法人化

不動産投資の法人化で考慮するべきメリットとデメリットを徹底比較

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総力特大号!法人化のメリットVSデメリットをとことん比較

不動産投資の法人化によるメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

不動産投資を法人化することのメリットとしては、

  • 節税幅が個人より幅広い
  • デフォルトを隔離できる

不動産投資の法人化のデメリットとしては、

  • 法人設立にかかるイニシャルコスト
  • 法人運営や決算、税金等のランニングコスト
  • 代表であっても個人のように自由にお金を使えない

などがあげられます。

この記事では、不動産投資の法人化で考慮するべきメリットとデメリットをご紹介します。

不動産投資の法人化のメリット①:節税幅が広い

不動産投資を法人化することでの一番大きなメリットは節税ができることにあります。

個人と法人では認められる経費の範囲が大きく異なり、不動産投資を法人で行った業務は広い範囲で経費にできるからです。

 

個人と法人の経費の範囲の違い

個人の場合は、

『利益を生むために必要であった経費のみ』

を経費化できます。

それに対し、法人の場合は、

『法人が行った業務行為』

の広い範囲で経費化が認められ、個人に比べて経費化できる範囲が圧倒的に大きくなるため、節税効果が大きくなります。

細かい部分では、法人でもすべてを経費化できるわけではなく、交際費の経費化など制限されている部分もありますが、個人よりも法人の方が経費化できる範囲が広いということはまぎれもない事実です。

 

不動産投資を法人化して個人よりも広くなる経費の範囲

法人化して個人よりも広くなる経費の範囲

広くなる経費①:役員報酬

不動産投資を法人化した場合は、個人とは違って役員には役員報酬として給与を支払うことができます。

この役員報酬は法人にとっては損金(=経費)となります。

役員は自分だけでなく、配偶者が役員となれば配偶者にも役員報酬として給与を支払うことができます。

その結果、法人としては申告で不動産所得が減ることになりますので、納税額が下がります。

役員報酬は自分と配偶者の個人所得となりますので、個人としては所得税と住民税を支払わなくてはなりませんが、所得税には給与所得控除という経費を差し引くことができるために、その経費分は必ず節税となるのです。

また、経費差し引き後の個人所得の税率が法人所得の税率より低ければ、その分も節税となります。

 

広くなる経費②:退職金

個人とは異なり、法人では代表取締役や家族役員への退職金を支払うことが可能で、法人としては全額が損金(=経費)となります。

退職金の積立は法人保険と組み合わせることで、節税効果をさらに高めることが可能です。

その上で、個人の所得税では、退職金は他の所得と分離して控除額が大きいため、大きく節税できることになります。

課税額=(退職金-退職金所得控除額)/2

退職金所得控除額

  • 勤続20年以下:40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は、80万円)
  • 勤続20年以上:800万円+70万円×(勤続年数-20年)

20年間で800万円の退職金所得控除額となります。

 

広くなる経費③:法人保険

個人では、

  • 生命保険
  • 個人年金
  • 介護医療保険

の複数保険を使っても最大で12万円の経費化ができます。

法人の場合は保険の経費化に上限はありません。

法人保険の種類によって、

  • 全額損金
  • 半額損金

の損金計上できる範囲が異なりますが、12万円までという制限はありません。

法人保険を使うと有効に節税できることになります。

 

広くなる経費④:赤字の繰越

個人の場合は、青色申告をすれば欠損金(赤字)を翌年以降3年間、繰越することができます。

法人の場合は9年間の繰越が可能となります。

欠損金(赤字)を繰り越すことで、利益が出た年度に欠損金(赤字)を計上して、節税することができます。

 

広くなる経費⑤:自宅の社宅化

個人の場合は、自宅と事務所を兼用していれば使用率の按分によって経費計上ができますが、分かれている場合には自宅は経費計上できません。

法人の場合は、事業とは全く関係のない居住専用の自宅家賃を社宅扱いにすることで50%程度を経費計上することができます。

この場合、賃借している住居を法人での契約に切り替えて、法人が不動産投資家さんに賃料を支払い、社員であるあなたは社宅賃料負担金として賃料の50%程度を法人に支払うことで、自宅家賃の50%が法人の経費として認められるのです。

 

広くなる経費⑥:倒産防止共済

個人の賃貸事業では倒産防止共済は利用できませんが法人では利用できます。

倒産防止共済は全額損金扱いできて、40ヶ月以上納めた場合に納めた共済金が100%戻ってくる仕組みになっています。

戻ってきた際には雑収入になり、税の繰り延べがやりやすくなります。

 

中小企業(資本金1,000万円以下)は税率が優遇される

中小企業(資本金1,000万円以下)は税率が優遇される

経費化ではないですが、中小企業の法人税は大企業と比較しても優遇されています。

中小企業(資本金1,000万円以下)で所得が800万円以下となるケースでは、実効税率は25%程度なので、個人の実効税率より圧倒的に有利になる場合があります。

 

不動産投資の法人化のメリット②:デフォルトの隔離

法人化のメリット②:デフォルトの隔離

不動産投資の法人化のメリットは上記の通り、多くは節税面にあります。

もうひとつは法人化して不動産投資の運営を軌道に乗せると、デフォルトの隔離を行うことができます。

 

法人とは

法人とは、難しく言うと、

一定の社会的活動を営む組織体で、法律により特に権利権力を認められ、法律上個人と同じ扱いを受けることが認められているもの

となります。

簡単にすると、

一人で何でもできるわけではないので、グループなどの集団に人と同じ権利を与えて組織で活動しやすくしたもの

といえます。

個人ではないということです。

不動産投資でいえば、個人で不動産を取得するのと法人で不動産を取得するのはまったく異なるということです。

不動産投資では株式会社か合同会社で法人設立することが多いですが、法律上、有限責任となっていますので、法人で事業を行った収益や損失は法人にあって、個人とは切り離されていると理解できます。

 

法人のデフォルトは個人に影響する事実

上記のとおり、通常法人は個人とは切り離されています。

株式投資でも同じですが、上場企業の法人の株を持っているからといって、その法人がデフォルトとなったときに債権者からお金を返せと言われることはありません。

株式会社や合同会社では出資者は有限責任となっているからです。

しかし、不動産投資で法人設立をした場合、同じように有限責任ではあるのですが、代表個人に影響がないというとそうではありません。

不動産投資で法人を設立して不動産を取得する場合は、法人の代表者が個人として連帯保証をすることになるからです。

そのために、法人で万一デフォルトする場合、連帯保証人として法人の代表が個人としても責任を負うことになります。

不動産投資はまさに中小企業の社長と同じシステムになっているということです。

では、どのようにしたらデフォルトの隔離をしてリスク分散ができるのでしょうか。

 

不動産投資で法人を設立してデフォルトの隔離をする方法

法人の不動産投資が危なくなってデフォルトした場合は、その法人と個人の資産がすべてなくなります。

上記のように法人の代表者が個人として連帯保証をしているからです。

デフォルトの隔離をしてリスク分散するもっとも確実な方法は、法人の信用を上げることです。

業績や決算がよければ会社の信用は上がっていきます。

そして信用が上がった会社は、その会社の信用のみで融資を受けられることになります。

不動産投資の法人化では新設法人で融資を受けることがほとんどなので、個人と会社が連帯保証で一体になってしまいます。

しかし、不動産投資を長く続けることで会社の信用が上がり、法人単体で融資を受けられるようになると、社長個人の連帯保証が不要となります。

どのくらいのレベルになれば連帯保証を外すことができるかの基準は、銀行それぞれとの交渉になりますが、具体的な基準は明確にはなっていません。

しかし、

  • 資産負債比率が50%以下
  • 債務償還年数が10年以内

など、銀行から見て明らかに債務の履行に問題が起きる可能性が低く、もしデフォルトになった場合でもその法人の資産を売却すれば、融資が全額回収できると判断されれば可能性は高まります。

これが連帯保証を外すには一番確実な方法で、法人に借入が多額にあってもデフォルトの隔離ができることになります。

ここまでくるには長い年月がかかりますが、最も安全な方法になります。

不動産投資を法人化して法人の信用を高めて個人の連帯保証が外すことができるレベルまで業績を上げることが、目指すべきひとつのゴールだといえます。

 

不動産投資の法人化のデメリット

不動産投資の法人化にはメリットもありますが、少ないながらデメリットもあります。

法人設立費用や一部の税金が赤字でもかかったりするデメリットのほかに、法人は個人ではないため、自分で好き勝手に法人のお金が使えなくなります。

 

デメリット①法人のお金は個人で勝手に使えない

法人のお金は個人で勝手に使えない

個人事業の場合は、簡単に言えば、家賃収入から経費を引き、納税後の手取りが直接個人の財布に増える形になり、家賃収入が多かったり、経費が少なくなると手取り収入が増えるという形になります。

そのため不動産投資を拡大するとたくさんの手取り収入が増えることになります。

法人の場合は、売上から経費を引き、納税後の手取りは法人の剰余金となり、内部留保となります。

法人の剰余金は会社に蓄えられますが、社長の給料ではありません。

社長の給料は、売上から役員報酬として経費の中に含めて支出していかなければいけません。

社長であっても法人のお金を勝手に使うと、業務上横領となり基本的に犯罪行為となってしまいます。

そのため、社長が法人のお金を個人的に使いたいのであれば、役員報酬を設定しなければいけません。

役員報酬は最終的な利益がわかる前の段階で設定することになるので、最終的な利益の水準がわからない段階で、社長の報酬を決める必要があり、ちょうどよく設定するのは結構難しいです。

そのため、法人の役員報酬は決算や利益予測を考慮して、保守的に算出することになります。

つまり、個人事業主では家賃収入から経費を差し引いたものがそのまま手取りの収入なのですが、法人での役員報酬は個人事業主よりも低くなりがちになります。

当然ながら家賃が年度内で上がったりして法人の売上が上がっても、役員報酬を変えることはできません。

法人化しても法人でしかできない節税方法を駆使して税金を抑えたりするノウハウがないと、個人で使えるお金が減るだけで、何のための法人化なのかわからなくなってしまいます。

また、役員報酬の給与所得控除は、法人の利益が出すぎると控除してもらえなくなるので注意が必要です。

増税の一環でオーナー企業が狙い撃ちされているともいえるのですが、

法人所得+役員報酬=1,600万円超

が、3年間続くと、役員報酬の給与所得控除がなくなるという制度もあります。

給与所得控除が受けられなくなると、法人化の意味がだいぶなくなってしまいますので、この水準に近づきそうなら別法人で収益不動産を取得することも検討する必要が出てきます。

 

デメリット②法人の設立費用

法人の設立には概算で25~30万円程度の費用がかかります。

 

デメリット③赤字でも税金がかかる

法人には、

『法人住民税』

が課税されます。

この法人住民税は所得がなくても法人が存在するだけで課せられる税金です。

これを均等割というのですが、中小企業(資本金1,000万円以下)であれば、赤字でも7万円の法人住民税がかかります。

 

デメリット④損金算入に一部制限がある

損金算入されない支出の代表的なものに、

『交際費』

があります。

基本は、資本金1億円以下の法人では600万円までの『交際費』は、その10%は損金として認められません。

  • 経費=会計上の経費
  • 損金=法人税法上、経費として扱えるもの

上記は会計上の経費と税法上の経費に差があるということです。

会計上は経費にできても税務上は経費にできないので、納税額が増えることになります。

ただし、平成25年の税制改正により、中小企業の年800万円以下の交際費が全額損金算入されることになっていますので、不動産投資がある程度拡大されるまでは、交際費の全額を損金算入できるようになっています。

 

まとめ

  • 法人化を検討する際には設立費用がかかるものの、利益を圧縮できる税制上の仕組みを使うことで大きく節税することが可能となる。
  • 不動産賃貸業は帳簿上、利益が出やすい事業のため、法人化した際の節税のメリットは大きくなることが多いといえる。
  • 不動産投資は多額の借入をすることが多く、返済のプレッシャーは絶えずかかってくる。法人化して優良法人になれば、連帯保証を外してデフォルトの隔離をして、リスクの分散を図ることができる。
  • 法人化したあとで法人のお金を個人で使えなくなったと後悔しても遅い。法人化を進める際には、どのように個人に資金を還流していくかを考えて、役員報酬や法人保険などの仕組みを使うことも考える。
  • トータルで見れば不動産投資の規模を拡大するなら、法人化の税制上のメリットは大きい。納税は毎年のことなのでなおさらとなる。

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