任意売却

任意売却で認められる代表的な諸費用16項目の範囲

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任意売却で認められる代表的な諸費用16項目の範囲

任意売却を進める際にかかる諸費用はどこまで認められるのでしょうか?

任意売却を進めるにあたってはさまざまな諸費用が発生します。

仲介手数料や抹消費用などのように常に認められる諸費用もあれば、引越し費用やゴミなどの撤去費用などケースバイケースで認められる可能性がある諸費用もあります。

この記事では、任意売却で認められる代表的な諸費用16項目の範囲についてご紹介します。

任意売却で認められる代表的な諸費用16項目の範囲

1.建物取壊費用

建物が古い場合など、建物を取り壊して更地にしたほうが高く売却できるケースがあります。

任意売却の場合は売主には建物取壊費用を負担する余裕がないので、その費用を売却代金から控除することがあります。

費用として認められるには、債権者の了解はもちろん、複数の解体業者から見積もりを取り寄せてできるだけ控除する費用を少なくする工夫が必要となります。

 

2.引越費用

やがて買受人が現れて担保物件の所有権が移転すると、元の所有者は立ち退かなくてはならないことになります。

当然引越しをしなければならないのですが、引越し費用すら工面できないという状況の場合もあります。

債権者側の視点で見ると、ただでさえ借金を踏み倒しているのに『泥棒に追い銭』といった感は否めません。

しかし任意売却の実務では、スムーズに任意売却を成立させるためにある程度の常識的な範囲内で引越し代を認めるケースがよくあります。

常識的な範囲内とはだいたい10万円〜50万円程度です。

また任意売却を進めるための説得の材料として、引越し費用を出す旨を売主に持ちかけるケースもあります。

引越費用を出すことで競売と比べて早期に相応な回収を図ることができるのであれば、やむを得ない費用だといえるのではないでしょうか。

金額の大小はありますが、配分案に含めて必要経費として認められることが多いです。

 

3.測量費用

物件売買にあたって買主が境界明示を条件とするなどで測量が必要な場合には、それを費用として見る場合があります。

任意売却は基本的に公簿売買なので、買主が測量を希望する場合は買主負担が原則であると考えます。

しかし円滑な取引上必要であればケースバイケースで対応することが大切になります。

 

4.不動産仲介手数料

宅地建物取引業者が受け取ることのできる報酬額は、国土交通省の規定で定められています。

一般的な速算式は、

◯約定報酬額=(成約本体価額×3%+6万円)×1.08 (400万円を超える取引)

となります。

不動産取引に必要な費用であるため、配分案に含めて諸費用として認められます。

 

5.抹消費用・司法書士手数料

担保権の抹消費用は、一般的に売主側が負担するべきものです。

この費用も配分案に含めて諸費用として控除が認められます。

具体的には、

  • 売渡証書作成費用
  • 担保権等抹消費用
  • 住所変更・商号変更等の変更登記費用
  • 相続登記費用
  • 保証書作成費用

などがあげられます。

 

6.不動産鑑定費用

担保評価を大きく割り込むなど、裁判所の許可が必要となる場合にはどうしても不動産鑑定士の鑑定評価を取る必要があります。

その場合の鑑定は簡易の鑑定で十分であり、その費用は交渉により5万円〜30万円程度が目安となります。

不動産鑑定士費用が認められるかどうかはケースバイケースです。

不動産鑑定料は基準額が決まっていますが、正規の報酬となると比較的高額になります。

任意売却で用いる鑑定評価書は簡易の鑑定で十分なため、事前に鑑定費用をできるだけ低く抑えることができるように打ち合わせしておくとスムーズです。

実際に依頼する段階では、手元にある謄本・公図・建物図面などの資料・データを揃えて提供することにより、安く早く評価をしてもらえることがあります。

また鑑定を依頼することで、思いもよらない物件の瑕疵が浮き彫りになることもあります。

参考までに競売想定価格なども出してもらえると、任意売却の判断の一助となります。

 

7.契約書印紙代

売主側の契約書に貼付する印紙代を費用として見てもらえることもケースバイケースであります。

印紙代は小学ですので費用として認める金融機関も多いですが、住宅金融支援機構が主導する任意売却においては印紙代は費用としては認められないことになっているので注意が必要です。

ちなみに不動産を売買する際には売買契約書を取り交わし、その契約書には必ず印紙を貼って消印する必要があります。

印紙税とは契約書などの課税文書を作成する者が、規定の収入印紙を貼って消印することにより納める税金のことです。

不動産の売買契約書は課税文書ですので、所定の印紙を貼り消印しなければ脱税となります。

なお、印紙のデザインは変更があるので、税務調査が入ってから慌てて印紙を貼っても調査官には簡単に見破られてしまいます。

契約時に所定の印紙を貼って消印しておいたほうが賢明です。

 

8.破産財団組入金

破産財団への組入金には決まった額や割合があるわけではありませんが、金融機関主導で行った任意売却であれば売買代金の3〜5%程度が基本になると考えられます。

しかしながら、売却代金の10%を破産財団として組入すべきと主張する破産管財人もいないわけではありません。

破産管財人の関与度合いを考慮しながら粘り強く交渉して、話し合いによる円満な妥結を図るように努力することが大切になります。

ちなみに破産財団への組入金は法律の条文に明文化されているわけではありません。

しかし破産管財人による担保不動産の任意売却は、弁護士と裁判所が関与する手続きであり、社会的公平性があるだけでなく安心感もあります。

また破産管財人自ら購入希望者を探してきたり、不法占拠者の排除を行ったりするケースでは、それらの手数料の意味合いもあります。

任意売却の実務では、破産財団にいくらかの金員を組み入れること自体は広く一般化していて社会的妥当性もあると考えられています。

破産財団への組入金は最終的には債権者への配当の貴重な原資となるからです。

もっとも、破産財団組入は債権相互の原則的な優先順位のルールを変更するものであるので、あまり認めるべきではないという考え方もあります。

 

9.民事再生協力金

民事再生での任意売却においては、民事再生協力金を要求されることが多くなっています。

破産財団組入金に準じた考え方からきていると思われますが、債権者としてはすんなりとはいどうぞとは言い難い費用でもあります。

債権者の立場を考慮して、民事再生協力金は必要ありませんという債務者や民事再生申立代理人弁護士もいますが、なかには堂々と売却価格の10%の民事再生協力金を要求してくる債務者もいます。

本来であれば突っぱねたいところですが、担保不動産の売却を了解してもらわないと債権者は回収できないので、常識的な範囲内でぎりぎりの交渉をしながら、しぶしぶ民事再生協力金への拠出を認める債権者もいます。

その場合の民事再生協力金の目安はだいたい1%〜5%です。

 

10.会社更生協力金

会社更生手続において、更生担保権のうちいわゆる処分連動方式で処分される更生担保不動産の売却には、その関与度合いに応じて売却価格の3%〜15%程度の範囲内で協力金として厚生会社が取得するよう要求してきます。

破産や民事再生では裁判所の指導と称して10%と要求してくる破産管財人や債務者、代理人弁護士がいますが、会社更生ではさらにそれを上回る15%程度を要求するケースも見られます。

その理由としては、厚生会社の所有する担保不動産においては、厚生会社の有する豊富なノウハウや技術が駆使されており、多額の付加価値を生み出しているものだから、担保不動産の売買価格から一定の適正金額を拠出してもらうことは合理的であり当然だという理屈です。

理屈はともかくとして、会社更生の協力金は債権者としてはやはり納得がいかない費用ということになります。

厚生会社と更生管財人の言いなりにならないように、協力金を認める場合では功利的だと判断でき債権者として納得できる水準の額になるまで徹底的に交渉するべきです。

会社更生であっても民事再生と同じく1%〜5%が妥当な範囲だと考えられます。

 

11.ゴミなどの撤去費用

処分する担保物件内に粗大ゴミなどが散乱しているケースなどがあります。

程度にもよりますがゴミの撤去費用についても、やむを得ない場合は10〜30万円を目安に費用として拠出する場合もあります。

 

12.立退料

賃借人や占有者がいる案件で、どうしても任意売却をしたい場合に、立退料が発生するケースがあります。

一般的に言われている立退き料の相場は、賃料月額の6ヶ月程度ですが、立退き料にインセンティブを与えて円滑な任意売却を進めるために拠出する場合もあります。

しかし、こうした立退き料に関しては、場合によっては買主の負担とするなどし、売主が支払わざるを得ない場合でも最低限の拠出にとどめるべきであり、安易に支払うことは避けなければなりません。

悪質な占有者に対しては、債権者が自ら折衝することはできるだけ避けた方がいいといえます。

もし立ち退き交渉を行うのであれば、担保物件の所有者や仲介不動産業者や破産管財人弁護士などのプロが行います。

 

13.土壌汚染調査費用

平成15年2月より土壌汚染対策法が施行されたことに伴って、担保物件の任意売却の実務でも『土壌汚染調査費用』という名目の費用控除がたびたび申請されるようになってきています。

費用の拠出にあたっては、信用できる業者の見積書を添付してもらうなど、本当に必要なのかどうかを慎重に検討することが望ましいといえます。

 

14.保証金や敷金の返戻金

任意売却では、保証金や敷金は一般的に物件の買受人に引き継がれるというケースが圧倒的に多いと思います。

保証金や敷金が物件の買受人に引き継がなければならないとすれば、買受人の側からはその分の額を売却代金から差し引くのが購入の条件と主張くるのも当然です。

保証金や敷金の返戻分については、最終的な担保権者の取り分が妥当になるのであれば、諸費用として見ても差し支えないと考えてもよい部分です。

 

15.固定資産税精算金

物件所有者が滞納している固定資産税を売却代金から支払うということも任意売却ではあります。

このような精算金についても、やはり最終的な銀行の取り分を検討するプロセスで、早期売却のメリット等も考慮しながら、諸費用として認められる場合もあります。

 

16.マンション管理費・修繕積立金

マンションの管理費や修繕積立金に関しては、任意売却の諸費用として売買代金の中から拠出して支払われるケースが多いです。

まとめ

任意売却においてはさまざまな費用が発生しますが、費用に関してはその妥当性を検討してできるだけ安く済ませるようにして、回収額をアップさせることが必要となります。

また、任意売却における費用の合計が担保不動産の売却価格の10%を超えている場合は注意して費用を見直すとよいでしょう。

経験上ですが通常認められない費用がまぎれこんでいるケースが多いからです。

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