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日本政策金融公庫アパートローン8つの特徴と最新の融資動向

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日本政策金融公庫の投資ローン・アパートローンの8つの特徴

日本政策金融公庫の収益不動産に対する投資ローン・アパートローンがよくわかる基本的な内容と最新の融資動向をまとめています。

申込者の属性や持ち込んだ支店、時期などによってもローンの審査結果は異なってきますので、必ずこうだと言うわけではありませんが、融資の打診をする際に当たりをつけるのにお役立て頂けると幸いです。

さて、初心者がスルガ銀行以上に融資が受けやすい銀行は、実は日本政策金融公庫です。

ただし、日本政策金融公庫でフルローンまで評価が伸びる物件は少ないのも事実です。

なので自己資金がある人や他に共同担保物件がある人にはとても融資を引き出しやすい銀行になります。

この記事では、日本政策金融公庫の投資ローン・アパートローンがよくわかる8つの特徴と最新の動向をご紹介します。

日本政策金融公庫ローンの8つの特徴

政府100%出資の金融機関である日本政策金融公庫は、不動産投資に必要な収益アパート購入費用やリフォーム費用、また太陽光発電システム設置費用への融資を行っている金融機関です。

もともと民間の金融機関を補完する目的で設立されているため、与信力に乏しい中小企業や個人事業主に比較的低金利で貸し出しを行っているのが日本政策金融公庫の特徴です。

 

特徴①:融資可能エリア

融資可能エリアは広く、日本全国どこでも可能です。エリアの広さについては都銀以上だと言っても過言ではありません。融資できないエリアはほとんどないと言っていいエリア設定です。

銀行は借りる人の居住地をベースとして融資をします。そのため、居住地にあまり銀行(都銀・地銀・信金・信組など)がないと、借り入れできる銀行はかなり限られてしまいます。

そのような人にも、日本政策金融公庫の融資エリアの広さは有効です。

 

特徴②:通常の銀行との違い

日本政策金融公庫は民間の銀行ではなく、政府系の銀行です。

そのため、単に利潤を追求するだけという目的ではなく、個人零細事業者や、起業をする人、中小企業などを積極的に支援し、それらが自立して成長していってほしいという考えがあります。

また、融資における弱者救済を目的に設立されているため、弱者に対して積極的に融資をしていく姿勢があります。

日本政策金融公庫が弱者として優遇しているのが、

  • 女性・・・年齢に関係なく、女性の社会進出を積極的に支援
  • 若者・・・29歳までの若者の起業を積極的に支援
  • 高齢者・・・55歳以降の高齢者が社会で活躍するように積極的に支援

で、上記3つは積極的に支援されます。

もちろん、通常の個人事業主、起業家、中小企業にも融資をしていきます。

 

特徴③:評価方法

通常の銀行よりも厳しい評価基準を持っています。

評価自体は都銀などと同じように、積算評価と収益還元評価の2本立てではありますが、どちらも厳しい評価基準となっており、担保評価に対して厳し掛目が入ります。

見方によっては都銀より厳しいとおっしゃる人もいるくらいです。

積算評価が出ていて、かつキャッシュフローがまわる物件でないと融資が難しい側面があります。

そのため、他の銀行で通常フルローンが出るような物件でも、2割の頭金が必要になったりしますので、ある程度の自己資金が必要だともいえます。

日本政策金融公庫の評価で、他の銀行と異なるのは、耐用年数をあまり気にしないところです。法定耐用年数が過ぎた物件にも融資しますので、築古高利回り物件にチャレンジしたい人には向いているといえます。

逆にRC造で残存耐用年数が30年以上残っていても、融資期間としては最大15~20年というように、融資期間が決められていることも、一般の銀行との違いのひとつです。

 

特徴④:融資金額の上限がある

収益不動産への貸付は4,800万円のハードルがあります。これを超えると、審査の基準が大幅に厳しくなるため、一般の人は4,800万円までの借り入れが上限だと考えたほうがいいです。

優遇されやすい、若者や女性、高齢者になると、上限が7,200万円までとなります。

一般の銀行と異なり、融資額の上限が決められているので、収益物件としては比較的小型の物件に自動的に限られてきます。

 

特徴⑤:融資期間にも上限がある

融資期間も物件の構造(RC造・鉄骨造・木造)によらず、一般の人へは10年から15年が上限となります。

優遇される若者、女性、高齢者の人でも20年が融資期間の上限となります。

融資期間と返済額は密接なため、収支をまわそうとすると、融資期間が短くてもキャッシュフローがまわる高利回りの物件が対象となります。

したがって、築浅のRC造や鉄骨造向きの銀行ではなく、築古の木造で高利回り物件を持ち込むと効果が実感できます。

スルガ銀行が木造への融資を絞ってからは、日本政策金融公庫がその面では使い勝手の良い銀行となっています。

 

特徴⑥:融資依頼書類の作成

日本政策金融公庫の融資依頼の際に作成する事業計画書などの作成が他の銀行よりハードルが高く感じられますが、政府系金融機関のため担当者に聞けばすべて教えてくれます。

不動産貸付事業の書き方になります。

注意が必要なのが支店や担当者によって収益不動産への貸付の積極性が違うことです。当然、収益不動産への融資に強い支店や担当者を見つけて融資依頼をします。

この点に関しては、一般の銀行と変わりありません。

 

特徴⑦:融資金利

共同担保がない場合で、2%中盤くらいの金利です。共同担保があると1%台でも借り入れできることが多いです。

すべて固定金利となり、この金利で10年から15年固定で借りることができるのは、日本政策金融公庫ならではといえます。

また、固定金利の返済では、一般の銀行では繰り上げ返済する際に違約金相当の手数料を取られますが、日本政策金融公庫ではそれは取られないので高利回りで早く返済していく事業収支プランがあっています。

 

特徴⑧:新設法人

新設法人でも借入可能です。

新設法人で借入できる銀行も増えていますが、信金や信組などでは、サラリーマンが保有する新設法人への融資は難色を示す場合があるため、属性の高くない人が新設法人で不動産投資を始める場合に有効な金融機関だといえます。

 

日本政策金融公庫の主な優遇制度

日本政策金融公庫は融資対象によって様々な融資制度が存在するため、次に主な優遇制度についてご紹介します。

 

女性・若者・シニア起業家資金

女性、または30歳未満か55歳以上の男性が、事業開始時と開始後7年以内に利用できる制度です。

基準金利より0.4%低い金利が適用され、融資期間は最長20年となります。

アパートの購入費用にも活用することができます。

※アパート購入時に合わせてリフォームを行う場合のみリフォーム費用にも適用可能です。
※土地取得費用は基準金利が適用されます。

 

新事業活動促進資金

現在行っている事業に新たな事業を加えて経営多角化を図ろうとする人が、新事業開始時と開始後5年以内に利用できる制度です。

基準金利より0.4%低い金利が適用され、融資期間が最長20年となります。

たとえば所有している物件の屋根に太陽光発電システムを載せ、太陽光による売電事業を開始する際などに活用することができます。

※アパート経営以外の事業を行っている人が、新たにアパート経営を開始する場合にも適用できます。その場合、土地取得費用には基準金利が適用されます。

 

創業支援貸付利率特例制度

新たに事業を始める人と、事業を開始して1年以内の人が利用できる制度です。

この制度の特徴は上記2つの制度と併用することが可能な点にあります。

併用することで最大で基準金利より0.6%低い金利で融資を受けることが可能です。

ちなみに、『女性・若者・シニア起業家資金』と『新事業活動促進資金』は併用できません。

 

普通貸付

上記の制度を利用できない人でも、普通貸付で日本政策金融公庫から融資を受けることが可能です。

金利は基準金利が適用され融資期間は最長10年となります。

アパート購入費用・リフォーム費用に利用することができます。

 

環境・エネルギー対策資金

太陽光発電システムのような非化石エネルギー設備や省エネルギー効果の高い設備を導入する人、または環境対策の促進を図る人が利用できる制度です。

非化石エネルギー設備自体の融資期間は最長20年ですが、太陽光発電システムは最長15年になります。

 

日本政策金融公庫の融資条件概要

上記をふまえてアパート購入費用やリフォーム費用、太陽光発電設置費用で日本政策金融公庫から融資を受ける場合の、金利等の具体的な概要についてご紹介します。(実際の融資では、融資を受ける人の属性や担保物件によって条件が変動するので、ここでご紹介するのは一般的なケースです。)

 

アパート購入費用

基準金利:1.55%(制度利用で最大0.95%)
融資期間:10年(制度利用で最長20年)
融資可能金額:4800万円(制度利用で最大7200万円)
担保:必要
保証人:不要(融資条件に満たない場合は保証人を付けて補うことが可能)

制度を利用しない限り、融資期間が最大10年にしかならないため、普通貸付でアパート購入を行うのはあまり現実的ではありません。

しかし、以下の特徴があるため、利用できる人であればメリットがあります。

※制度上の融資可能金額は7200万円ですが、1棟あたりの上限額は4000万円程度となります。

 

特徴①:フルローンが可能

日本政策金融公庫には個人に対する無担保枠が2000万円あります。

そのためフルローンで融資を受けることも可能です。

たとえば、物件価格が4000万円、日本政策金融公庫の評価額が3000万円の場合、個人の無担保枠を利用してフルローンとすることが可能です。

ただし、15年を超える融資期間にする場合には、10%程度の自己資金が必要になります。

 

特徴②:木造・市街化調整区域でも融資可能

銀行のアパートローンなどで対象外になっている木造物件や市街化調整区域の物件でも融資を受けることが可能です。

ただし、評価額が下がってしまうため、融資期間などの条件が悪くなる場合があります。

また、容積率を超えた物件のように、遵法性を満たしていない物件には融資をしていません。

 

特徴③:低金利

現在のアパートローンで主流となっているスルガ銀行のようなパッケージローンは金利が4.5%前後と比較的高金利ですが、それと比較すると低金利で不動産投資を行うことができます。

ただし、パッケージローンに比べて融資期間が短いため、毎月の返済金額と元金の減少額のバランスを見て検討する必要があります。

 

リフォーム費用

基準金利:2.25%(担保設定時1.25~1.85%)
融資期間:10年
融資可能金額:4800万円
担保:不要(設定することで金利の引き下げが可能)
保証人:不要(ただし融資条件に満たない場合に、保証人を付けて補うことができる)

リフォーム費用単体の場合は、制度が利用出来ず普通貸付になってしまうため、金利・融資期間ともに好条件の信販会社などのリフォームローンを利用するほうが有効な場合があります。

ただし、アパート購入費用と同時に融資を受ける場合には、制度を利用して購入費用と同じ金利・融資期間で融資を受けることが可能です。

 

太陽光発電システム設置費用

基準金利:2.25%(担保設定時1.25~1.85%)
融資期間:15年
融資可能金額:7200万円
担保:不要(設定することで金利の引き下げが可能)
保証人:不要(ただし融資条件に満たない場合に、保証人を付けて補うことができる)

太陽光発電システム設置費用にも、信販会社などによるソーラーローンがありますが、金利については日本政策金融公庫のほうが有利です。

ただし、日本政策金融公庫での融資には以下の条件があるため、比較検討する必要があります。

 

条件①:発電量10kw以上

信販会社のソーラーローンには発電量の制限はありませんが、日本政策金融公庫の場合は発電量が10kw以上のシステムしか対象にしていません。

 

条件②:担保の必要性

無担保での融資も可能ですが、2期分以上の申告をしている必要があります。

また無担保の場合は信販会社のソーラーローンと金利が同程度になってしまいます。

 

条件③:野立て太陽光

太陽光発電システムには屋根に載せるのではなく野立てに設置する場合もありますが、その場合は土地への担保設定が必要になります。

そのため借地に野立て設置する場合は、日本政策金融公庫では融資を受けることはできません。

 

日本政策金融公庫は支店や担当者によって差がある

最後に、銀行などと同じように、日本政策金融公庫のアパート経営への融資に対する考え方は、支店や担当者によってかなり差があるため必ずしも同条件で融資が受けられるわけではありませんのでご注意ください。

 

2017年4月現在の最新動向

融資期間に変化

2017年4月に入り、日本政策金融公庫の融資姿勢にも変化が出てきています。

4月からの融資姿勢の変化は、まず融資期間に反映されてきています。

今まで15年の融資期間が出ていた収益物件では10年、20年の融資期間が出ていた収益物件では15年などというように、期間がおしなべて5年程度短くなってきています。

この融資期間の短縮の影響でキャッシュフローが出ないため、収益物件の購入をあきらめるという人が出てきています。

ただし、融資額の上限は変わっていません。

一般では4800万円が融資額の上限です。

若者や女性、シニアは7200万円が上限となります。

 

積算評価から収益還元評価にウエイト

日本政策金融公庫の融資審査で今までは積算評価が中心でしたが、収益還元評価を取り入れ始めています。

そのため、利回りが高くないと評価額が伸びず、融資額が伸びなくなってきています。

その結果、利回りの高い収益物件を持ち込み、短い返済年数でもキャッシュフローが出る収益物件にしか日本政策金融公庫の融資が使いづらくなってきているのが現状です。

全国エリアで非常に使いやすい金融機関だったのですが少々残念な融資姿勢の変化だといえます。

 

まとめ

  • 日本政策金融公庫は政府系の金融機関で、だれでも借入可能であるが、若者や女性、高齢者は特に優遇される仕組みになっている。
  • 弱点は融資期間と融資金額。融資金額は4,800万円がひとつのライン。融資期間は一様に10~15年となっており、築浅のRC造や鉄骨造だと収支がまわりにくい。逆に築古でも同期間借入できるので、小型の木造アパートなどでは使い勝手はよい。
  • 全期間固定金利で2%台中盤の金利。共同担保があると1%台もある。また、繰り上げ返済での手数料も固定金利なのにかからないので、積極的に返済して収支を改善できる。
  • サラリーマンが保有する新設法人でも融資できる。
  • 木造アパートや小型の鉄骨造などの5,000万円以下の高利回り物件に適している。

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