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認知症になってからでは手遅れ!不動産投資で『家族信託』を使いこなす5つのポイントと成年後見制度との違い

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認知症になってからでは手遅れ!不動産投資で『家族信託』を使いこなす5つのポイントと成年後見制度との違い

不動産投資を個人で行っていて自分自身が万が一認知症痴呆症などになったときのことを想像したことがあるでしょうか?

法人ではなく個人で不動産投資を行っている人がある日突然に認知症や痴呆症にかかってしまった場合には、その後の収益物件の管理や運営は悲惨なことになってしまいます。

また例えば自分の所有している収益物件を売りに出していて数ヶ月間の募集の末ようやく不動産屋さんが買主を見つけてきたとします。

そして売買契約を結びましたが、売買契約から引き渡しまでの1ヶ月ほどの間に売主が認知症にかかってしまった場合は、その収益物件は決済して引き渡すことができなくなってしまうのです。

このような不動産の売買契約以外にも

  • 入居者との賃貸契約
  • 収益物件のリフォームの発注

などもできなくなる可能性があります。

これは決して他人事ではなく近い将来に自分自身にも十分起こり得る可能性がある重要な問題だと捉える必要があります。

不動産投資を事業として考えた場合に大きなリスクと考え自身で判断ができるうちに十分なリスク対策を講じておくことが必要なのです。

この記事では、不動産投資で『家族信託』を使いこなす5つのポイントと成年後見制度との違いについてご紹介します。




目次

認知症になってからでは手遅れ!不動産投資で『家族信託』を使いこなす5つのポイントと成年後見制度との違い

決して他人事ではない!65歳以上の約1割が認知症になる時代

厚生労働省のデータによると要介護認定申請を行なっている認知症患者数は、平成22年で280万人、平成27年現在で345万人まで急激に増加しており、これは65歳以上のおよそ1割が認知症という計算になっています。

そして今後はさらに認知症患者が高齢化に伴って増え続けると予想されており2024年には470万人にまで増加すると予想されています。

この数字は、65歳以上のおよそ13%が認知症という深刻な状況を示唆しているのです。

つまり、今あなた自身が健康だからと言って将来もずっと大丈夫だとは誰も言い切れないのです。

だからこそ不動産投資を行っている高齢者の方は、できる限り早いうちから将来の財産管理対策、そして相続対策が絶対的に必要なのです。

その時に必要なのが新しい形の財産管理としての『家族信託』だと言われています。

『家族信託』をあまり聞き慣れないなという人も多いのではないでしょうか?

急速な高齢化が進む日本においてこの家族信託が今徐々にその注目を集め始めています。

これまで認知症対策や相続対策としては、主に『成年後見制度』が活用されてきました。

しかしこの制度はあくまで認知症である本人に代わって成年後見人が財産を管理するという方法です。

家族が後見人に選任された場合についても家庭裁判所の厳しい監督を受けることとなります。

そのため最低限の管理行為や保存行為については問題ありませんが成年後見人が資産を売却処分することは事実上認められません。

この成年後見人制度の問題点を解決してくれるのが『家族信託』だと言われています。

すなわち、成年後見制度を利用するのではなく家族に本人の財産の運用を託すことで財産管理の主体が本人から家族に移るため、信託を受けた家族は家庭裁判所の監督を受けることなく自由に財産を運用することができるのです。

ですから万が一本人が認知症になったとしても、賃貸管理は信託を受けた家族が主体となって行なうことができるため何ら心配することはありません。

つまり家族信託を活用すれば信託を受けた家族独自の権限によって本人が認知症になった後についても継続的に財産管理ができるということです。

 

『家族信託』を使いこなす5つのポイント

不動産投資は年々高齢化していて認知症などの問題が最近どんどん大きくなっています。

法人所有者は別ですが個人所有者が認知症を発症してしまうとその方がもっている不動産は売却が困難になるケースが大半です。

本当は賃貸契約行為もできなくなりますが実態上はご子息の了解を得て賃貸契約を行っているケースが大半ですがこれも厳密にいえばアウトです。

そのため個人所有の収益物件はある程度の年齢になるまでに基本的に手放すか法人へ移転するという不動産投資家が増えています。

個人経営者は、自分の代で整理する段取りをつけていない限り、承継・相続される人に向けて自ら準備しなければなりません。

自身が認知症や痴呆症になると想像したくはないでしょうが、そうなった時のために不動産投資家=経営者ですから自らきちんと準備しておく必要があるということです。

『家族信託』を使えば将来の認知症などへのリスクや相続対策などを適切に行なうことができますが、家族信託の効果をより高めるためには5つのポイントを押さえておく必要があります。

 

家族信託を使いこなすポイント①:家族が納得できる信託にする

信託契約は、本人の希望通りに財産を信託し管理する方法を予め指定できるところが大きなメリットです。

しかしだからと言ってすべて本人の好き勝手に信託の仕組みをつくってしまっては家族からの同意が得られないばかりか、かえってトラブルを誘発してしまう恐れもあります。

特に自分自身の死後の法定相続人予定者が複数いる場合については、それら全員の利益均衡を予め考慮した不公平感のできるだけ少ない家族信託を設計する必要があります。

例えば長男を受託者として信託設計して最終的な信託終了時点において信託していた収益物件を長男に帰属させるのであれば、その分次男には別の収益物件を信託したり、または別途現金や不動産を準備してそれを遺言書によって次男に相続させるなどの配慮が必要となります。

このように収益物件という非常に財産価値の高いものを信託する場合は予め残りの家族の利益バランスも考慮した信託設計をするよう心がけることがポイントです。

 

家族信託を使いこなすポイント②:受託者の監督機能『信託監督人』を置く

家族信託は家族を信頼できるからこそ可能な財産管理方法です。

しかしそれだけでは家族信託の正常な実施を完全に担保できるとは言い切れません。

信頼して任せているからこそちょっとでも報告が遅れたり腑に落ちない点などが出てくると、そのとたんに疑心暗鬼になってしまったり、そのせいでせっかくの良好な家族関係がぎくしゃくしてしまう恐れもあります。

そのため家族信託を利用して収益物件を信託する場合は、信託契約の際に『信託監督人』に関する定めを予め盛り込むことが必要です。

これは委託者や受益者のためだけではなく信託を任される受託者のためでもあります。

『信託監督人』を置くことで委託者や受益者はより安心することができますし何よりも家族を疑う必要がなくなるというメリットがあります。

また受託者にとっても信託監督人の監督機能が働くことによってより正しい信託行為が可能となると同時に妙な疑いを委託者や受益者からかけられることもなくなります。

このように信託監督人を定めるということは受託者を信用できるできないといった問題ではなく、今後の家族関係を良好なまま維持していくための一つの予備的対策として実施する必要があるといえるでしょう。

なお信託監督人は家族内で指定しても構いませんができれば弁護士や司法書士など外部の専門家に依頼するとより適切なチェック機能が働くでしょう。

 

家族信託を使いこなすポイント③:予備的受託者の設定

家族信託は受託者に対する信頼関係で成り立っている仕組みのため、仮に信託中に受託者が死亡した場合はそこで受託者の業務は終了し受託者という地位は受託者の法定相続人には承継されません。

そのため収益物件を信託している場合は万が一受託者が死亡してしまうとそこで管理や運営がストップしてしまう恐れがあります。

また死亡以外にも受託者が次のような状況に陥った場合は信託が終了してしまいます。

  • 受託者が破産手続開始の決定を受けた時
  • 受託者が成年被後見人又は被保佐人になった時
  • 法人が受託者の場合で、合併以外の理由によって解散した時
  • 受託者が自ら辞任したり解任された場合

そのため収益物件を信託契約するときは事前に受託者にもしものことがあった際の予備として『二次受託者』を予め設定しておくとより安心できます。

万が一二次受託者の定めが無い場合は委託者と受益者の合意によって、また委託者がいない場合は受益者が単独で新たな受託者を選任することが可能です。

 

家族信託を使いこなすポイント④:成年後見制度との併用

家族信託はあくまで信託財産の管理運用が目的であり認知症などによって判断能力が不十分となった本人自体の包括的な保護まではカバーできません。

例えば収益物件を信託しておけば収益物件の運営自体に支障はありませんが、それ以外の介護施設への入所契約などの身上監護については別途家庭裁判所に対して成年後見の申立てを行う必要があります。

このように財産管理と本人の身上監護は分けて考えて家族信託と成年後見制度を上手に併用することがより家族信託の効果を高めることとなると言えるのです。

 

家族信託を使いこなすポイント⑤:信託の期間を必要以上に長くしない

信託のメリットは遺言書とは違い二次相続以降の受益権の移転先まで予め設定できることにあります。

しかしながらあまりにも先のことまで設定してしまうと、現実の流れとのギャップが生まれる可能性もあるためあまりお勧めはできません。

特に収益物件などの不動産の場合は近隣地域の開発などの影響を受ける可能性もあるため、あまり先のことまで決めると将来的に不都合が生じる恐れがあります。

信託期間は30年先まで設定が可能です。

しかし事実上はそこまで先の未来を現段階で指定することはただ選択肢の幅を狭めてしまうだけですので、長くても二次相続までの設定にとどめ後はその時点で信託を終了させる方が良いと思われます。

 

高齢者が新築収益物件を建築する際に『家族信託』を有効利用するメリット事例

高齢の資産家が相続対策として新築アパートを建設する場合があります。

このようなケースでは家族信託を使って保険を掛けておくと最後まで安心です。

家族信託の利用価値が高い理由は大きく分けると次の2点です。

  1. 将来の認知症などのリスクに備えて事前に対策ができる
  2. 自分に万が一のことがあった際に「誰に」「何を」してほしいのかを明確にできる

この2つのメリットが大きく活かされるケースとして高齢者の新築アパート建設があります。

そしてこの対策をしていないと銀行や建設業者に多大な迷惑をかけることになります。

昨今では認知症患者の人数は全国的に見ても増加傾向にあり高齢のご家族をお持ちのご家庭にとっては本当にいつ認知症を発症してもおかしくないという現実があります。

そしてこの認知症リスクは普段の買い物などその場で完結するような契約事については問題ありませんが長期的なスパンで行なうような契約手続きについては注意が必要になってきます。

『高齢者の父がハウスメーカーからの勧めもあり古くなった自宅を取り壊して住居兼用アパートの建築を思い立ちました。

この時点ではだれもお父さんが認知症になるとは疑いもしませんでした。

新築アパートの建築工事は着々と進み古くなった自宅は取り壊され新築アパートの建築確認も無事におり建物の建築も着々と進みました。

お父さんは引き渡しに向けて銀行とローン契約をする予定でした。

しかしここでなんとお父さんに認知症が発覚!したのです。

お父さんの認知症の進行は思いのほか早く、あっという間にまともに話もできないような状態になってしまいました・・・』

このようなことは本当に実際に発生しうる話です。

このケースでは建築請負契約当時にはお父さんに正常な判断能力があったのですが、その後引き渡しまでの間に発症した認知症によってその後のローン契約などが不能になってしまい、その結果として新築アパートの建築がストップします。

このような事態を回避するためにもやはり家族信託を活用できれば安心なのです。

上記事例の際には下記のように具体的に家族信託のスキームが活用できることになります。

  1. お父さんが委託者となって自宅の土地と新築するアパートを長男に信託する
  2. 長男は信託契約の内容に則り新築アパート建設に関する一切の行為を受託者としての権限において行なう
  3. 信託の終了事由をお父さんの死亡としお父さん死亡の際には信託が終了し信託財産であるアパートは長男に帰属する

このような家族信託のスキームを予め組んでおけば万が一途中でお父さんが認知症になったとしても受託者である長男が滞りなく手続きを進めることが可能となります。

そしてこのように予め想定されうるリスクに備えて家族信託を利用する場合は、予め取引に関係してくるローン先の金融機関や建築請負会社に対して事前に家族信託を利用する旨を話して理解を得て根回しをしておくことスムーズに進みやすいといえます。

 

家族信託できる財産と家族信託できない財産

家族信託はどんな財産でも信託できるわけではありません。

世の中には

  • 信託できる財産
  • 信託できない財産

があります。

では信託可能な財産とはどのような財産が該当するのでしょうか?

委託者が受託者に信託できる財産については、次の要件すべてに該当する必要があります。

 

信託できる財産①:金銭的価値に見積もることができるもの

お金に換算して計算することができる財産のことをいい、例えば現金、不動産、有価証券、骨董品など価値のあるものなどあらゆるものが含まれます。

さらに人にお金を請求できる債権もこれに含まれます。

例えば売買代金などの売掛金債権や、お金を貸した場合の貸金債権などがこれにあたります。

なお2004年に信託業法が改正され著作権や商標権などのいわゆる知的財産権についても信託できるようになりました。

 

信託できる財産②:プラスの財産である

財産は大きく分けてプラスの財産とマイナスの財産に分けられます。

プラスの財産とは先ほど言ったような現金、不動産、有価証券など持っていてプラスになる財産のことを言います。

これに対しマイナスの財産とは一言で言うと借金のことです。

借金は信託することができません。

 

信託できる財産③:委託者の財産から分離できる

信託するということは受託者に信じて預けることですから委託者本人から分離できる財産であることが前提となります。

不動産投資家にとっては、不動産、現金、有価証券などが信託の候補になってきます。

 

借入残のある収益物件を家族信託する場合はどうするのか?

これに対し信託できない財産とは、次のうちどれか一つにでも該当する財産のことを言います。

 

信託できない財産:金銭的価値に見積もることができないもの

  • 借金などマイナスの財産である
  • 委託者の財産から分離できない

分離できない財産とはちょっと難しいニュアンスなのですが具体的に言うと委託者本人の命や体さらには名誉といったものがこれに該当します。

不動産の場合は多くは借金していますので借入を信託できないとなると不都合が発生することになります。

いくら受託者に不動産の売買まで任せても売却時に不動産に抵当が入っていますのでこれをクリアしないといけません。

 

どうしても借金を信託したい場合の対処法

通常、信託したい財産というものはもともとプラスの財産であることが多いのですが場合によってはマイナスの財産を信託したいという状況が発生します。

収益不動産・自宅は信託対象財産ですから家族に信託することが可能です。

ただ不動産を購入する際は銀行からローンを組んで購入しています。

自宅であれば住宅ローン、収益物件であればアパートローンなどを利用して不動産を取得していると思います。

この際に先ほどの原則に則ると、不動産は信託することができますが不動産を買うためにつくった借金はそのまま委託者の手元に残ることになってしまい、抵当権が設定されている担保権付不動産の性質上非常に不便な状況が生まれてしまいます。

このような状況を解決する方法としては信託ではなく債務引受けという手法を使うことになります。

つまり

  • 不動産については信託財産として信託
  • それに係るローンなどの借金部分については受託者が債務引受けをする

ことで事実上プラスの財産とそれに係るマイナスの財産の双方を受託者に管理させることができるのです。

債務引受けには次の2つの種類があります。

  1. 免責的債務引受け・・・債務引受けによって当初の債務者が債務から免れる債務引受けのことを言います。
  2. 併存的債務引受け・・・債務引受けを行なった後についても引き続き当初の債務者も債務を負う債務引受けのことを言います。

免責的債務引受けの場合はお金を融資している債権者側にも影響があるため、債務引受けが成立するためには債権者の同意または合意が必要となります。

これに対し併存的債務引受けは引き続き原債務者も責任を負い続けることになり、債権者の利害を損なうことがないため債権者側の同意がなくとも債務引受けは成立します。

不動産投資の場合は併存的債務引き受けで委託者の債務をそのまま引き継ぐ方法をとります。

とはいえ銀行は信託受益権化することを手間として嫌がるため、実質的には富裕層向けしか対応していないのが実態です。

そのため家族信託が銀行から拒否された場合は任意後見制度の採用を検討しないといけません。

 

家族信託と後見制度の違いとは?

将来的な資産管理の方法としては家族信託の他にも成年後見制度を利用するという選択肢もありますが、この両者は具体的にどのような点にその違いがあるのでしょうか?

また不動産投資家にとってはどちらの制度のほうがより効果的なのでしょうか?

それぞれの制度の目的を考えるとその違いが分かりやすいと思います。

そもそも家族信託と成年後見制度はその効果については似通っている部分がありますが制度の目的自体が少し違います。

家族信託の目的は財産の管理運用です。

自分自身の財産を信頼できる家族にその管理を託したり、自分の死亡後の資産承継のために利用するのが主たる目的です。

これに対し成年後見制度の目的は認知症高齢者や知的障害、精神障害などがある方の保護と支援を目的としています。

まずは制度の目的自体に両者の根本的に大きな違いがあるのです。

このことをまずはよく理解して念頭に置いた上でそれぞれの制度の違いについて見ていくと非常に理解しやすくなります。

 

家族信託と成年後見制度の違い①:権限の違い

家族信託によって財産を管理する受託者と成年後見制度によって財産を管理する成年後見人、この両者の役割は制度の仕組み上非常に良く似ていますが大きく異なる点があります。

それはそれぞれの持つ権限です。

家族信託の受託者は信託契約の内容に沿って財産を管理し運用しそして処分する権限を有しています。

すなわち事前に信託契約の内容に盛り込んでおけば別段の制限が伴うことは原則としてありません。

これに対し成年後見人は同じように成年被後見人の財産を管理する権限を有していますが運用したり処分したりすることは困難を極めます。

それはなぜなのでしょうか?

家族信託の主たる目的は財産の管理運用です。

仮に信託財産が収益物件だったとすれば

  • 信託契約の内容さえ守れば賃貸物件の家賃の変更
  • 建物の建て直し
  • 賃貸物件の売却

これらを受託者の権限において行なうことが可能です。

しかし成年後見制度の主たる目的は本人の保護と支援です。

ということは原則として本人の利益にならない資産運用はできないという事になります。

そして本人の利益になるかどうかという判断は、最終的には家庭裁判所が監督することになります。

すると事実上収益物件などを本人が所有している場合は、成年後見人が売却して現金化したいと思っても家庭裁判所の許可が必要となるのです。

つまり成年後見制度とは本人の財産の保護が目的であるためそれを成年後見人の判断で運用したり処分したりすることは原則としてできない制度なのです。

 

家族信託と成年後見制度の違い②:本人の保護に関する違い

成年後見制度は判断能力が不十分となった人の財産を保護するための制度です。

仮に成年被後見人がセールスマンに騙されて高額な物品を押し売りされたとします。

この場合、成年後見制度を利用していれば本人が契約書にハンコを押して誤って契約をしてしまったとしてもその契約は成年後見人があとから一言そのセールスマンに「取り消します」と言えば無条件に契約を取り消して本人を保護することができます。

これに対し家族信託の場合は信託財産の管理を家族に任せているだけですから、それ以外の法律行為については一般の方と変わらぬ権利と義務を負っています。

そのため上記のようなケースが発生した場合、いちいち民法上の錯誤無効や詐欺、強迫などの主張立証をしなければ、契約を取り消したり無効にすることができなくなるというリスクがあります。

このように本人の保護という観点に関しては、やはり成年後見制度でなければ完全に守ることはできないのです。

 

家族信託と成年後見制度の違い③:相続に関する違い

家族信託を使えば予め信託契約の内容に盛り込んでおけば、自分の財産を自由な意思によって家族に割り振ることができます。

これに対し成年後見制度の場合はすでに本人の判断能力が不十分になってからの手続きのため、相続対策として遺言書を作成して遺産分割を指定したり相続税対策のために生前贈与するといったことはできなくなります。

このように細かく見ていくとこの2つの制度は似ているようで本質的な部分が全く違います。

この2つの制度を賃貸経営者の視点から考えた場合は家族信託の方がより多くのメリットがあると言えます。

不動産という財産は、運用方法にさまざまな選択肢がある点が強みでもあります。

仮に成年後見制度を利用してしまうと現状維持のような管理しかできなくなるのに対し、家族信託であれば将来の相続まで見越して事前に売却することも可能になります。

賃貸物件の運用面について家庭裁判所の監督を受けず信託契約の範囲内において家族が任意に扱うことができる家族信託は、賃貸物件を保有するご家庭においては非常にメリットの大きな制度なのです。

 



まとめ

  • 家族信託を事前に行っておくことでもし万が一不動産の所有者が認知症になって判断能力がなくなってしまっても受託者が売却等の処分を行うことができる。
  • 成年後見人は事後の管理となり売却等の処分を行う際には裁判所の許可が必要になる。
  • 信託の場合で注意することはマイナスの財産である借金は信託できないため借入残のある不動産を信託する際には借入金と切り離して信託することになる。
  • 借入金と切り離して信託する際には債権者である銀行の許可が必要なため勝手に信託を行うことはできないためそういう場合は成年後見も検討する。



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