしれません。

しかし本質的に実はそうではないのです。

ローンの金利負担は年々減っていきますので毎月より多くのローン元本を返済してローン残債が減っていくペースは速くなります。

そして金利支払いが減ることによりスプレッドが広がりますので正味利益が増えるペースが年々少しずつアップすると考えられるのです。

また減価償却についても経験者の方でも誤解の多いところなのですが、実は減価償却の有無は不動産投資の投資リターンにはそれほど影響を与えるものではないのです。

それは減価償却が終わった後は税引き後キャッシュフローが急激に減る一方で純資産の増えるペースは安定的になるからなのです。

このような利益とキャッシュフローの関係を理解していればキャッシュフローが減ったとしても健全な理想的な不動産投資の形に近づいているわけだ儲からなくなったと考えるのは早計であることがわかります。

先述の通り不動産投資の利益は、

  • いますぐ得られる賃料からのキャッシュフロー
  • 将来の売却時に現金化される『含み益』

の2つに分かれています。

ローン金利支払い分が減って経費が減ったり、減価償却がなくなって経費が減ったりすることは、いずれも純資産は順調に増えているのにキャッシュフローが出なくなっただけなのです。

 

減価償却については正味利益への影響はどう考えるのか?

不動産投資にすでに取り組んでいいらっしゃる人でも誤解の多いところなのですが、実は減価償却の有無は不動産投資の投資リターンにそれほど影響を与えないという事実があります。

それは減価償却が終わった以降は税引き後キャッシュフローが急減する一方純資産の増加ベースが上がるからです。

このことを理解していればキャッシュフローが減少したとしても健全で理想的な不動産投資の姿に近づいていると考えられるので、キャッシュフローが減少しただけで儲からなくなったと考えるのは早計だと気付くことができます。

 

おわりに

不動産投資の利益とは

  • 今すぐ得られる賃料からのキャッシュフロー
  • 将来の売却時に現金化される含み益

の二つに分かれています。

長期保有でキャッシュフローが減ったとしても純資産は順調に増えているのにキャッシュフローが出なくなったというだけなのです。

そういう時には物件を売却すること以外にもローンの組み換えなどによって現金を調達して長期保有を続けるという方法も考えられます。

不動産投資の目的を純資産を増やすことにフォーカスするとすっきり考えられると思います。

仮にキャッシュフローが出なくなっても借入金の返済を続け純資産が増えてくればその後の自由度が増すのが不動産投資の醍醐味とも言えます。

なぜなら収益物件からキャッシュフローが出なくなっても金融機関からの追加借り入れにより運転資金を確保することもできるからです。

賃料収入から得られるキャッシュフローでも銀行借り入れなど財務活動によるキャッシュフローで手元に自由に使える現金が増加して経営や生活が安定することに変わりはありません。

そのため賃料から得られるキャッシュフローばかりにとらわれずいかに純資産を増加させるかに着目することが不動産投資の利益の考え方として重要なのです。

純資産の蓄積は多くの場合何らかの方法で現金化することができるからです。

 

追伸:売却時に購入時より大幅に価格が下がるようなら出口戦略としては失敗です

売却時に購入時より大幅に価格が下がってしまう理由としては下記の3つが考えられます。

  1. 購入時に相場よりも高く高掴みしてしまった。
  2. 売却時にエリアの相場が崩れてしまい安く売らざるを得なくなってしまった。
  3. 1と2の両方。

3になると大ダメージを被るので注意しましょう。

購入時に変な物件を高掴みさせられてしまうとトータルでの利益は難しくなるということが理解頂けると思います。

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