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火災保険加入時の保険価額と保険金額の効果的な設定方法

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保険価額『時価/新価(再調達価額)』と保険金額の重要な違いを知る

火災保険に加入する際に、

  • 保険価額
  • 保険金額

をいくらに設定するのかを最初に決めなくてはいけませんが、よく分からないまま保険担当者のおすすめする設定をしてしまってはいないでしょうか?

また、保険価額の評価方法には、

  • 時価
  • 新価(再調達価額)

があり、これらもきちんとした根拠と意図をもって選択すべきです。

この記事では、火災保険加入時の保険価額と保険金額の効果的な設定方法をご紹介します。

火災保険加入時の保険価額と保険金額の効果的な設定方法

保険価額の時価と新価(再調達価額)の違い

保険価額の時価と新価(再調達価額)の違いを理解すれば分かりますが、新価(再調達価額)をほとんどの場合で採用するほうが安心です。

新築の建物は、時間の経過とともに老朽化などによって価値が下がっていきますので、火災保険の契約にあたっては、建物などの保険の対象を正しく金銭に評価する必要があります。

この保険をつけた建物を金銭に評価した額を『保険価額』といいます。

また、万が一火災が発生した場合に支払われる損害保険金は、契約時に設定した『保険金額』が限度となります。

『保険金額』は『保険価額』をもとに設定しますので、保険の対象が正しく評価されず適切な『保険価額』と『保険金額』が設定されないと、損害額どおりの保険金が支払われないことになります。

したがって、十分な補償を受けるためには、

  • 保険価額
  • 保険金額

両者の関係を十分に理解して加入することが大切です。

 

保険価額が新価(再調達価額)の場合と時価の場合の補償額

新築当時に5,000万円の価値がある場合、15年後の時価は建物の経過年数とともにたとえば3,000万円等に価値が下がりますが、新価(再調達価額)では、新たに建築するのに必要な金額ですので、新築時と同じ5,000万円となります。

経過年数が進んだ状態で全焼した場合、時価では新たに建物を建設することはできないことになります。

永続的に不動産投資を続けていくことを前提にした場合、全焼しても再建築できることが望ましいといえます。

たとえば、土地・建物を一体で融資を受けて不動産投資していく場合は、時価評価の建物で補償されても、土地・建物の合計した融資が返済できない計算になることが多いからです。

 

保険価額と保険金額の設定ポイント

保険価額と保険金額のポイント

保険価額の設定ポイント

保険価額には時価と新価(再調達価額)があります。

  • 新価(再調達価額):同等のものを新たに建築あるいは購入するのに必要な金額をいいます。
  • 時価:同等のものを新たに建築あるいは購入するのに必要な金額から、『経過年数による価値の減少と使用による損耗分』を差し引いた金額のことをいいます。簡単に言い換えると、建物や家財などの現在の価値のことといえるでしょう。

 

保険金額を設定する際のポイントと考え方

保険金額を設定する際の考え方

保険金額を決める際の考え方はいろいろ考えられますが、賃貸アパートや賃貸マンションが倒壊して使用不能になるような最悪の事態を想定しても、破産しなくても済む水準で保険金額を設定しておくということが一番です。

そうすることで枕を高くして寝ることができます。

不動産投資は、収益物件を保有して数年もすると、きちんとした返済比率の物件を購入していれば、利益の出やすい投資です。

保険金額をリスクの上限まで上げると、最初の1年~2年は保険料が高いと感じるかもしれませんが、3年以上経って利益が出るようになれば、安心料で経費だと思えば、それほど高いコストではないと考えることができます。

たとえば不動産運用のプロであるREITなどは、不動産購入時にエンジニアリングレポートなどで詳しく不動産を調査し、地震による予想最大損失額(PML:Probable Maximum Loss)を算出して、その予想最大損失額において地震保険を付けたり付けなかったり、あるいは投資対象から外すなどの高度な判断をその都度行っています。

しかし、サラリーマン投資家や中小の不動産投資家は、そのような高度な調査など行えませんし、調査を行う前にすでに投資をしているはずです。

そのため、REITなどのプロの世界ではPML10%や20%というように判断をしますが、サラリーマン投資家や中小の不動産投資家は、

『建物が使用不能=家賃収入がゼロになったときに破産しないで済む保険金額』

を設定すれば間違いないことになります。

簡単にいうと、

◎建物が使用不能=建物価値がゼロ

になったときに、保険金の上限額の支払いと土地のみの売却で、借入の残債がなくなる水準を指しています。

下記では残債のある場合と無い場合のシミュレーションを行います。

ただし、建物の大きさによっては、下記火災保険や地震保険の設定ができない場合もありますので、その場合は掛けられる上限まで掛けることになります。

 

残債がある場合

土地を売却すれば、残債が完済できる水準が望ましいと考えられます。

 

残債が消える水準の保険金額

◎(火災保険金の支払い+(土地路線価×土地の㎡数))≧残債金額

残債金額から土地価格を差し引いた金額が火災保険の上限支払額となります。

例えば、1億円の不動産で土地価格5,000万円、建物価格5,000万円、残債が1億円の場合、

火災保険の保険金額=残債1億円-土地価格5,000万円=5,000万円まで掛けることになります。(地震保険は火災保険金額の1/2なので最大3,000万円)

金融資産が豊富な人は、

◎(火災保険金の支払い+(土地路線価×土地の㎡数)+金融資産)≧残債金額

でも構わないことになります。

 

さらに安心度が増す保険金額設定

さらに安心な保険金額は、地震保険の支払金額に設定することです。

◎(地震保険の支払い+(土地路線価×土地の㎡数))≧残債金額

例えば、1億円の不動産で土地価格5,000万円、建物価格5,000万円、残債が1億円の場合、

地震保険の保険金額=残債1億円-土地価格5,000万円=5,000万円まで掛けることになります。(火災保険は地震保険金額の2倍なので最大1億円)

金融資産が豊富な人は、

◎(地震保険金の支払い+(土地路線価×土地の㎡数)+金融資産)≧残債金額

でも構わないことになります。

金融資産や家賃収入以外の収入が多い人、複数棟を各地にバランスよく保有しリスク回避ができている人は、上記を参考に保険金額を落としていけば保険料を節約できます。

また、利点としては、残債は毎月減っていきますので、3年~5年単位で保険金額を見直して、適切なバランスで保険料をかけていくと、無駄を削減できます。

 

残債がない場合

残債がない場合は、正直建物がなくなり、家賃収入がなくなっても返済はないので、すぐに破綻するリスクは少なくなります。

ただし、家賃収入だけで生活していたりして、建物を建て直して事業を継続したい場合は、建物を再建築できる水準で保険金額を設定しておくと安心です。

  • おすすめ水準・・・火災保険金の支払い≧再建築費用
  • さらに安心・・・地震保険金の支払い≧再建築費用

となります。

上記は安全率を大きく取った保守的な水準だと思いますので、残債がない場合は、おすすめの水準からどの程度引き下げても大丈夫そうかは、各不動産投資家の判断になるかと思います。

判断に迷う場合は、建物の標準の評価額をベースにした保険金額をかけておくことで代用できます。要は、家賃収入がとれる建物が再建築できるかどうかがポイントだからです。

 

まとめ

  • 不動産投資では、保険価額は新価(再調達価額)を採用しておいたほうが安心といえる。万が一、全焼や倒壊した場合でも再建築が可能となるメリットがある。
  • 保険価額が時価でいい場合もある。築古建物で出口戦略を土地値売却を予定しているような場合は、どっちみち取り壊すのであれば再建築は必要ないので、保険価額は時価で足りることになるからである。
  • 不動産投資家はどのような自然災害や地震などがあっても、すぐに破綻しない事業の仕組みを作ることが重要。
  • 借入返済のある場合は、残債金額から土地価格を差し引いた保険金額がゼロ以上になるように設定する。
  • 借入返済のない場合は、建物の再建築費用より火災保険金額が上回るように設定する。
  • 紹介したのは最大値に近い保険金額の出し方なので、どこまで保険料を経費として支出して問題ないかで、保険金額も調整することになります。いくら安心でも月々のキャッシュフローが大赤字になってしまっては本末転倒であり、災害が来る前に保険料の支払い負担で破綻してしまっては元も子もなくなってしまう。

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