銀行の融資審査で重視される『債務償還年数』とは?誰でもすぐにわかる『債務償還年数』の計算式と計算方法

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『債務償還年数』という指標をご存じでしょうか?

銀行員が融資の判断の際に最も重視している数字のひとつが債務償還年数だと言われています。

それは債務償還年数が銀行の物件担保評価に直結するといっても言い過ぎではないからです。

もし債務償還年数を自身でも確認することができれば、収益物件の選定時にも融資依頼の判断時にも役に立つことは間違いありません。

ここでは、自身で誰でもすぐにできる債務償還年数の計算式と計算方法をご紹介します。

債務償還年数とは?融資判断で銀行員が使う不動産投資における債務償還年数の計算式

お金を貸す側の立場で考えると、

  • 借主が確実に返済できるのかどうか
  • 貸したお金が毎年生み出される現金でどれだけの年数で返済できるか

ということが重要であり、その指標として会社が利益やキャッシュフローで借入金を何年で返済できるのかを見ています。

銀行や定義によって異なるのですが、大枠は下記の計算式となります。

◎債務償還年数=(有利子負債-現金)/(税引後利益+減価償却)

 

不動産投資に求められる債務償還年数は20年が一つの基準

不動産投資は、収益物件という資産を購入しその資産から家賃収入が発生するという事業となります。

その特徴として、収益物件を購入するのに多額の資金調達が必要になるため借入も大きくなり、返済までの期間も長期間になるというものがあります。

収益物件は短くても10年以上長いと35年間にわたって賃料を確保し借入を返済していくものですので、売上金額に対して多額の固定資産が貸借対照表(B/S)上に計上されます。

初期投資が高額で返済が長期にわたる不動産投資の債務償還年数はどれくらいが良いのかというと、概ね20年以内をクリアしたほうがよいという基準です。

25年でも問題ない銀行もありますが、20年であれば多くの銀行で債務償還年数の基準をクリアできると思われます。

15年以内までなれば、不動産投資の債務償還年数としては優秀になります。

通常のビジネスでは10年以内を求められますが不動産投資は20年程度を基準としています。

その債務償還年数が20年以内であれば、役員報酬、社有車、法人保険などの節税対策をしていくことが可能です。

節税と銀行評価の観点からもバランスのとれた決算書となります。

 

融資審査時に築古の収益物件は債務償還年数を短く設定される

古い収益物件の場合は残存耐用年数内を基準に償還年数を設定する銀行もあります。

残存耐用年数がゼロとなるときは建て替えを想定します。

それは建て替え時に多額の費用がかかることを考慮に入れるからです。

そのため、残存耐用年数内での借入金返済ができるかどうかもチェックされます。

築古だと残存耐用年数が短いため、債務償還年数も合わせて短く設定されてしまう可能性が高くなります。

そのため不動産投資の規模を拡大するタイミングでは、耐用年数をオーバーする物件はなるべく避けて融資を依頼していくことになります。

新築や築浅の物件をたくさん保有している場合は、高利回りを狙って減価償却が大きく取れることを期待した築古物件への投資は有効です。

しかし拡大途中で築浅物件が少ない場合は、築古物件への投資が債務償還年数にとっては不利に働くということを理解する必要があります。

 

不動産投資にあまり詳しくない税理士は債務償還年数自体を知らないことが多い

収益物件の銀行側の評価がどうなっているかまでは税理士も把握していないことが多いです。

そのため、債務償還年数まで意識した節税対策をしてくれる税理士は、不動産投資に詳しい税理士でなければほぼ無いといっていいと思われます。

不動産投資を拡大できている人は、意識していなくても保有物件の債務償還年数の数字が良い人が多いといえます。

逆に、融資が否決ばかりされている人は、保有物件の債務償還年数が30年以上だったり、築古で耐用年数オーバーの物件をいくつか所有していることにより、銀行側としても融資できない状態となっていることがあります。

 

おわりに

  • 銀行は融資の可否を見るためのひとつの指標として、債務償還年数をよく使う。債務償還年数は銀行として貸したお金がきちんと戻ってくるのかを担保する指標となるからである。
  • 不動産投資を拡大するためには、目安として債務償還年数が20年以内(目標15年以内)に収まるように必要経費を積み上げると節税とのバランスがとりやすい。
  • 築古物件や耐用年数オーバーの物件は、債務償還年数の数字を悪くしまうため、不動産投資の拡大期には、きちんと検討することが必要だといえる。
  • もし築古物件や耐用年数オーバーの物件を保有していて、そこからさらに拡大を狙う場合は、先に築古物件や耐用年数オーバー物件の資産の入れ替えを積極的に行うことも検討する。
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