投資戦略理論

良い収益物件を紹介する不動産会社が自らその物件を買わない理由

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良い収益物件を紹介する不動産会社が自らその物件を買わない理由

会社員投資家に収益物件情報を持ってきてくれるのは不動産仲介会社がほとんどです。

彼らが良い物件だというならなぜその不動産会社が先に買わないのでしょうか?

不動産会社が収益物件を買って賃貸業をしないのには実はちゃんとした理由があります。

この記事では、良い収益物件を紹介する不動産会社が自らその物件を買わない理由をご紹介します。


収益物件を購入しても転売するケースが多い

不動産仲介会社の中には、自社で収益物件を買っている会社も多数存在します。

しかし、長期保有と短期保有に分かれていて、自社で優良な収益物件を長期保有するケースもありますが、転売するために一時的に購入することのほうが圧倒的に多いといえます。

例えば、市場価格が5000万円の物件を、不動産会社は4000万円などで安く仕入れ、300万円かけてリフォームを行い、ひと手間かけた物件を4800万円などで売り出すのです。

この価格でも市場価格の5000万円よりは安いので、買いたいと考える人はおそらく出てくるでしょう。

物件購入時にかかる不動産取得税などを考慮しても、400万円くらいは粗利が出ることになります。

このようなリフォーム予定の物件を4800万円で買う顧客をあらかじめ見つけておき、自社で購入してから即日売り渡す中間省略のスキームを使えば、所有権の登記の移転を基の売主から自社に移す必要もありません。

そうすると不動産取得税もかからないので、さらに利益額は増えることになります。

このように不動産会社が収益物件を買って売主になることにより、手間はかかりますが、仲介した場合に得られる仲介手数料よりも多くの粗利を得られるというわけです。

 

不動産会社が自分で買わない理由

不動産会社が売主となっている取引は、収益物件の取引全体からするとごく一部です。

不動産会社が仲介を行うケースのほうが数としては圧倒的に多いからです。

不動産会社が仲介や短期間での転売ばかりを行い、一般投資家のように物件を長期保有しないのはなぜかというと、仲介や短期転売のほうか不動産会社にとっては資金効率が良いからです。

 

具体的な事例

築20年で価格が5000万円のRC、利回り10%の収益物件があったとします。

立地が良ければ悪くない物件です。

この収益物件のキャッシュフロー(税引き前利益)が年間100万円だとします。

ちなみに仲介した場合の仲介手数料は約170万円です。

保有していれば毎年利益として100万円が手元に残る物件なので、仲介手数料として一時的に170万円を得るよりも得だと考えられます。

実際にその通りなのですが、不動産会社が抱えている事情を考えると仲介せざるを得ない一面があるのです。

自社でこの収益物件を買って保有していれば、年間100万円の利益は確かに得られるのですが、物件からの収入のほとんどは家賃収入なので、100万円が毎月12分割されて入ってくることになります。

物件を自社保有すると資金の回収が非常に遅くなるということです。この時間差は決して無視できません。

反対に、物件を仲介して仲介手数料として取る場合は、決済が終わった段階で170万円が入ってきます。

不動産仲介会社の事業は、社員に払う給料や事務所費用などの固定費が必要です。

社員一人当たりで考えると、最低でも50万円以上毎月売上がないと赤字になってしまう仕組みなのです。

まとめ

不動産仲介会社は営業社員の給料や事務所の家賃などの固定費がかかるビジネスモデルなので、自社保有して家賃収入を得るという選択肢があったとしても、毎月たくさん物件を成約させて、仲介手数料を積み上げるほうが安定した経営が可能になります。

なので、不動産会社は決して自分たちが買わない収益物件だけを会社員投資家に紹介しているわけではないのです。

収益が上がる良い収益物件があっても、物件の仕入れや顧客開拓に注力したほうが経営が安定するという理由から、仲介業務に徹している不動産会社が多く存在しているということです。

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