法人化

不動産投資の法人化でメリットが出る損益分岐点4つのポイント

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
法人名義か個人名義か?不動産投資の損益分岐点がズバリ分かる

収益物件は法人名義で持ったほうが良いのか、個人名義で持ったほうが良いのでしょうか?

  • 個人名義は、設立費用やランニングコストがかからない反面、利益が大きく出ると累進課税の影響を受けて課税額が大きくなる
  • 法人名義は、設立費用やランニングコストがかかる反面、実効税率は個人ほど急カーブで上昇しないので、利益が大きくなるほど、個人よりも節税になる

上記がざっくりとした個人と法人のコスト面・税金面での対比となります。

トータルでの税引後利益を考えた場合、どのくらい税引前利益が出ていれば法人化でのコストを吸収して節税になるのか。

その損益分岐点を見定めて法人化することが必要になります。

ポイント①:節税には個人と法人のどちらが有利か

不動産投資の規模が小さければ個人名義、大規模ならば法人名義が節税には有利になります。

 

法人名義で購入の場合

法人名義は個人名義にはかからないランニング費用がかかります。

  • 設立費用約30万円
  • 法人住民税7万円/年
  • 税理士費用30~40万円/年

イニシャルコストと固定費がかかるので、ある程度の不動産収入規模がなければ、固定費負けしてしまうことになります。

法人名義で購入した時の節税上のメリットを最も発揮するのが、税引前利益800万円までの部分で、その部分は税率が約26%に設定されています。

税引前利益が800万円を超える部分に関しては約42%の税率に上がります。

例えば、税引前利益が1500万円では、実効税率は約33%程度となりますが、これは法人の税引前利益800万円までの税率が低いため、その割安な部分に支えられて全体の平均税率が下がっているといえます。

税引前利益800万円以上の部分に関しては約42%の税率がかかっているということにかわりはありません。

ちなみにここでいう税引前利益はキャッシュフローではなく、決算申告ベースの損益値です。

余談ですが、税引前利益800万円以上の部分はいくら稼いでも42%の税金を払わなくてはなりませんから、一生懸命100万円の利益を上乗せしても、42万円が税金ということになります。

これほど高額な法人税率であっても、法人でもつほうが有利という理由はどこにあるのでしょうか。

それは簡単で、法人の実効税率も高いのですが、個人はもっと高いからです。

個人の最高税率は60%ですので、法人の方がはるかに税率は低いことになります。

 

個人名義で購入の場合

個人で収益物件を保有する際は、本業の給与と不動産の利益は合算されて累進課税で税率が決まるため、不動産の利益は少なくても本業の給与が多いと、不動産に対する税率も連動して大きくなってしまうことに注意すべきです。

個人で収益物件を保有する場合、

  • 所得全体にかかる実効税率
  • 本業給与のみの場合の実効税率
  • 不動産を買った場合に増える税金はいくらなのか
  • 不動産収益が100万円増えるごとにいくら税金が増えるのか

上記4点をそれぞれ考慮する必要があります。

例えば、本業給与収入が2,300万円を超えるような人は、個人名義で収益不動産をもつと、不動産から得た利益の50%以上の税金を支払うことになります。

ここまでくると個人名義で収益不動産をもつ意味はあまりなくなってくると考えられます。

本業収入の高い人は、不動産投資の規模が小さくても法人名義で保有するほうが全体での節税には有利です。

一方、区分所有の投資用ワンルームマンションを数室もつなど、規模が比較的小さめの場合は、法人の設立費用や税理士費用などの固定費を考慮すると個人名義が有利となります。

以上より、税引前利益は同じでも、

  • 法人名義で持つか個人名義で持つか
  • 不動産投資の規模
  • 本業給与収入

によって、税引前利益にかかる税率が変わり、ひいては、納税後の税引後利益が変わってくるということにお気づきになると思います。

不動産をもつことで課せられる税金の仕組みを知って、税引後の利益を考慮することが税金対策ひいては節税につながるといえます。

 

ポイント②:いくら以上の物件を買うなら法人をつくったほうが節税に有利なのか

本業給与がいくらかによって異なりますが、

例えば、

  • 自己資金1割り
  • 表面利回り9%
  • 物件価格1.1億円

の物件を買うと、概ね税引前利益は400万円となります。

この物件を本業給与年収800万円の人が個人で持つと、不動産を持つことによって、

  • 増える税額は約126万円
  • 増えた部分にかかる実効税率は31,6%

となります。

一方、法人で400万円の利益が出る物件をもつと、

  • 税額は約103万円
  • 法人の税務を税理士に委託する費用を年間30万円

とすると、合計約130万円となり、個人での税額の増加分とほぼ同水準となり、このあたりが法人を設立して有利となる損益分岐点だといえます。

一般的なサラリーマンの人は、

  • 1億円以下の物件を購入する場合は個人名義
  • 物件価格が1億円を超えたら法人名義を検討

が、最適な税金対策となり得ます。

前述しましたが、賃料収入から金利支払、減価償却、修繕費などを引いた金額が税務上の利益です。

賃料収入やキャッシュフローが利益ではないので注意が必要です。

  • オーナーの年収
  • 物件に合わせた個人保有と法人保有の損益分岐点

を、物件購入時の収益計算できちんと見通すことが大切です。

 

ポイント③:不動産を買うと節税効果があるということの本質

不動産の購入時に支払う

  • 登録免許税
  • 不動産取得税
  • 仲介手数料

などは、今期の損金として計上でき、それらの経費を計上すると、不動産を購入した年は赤字になります。

そして、赤字となった分は本業の給与所得と損益通算して利益を相殺できるため、今期の支払う税額が減ることになります。

しかし、2期目以降は減価償却などの経費を計上しても、通常はまだプラスとなり、不動産から発生する利益に対する課税が発生します。

そのため、不動産を購入しなかった場合に比べて、税金の総額は増えます。

不動産を買うのは利益を出すためですので、順調に運用できている限りは利益が発生し、その利益に対して税金がかかります。

利益をコントロールすることで税金を圧縮することが節税の考え方です。

不動産投資の減価償却を本業給与と損益通算して、毎年の納税額総額を安くできる節税になると考えるのは正しい解釈ではありません。

 

ポイント④:法人化のタイミング

不動産投資を拡大していくと、個人では節税の限界がすぐにきます。

法人では、

  • 役員報酬
  • 法人保険
  • 経費算入の幅が広い

などのメリットがあり、不動産投資の規模が大きくなった場合には、法人の設立が効果的です。

 

法人設立は最初からがベター

では、法人設立のタイミングはいつがいいのでしょうか。

実は、不動産投資の規模を大きくしていこうと考えているのであれば、最初から法人を設立して収益物件を増やしていくのがベターです。

最初は、法人の設立費用が重く感じられますが、不動産投資の規模を拡大していくとそれほどの負担にはならなくなります。

なぜ、最初から法人化した方がいいかというと、個人で不動産を取得してあとで法人に移そうとすると費用がかさむからです。

個人から法人への不動産の所有権移転は、通常の売買と同じように下記費用がかかります。

  • 不動産取得税
  • 登記費用

上記2つの費用を個人で購入時に支払い、法人への資産移転時にも支払うことになるので、最初から法人で収益物件を取得していれば1回で済むことになります。

徐々に不動産投資の規模を拡大していくのであれば、法人の決算が良くなっていきますので、銀行にも3期、4期とたつにつれて、良い評価を受けやすくなるメリットもあります。

 

個人より法人の税率が低くなるところで法人化するのは有効か?

個人と法人の税率を比較して、法人の税率のほうが低くなるところで法人化するという方法もあります。

現在の法人の実効税率が30%中盤ですが、個人の課税所得が1,800万円を超えてくると所得税が40%になります。

そのため個人の課税所得が1,800万円を超えてくると、法人を設立した方が節税になり、個人の課税所得は累進課税なので課税所得が上がってきたら法人化して収益物件を保有していけばよいということに計算上はなってきます。

ここで重要なのは、実質の個人と法人の税率比較になります。

法人の実効税率は賃貸事業などの不動産投資の場合は中小企業(資本金1億円以下等)の扱いとなり、その場合の法人の実効税率は、所得が800万円以下であれば21~25%になります。

個人の場合は所得税と住民税を合わせた実効税率が課税所得が330万円を超えると27%を超えることになりますので、課税所得が330万円超になれば、個人より法人の方が課税水準としては安くなる可能性が出てきます。

給与収入を合算した場合は計算が複雑になっていきますが、中小企業の法人は優遇されているので実効税率が低いということを覚えておいて損はないです。

個人での課税所得が330万円というと、給与収入が500万円~600万円の間くらいになります。

つまり、サラリーマン年収が500万円~600万円の人は、法人化して不動産投資を進めていった方がトータルで節税になるという計算結果となります。

 

法人化したほうが収支を把握しやすい

サラリーマン給与に家賃収入が入ると、個人の場合は自由に使えるという反面、不動産投資の中で収支を管理することが難しくなってしまいます。

ちょっと家賃収入が増えるとどんどん家賃収入に手を付けてしまいがちになるからです。

サラリーマン収入に家賃収入がプラスされることで、勘違いしてしまい残念な結果になってしまうこともありえます。

不動産投資の収支を節税の視点だけではなく、個人から切り離して法人で管理していくという不動産投資面での効果が法人化にはあるといえます。

ただ、法人化を検討していても、銀行が個人にしか貸さない場合もあるため、法人化での収益物件取得を検討しながら、個人でも並行して検討する段取りが必要になります。

まとめ

  • 1億円以上の物件を買うなら法人所有が有利。法人の実効税率は800万円までの税引前利益の部分に対して低いため、それを超えても全体の実効税率は個人よりも下がり、このあたりが個人と法人の損益分岐点となる。
  • 本業の給与年収が2300万円を超える人が個人で収益不動産を所有すると、利益の約50%超が税金となってしまう。規模が小さくても法人化するべき。
  • サラリーマン年収600万円~700万円以上で課税所得が330万円超になる人は、拡大していくなら法人での物件取得が有利になる。
  • 後で個人から法人に資産を移転するとなると、不動産取得税や登記費用がかかるので、今後の不動産投資の拡大を検討しているならば、損益分岐点にかかわらず法人化するほうが後々有利となる。

あなたにおすすめの記事

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

無料相談:不動産投資のセカンドオピニオンサービス

不動産投資に関して聞きたいことがあるときにいったい誰に相談すればよいのでしょうか?


◎物件購入を検討しているが本当にこの物件でよいのか?

◎不動産会社に勧められている物件は本当に買いなのか?

◎不動産会社の担当者に言われたことの信ぴょう性は?

◎査定してもらった売却価格は妥当なのか?

◎節税対策や相続税対策をどのように進めるべきか?

◎今後の展開や投資戦略はどうしていけばよいのか?


など、様々な不動産投資に関する疑問に対して、プロの目線で第三者のアドバイスを無料で受けることができます。


是非、不動産投資のセカンドオピニオンサービスをあなたの不動産投資にお役立てください。


不動産投資のセカンドオピニオンサービス

【免責事項】

当サイトのすべてのコンテンツ・情報につきましては、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、必ずしも正確性・信頼性等を保証するものではありません。 当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねます。 本免責事項、および、当サイトに掲載しているコンテンツ・情報は、予告なしに変更・削除されることがあります。

コメントを残す

*